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四章『トマト編』
第553話 悲しい悲しいバーガー
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えっとですね。とんでもないことになりました。僕はね。勇者やらせてもらってるハンバーガーなんですけどね。頑張って伝説の剣は手に入れたんですよ、そこまではよかった。でもね、伝説の盾をね、逃してしまったんですね。伝説の盾の適合者を探す大会で、以前戦ったドレッドヘアのプロレスラーと再選しましてね。ええ、これは運命かな? と思いましたよ。まさかの再選ですよ。それでね。さすがに伝説の剣使うのも卑怯かなっと思ってやめておいたんですよ。そしたらめちゃくちゃに追い詰められましてね。なりふり構ってられなくなった私はね、アイナさんにですね。「で、伝説持ってきて! M! M!」って叫んだんですよ。今思えばみっともなかったですね、ええ。でもね、アイナが投げ入れてくれた伝説の剣を咥えてね。勝ったなと、そう確信したんですよ。でもね。すっげぇ強くてプロレスラー。やっぱり筋肉なんだなーって思いながら失神しましたね。そのあと女神に会いましてね、ええ死にかけましたよ。めちゃくちゃに笑われまして、もう情けないったらなかったですね。それでももしかしたらと、いちよ勇者だし伝説の盾も空気読んでくれるんじゃないのってちょっと期待してたんですよ。パーティーメンバーの妹さんの手に渡ったんですね。年も2桁になってちょっとの子ですよ。いや、彼女も背負ってるものがあるのは知ってますけどね。ええ。でもそれでも私って勇者やし。ねぇ。みなさん。
「バーガー様?」
「おおう!? なんだアイナ。俺に何か用か!?」
ここはジゼルの家、その自室だ。俺たちはクッションに座り、今日の大会の話で盛り上がっていた。
「いえ。なんだが考え事が長いなって」
「あ、肩に乗ってたんだった」
アイナは俺が肩に乗っている時、僅かなヒール(下のバンズのこと)の動きから気持ちを読めるまでに成長しているのだ。
「マナーの盾は残念でした。でもヒマリを選んだってことは何か意味があるんだと思います」
「そうだよな」
ぶっちゃけめっちゃ欲しかった。俺の体は脆弱なパンなのだ、それはどれだけ鍛えてもパンの域を出ないということ。俺からすればマジで喉から出がてるほど欲しかったものだった。
エリノアがジゼルのベッドに寝転がりながら言った。
「ヒマリと一緒に戦えば?」
「それはどういうことですか?」
食いついたのはアイナだ。
「いやさ。ヒマリの肩に乗れば実質Mソードとマにゃーの盾を使っているようなものかなって」
「それは! それは・・・・・・ダメです」
「どうして?」
エリノアはニヤニヤと下卑た笑みを見せる。
「それくらいにする」
「にゃ!!」
部屋に戻ってきたジゼルがエリノアのお腹に座る。エリノアの抵抗虚しく頭をゴシゴシと撫でられる。
「2人ともお疲れ様。コーヒー」
「ありがとうございます」
「バーガーには上薬草」
「ああ!! ありがとう!」
「ミーには?」
「ない」
「どうして!! こんにゃのってにゃいよ!!」
「備蓄してたお菓子全部食べたでしょ」
「うにゃ!? にゃぜそれを!!」
「お金あげるから買い出し行ってきて」
「は、はい。謹んでお受けしますにゃー」
あざといにゃーを言ったエリノアはキビキビと部屋から出ていった。
「バーガー様?」
「おおう!? なんだアイナ。俺に何か用か!?」
ここはジゼルの家、その自室だ。俺たちはクッションに座り、今日の大会の話で盛り上がっていた。
「いえ。なんだが考え事が長いなって」
「あ、肩に乗ってたんだった」
アイナは俺が肩に乗っている時、僅かなヒール(下のバンズのこと)の動きから気持ちを読めるまでに成長しているのだ。
「マナーの盾は残念でした。でもヒマリを選んだってことは何か意味があるんだと思います」
「そうだよな」
ぶっちゃけめっちゃ欲しかった。俺の体は脆弱なパンなのだ、それはどれだけ鍛えてもパンの域を出ないということ。俺からすればマジで喉から出がてるほど欲しかったものだった。
エリノアがジゼルのベッドに寝転がりながら言った。
「ヒマリと一緒に戦えば?」
「それはどういうことですか?」
食いついたのはアイナだ。
「いやさ。ヒマリの肩に乗れば実質Mソードとマにゃーの盾を使っているようなものかなって」
「それは! それは・・・・・・ダメです」
「どうして?」
エリノアはニヤニヤと下卑た笑みを見せる。
「それくらいにする」
「にゃ!!」
部屋に戻ってきたジゼルがエリノアのお腹に座る。エリノアの抵抗虚しく頭をゴシゴシと撫でられる。
「2人ともお疲れ様。コーヒー」
「ありがとうございます」
「バーガーには上薬草」
「ああ!! ありがとう!」
「ミーには?」
「ない」
「どうして!! こんにゃのってにゃいよ!!」
「備蓄してたお菓子全部食べたでしょ」
「うにゃ!? にゃぜそれを!!」
「お金あげるから買い出し行ってきて」
「は、はい。謹んでお受けしますにゃー」
あざといにゃーを言ったエリノアはキビキビと部屋から出ていった。
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