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五章『チーズ編』
第708話 大戦争83
しおりを挟む「どうした? 振り向いて確認したらどうだ」
俺は魔王から視線を外すことが出来ずにいる。少しでも気を抜こうものならその隙に残飯にされるかもしれない。
魔王から流れる異常な雰囲気が俺を釘付けにさせるんだ。
「不意打ちなど我がすると思うのか。まあよい。それも仕方の無いことだ。アリス」
「はい。魔王様」
俺の横を優雅に歩いて現れたのはとても美しい女性だ。
しかし俺の後ろにいたのは俺の仲間たちだったはずだ。
「お前の仲間たちの相手はこのアリスだ」
そう言われたアリスという女性は恭しく礼をした。
「九大天王が一人。『無限』のアリスですわ」
「俺の仲間たちをどうした!!」
「ふふ、後ろを振り向いて確認することも出来ないなんて無様ですわね」
アリスは俺の反応を楽しむようにしてから続けた。
「勇者パーティは私の結界の中にいるわ」
「なに!?」
結界だと、あのワッパーが使ったような結界か。
気付かれずに分断したというのか。
「それでは魔王様、私はあの娘たちを始末してきます」
「うむ」
アリスが去るのを俺は見過ごすしかなかった。
「そう睨むな勇者バーガーよ。これは戦争、殺し合い。ここは我の領土であり、お主は侵入してきた敵なのだ。さあ、来るがいい。我々も始めようではないか」
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