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五章『チーズ編』

第704話 大戦争79

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 魔王は語った。

「魔王と勇者。この世界では初の邂逅だな」
「この世界? 別の世界があるみたいな言い方だな」
「その通りだ。別世界の話だ。別の世界では魔王と勇者はよく争っている」
「それって・・・・・・」

 俺の世界のことか? 俺の世界ではアニメとかになるが、それとも別の世界があるのか、魔王はどこまで知っているんだ。

「こんなことを言っておいてなんだが、我が直接見たわけではない。我はこの宇宙一つのみを支配することしか出来ん。別世界(パラレルワールド)を行き来出来るのは、我が兄。転移龍ドラゴンカーセックスのみだ。我は兄から聞いた話をお主たちに話しているに過ぎぬ」

 クロスケが前に出た。

「それで別の世界とやらの魔王と勇者はどっちが勝つんだ?」
「勇者だ」

 クロスケはカカカと笑った。

「おもしれぇ話じゃねぇか。ええ?  負けるために魔王になったのか?」
「ふ、別世界は無数にある。僅かだが魔王が勝つ世界もある」
「へ、だとよ。バーガー」
「これから俺たちは戦うのか?」
「そのために来たのであろう。お主が我を倒さなければ、人類は滅ぶ。それだけで争う理由になり得るだろう」
「そうだな。そんなことはさせない」
「ならば名乗れ。勇者とはそういうものだろう」
「・・・・・・俺は勇者! バーガー・グリルガード! 魔王を倒すものだ!」

 魔王はそれを聞いて初めて平たい口の口角を上げた。

「我は魔王龍ダークネスドラゴン。世界を闇に染める者なり」

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