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五章『チーズ編』

第838話 現世6

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「な、何故だ!」
「何故って、え、そんなに不思議?」
「これならどうだ!」
「お」

 周囲の空気が無くなったな。

「どうだ! 真空状態を作り出した! これで貴様は息が出来ず失神する!」
「マジか」
「な!? な、なぜ喋れる!? 肺にも空気は残っていないぞ!」
「知らんの? 無酸素運動」
「はぁ!?」
「筋肉はな無酸素運動って言ってだな……まあ筋トレしたことない人は知らないと思うけど、筋肉は酸素無くても運動することが出来るんだよ」
「筋肉すげぇ……」

 スカイハンターはその後も頑張ってた。でも空気で切り付け用がはるか上空から叩きつけられようが、俺は無傷だった。

「はぉ……はぁ……くっ! お、覚えていろ!組織に連絡してやる! そうすれば流石の貴様も終わりだ!」
「いや、なんか俺を殺してくれそうだからこっちから行くよ。住所どこ?」
「なんなんだこいつはッ!?」



 とまぁ、俺が行く前にも悪の組織とやらの人たちが沢山来て絡んできた。とりあえず全員の能力的なものを受けてみたけど俺は死ねなかった。結局全員スカイハンターみたいに驚いて帰って行った。

 沸子が呆れたように言った。

「本当に何者なの?」
「んー、現代最強」





 翌日、ボスのところに行った。ボスともなれば俺を殺せるんじゃないかと期待していたが、大したこと無かった。でも組織は壊滅させた、向こうが襲ってきたからね。これは正当防衛だ。

「つ、強すぎ……る」
「女神公認の現代最強なもんでな」

 さて参ったぞ。死ねない。
 寿命まで待てるわけないし……

 俺は息を止める……ダメだ筋肉が無酸素運動している。
 体を破壊しようにもな。目や喉だって鍛えてあるから破壊できない。イーブンだ。攻撃力と防御力が拮抗している証拠だ、いい鍛え方をした証拠でもある。うんナイス筋トレ。

 俺が目の前にいれば全力で殴れるんだが、そうか。
 残像で俺を殴る。俺は残像を目の前に作って殴ってみた。

 痛て、お、これならいけるか?
 残像を作り殴るを繰り返すこと一日。

 く、何年かかるんだ。タフすぎる俺。飯なんて食わなくても筋肉が勝手にエネルギーを生産してしまう し、それを止めても耐えちゃうし、うぅむ。詰んだか?

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