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五章『チーズ編』

第797話 大戦争160

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 今までとは明らかに違う手応えだ。ザクッと何かを突き刺した!勇者魔力と魔王魔力がぶつかって相殺した?

 闇が霧散する。暗黒に包まれた世界に光が戻る。魔王城に降り立つ。人型に戻った魔王が膝をつく。

「……見事だ。勇者、バーガー・グリルガード」
「勝ったのか?」
「お主の勇者魔力が我の魔王魔力と混ざり完全に中和した。制御を失った闇は霧散した。……我との勝負、お主の勝ちだ」

 終わった、俺たちは勝ったんだ。

「ふあぁ、なんかよくわかんないけど、約束終わったから帰っていいよねー」

 ノヴァは抱いていたアイナを近くにいたクゥに渡すと流星のごとく飛んで行った。

 俺らからの礼とか、別れの挨拶とか、そういうのを一切受け取らずに、……たぶん知らないんだろうな。とんだ無知さんなんだから。でも約束を守ってくれた。信仰しようかな。

「魔王様!」

 ホネルトンが駆け寄る。周りを見れば戦争中なのにも関わらず通夜のように静まり返っている。みんな宇宙で行われた決戦に釘付けになっていたようだ。

「スー、生きてるか?」

『大丈夫なの』

「よかったスーの魔力を使い切ったらどうなっていたか」

 俺は魔法を解除させる。筋肉の精霊が消えて、バンズの隙間から紫色の魔力が出てくる。人型には戻れていないな、洋館の破片みたいだ。でもスーも大丈夫だ。休めば戻れるだろう。


「スー、みんな、ありがとう!」
「どういたしましてなの!」

 三騎士たちも辛そうにしているが、うなづいてくれた。




 終わったんだ、何もかも。
 これで世界に平和が、














「ニャッハハハハハハハハハハハハハハ」
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