現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

五章『チーズ編』

第６０９話 ダークバーガー2

「ここのようです」

　アイナは地図をしまう。大部屋を見る。入口には扉もなくここから全体を見渡すことが出来る。天井があんなに高い、広さも相当だ。これだけ広ければ野球ができるな。

「よし、ここからは俺一人だ。アイナは声援を飛ばしてくれ」
「はい！　ファイトです！　バーガー様！」

　100万倍は頑張れそうだ。
　俺はニヤケ顔を引き締める。颯爽と跳ねる。

　大部屋に入る。入ってすぐに何かあるわけじゃないのか？　一番奥まで進んだところで異変が起きた。

　前の壁が自動扉のように左右に割れる。空いた穴の中から現れたのは菱形の石像。それは僅かながら宙に浮いている。

「なんだこれは、チーズはどこに、うおっ！？」

　菱形が光り輝いた。これがガーゴイルか？

「バーガー様！　後ろです！」

　振り返ると菱形の光によって生み出された俺の影から何かが滲み出てくる。俺は理解した。

「なるほど、そうだよな、勇者ものには必ずなきゃならないよな」

　滲み出たのは真っ黒な俺。さしずめダークバーガーと言ったところか。