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四章『トマト編』

第546話 礼儀杯9

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「舐めて悪かったな。俺はお前を戦士として認めたぜ。ぶっ殺してやるから掛かってこい」

 どうやら先手は私にくれるそうです。よかった、一振も出来ないまま倒されることはないようです。

「お優しいんですね」
「はっ。何言ってんだ、これからボコられンのによ」

 私はサンザフラを抜きます。クロスケ様が文字通り目を丸くします。

「んぁ? そいつはサガオの双剣じゃねぇか。誰だお前」
「私はサガオ・サンライトの妹。ヒマリ・サンライトです」
「あー、なるほどなあの妹か。そういやあいつ死んだんだっけか、それで聖騎士に、へぇへぇほぉほぉ、くぅー泣かせるじゃねぇか!」

 クロスケ様の話も聞きつつ私は距離を詰めます。

「カカカ。なんだよ。双剣の使い方分かってんのか?  双剣は盾が持てねぇんだ。その意味わかってんの、かっ!!」
「ぐッうっ!!」

 クロスケ様が前蹴りを空に放ちました。まだ距離があるのにも関わらず風圧に耐えるので精一杯です。

「オラ来いどうした! 俺のところに来る前に大会が終わっちまうぞ!  仇だと思って打ち込んでこいや!」

 私はクロスケ様を中心に弧を描くように走ります。直線で向かえばあの蹴りを今度は直で受けることになるからです。

「そうだ! 走れ走れ走れ! カカカ!」

 クロスケ様は猫背を反らせ。上を向いて笑います。背後に回った私のことなんて意にも留めていません。

 私はジャンプしてサンザフラを振り下ろします。
 クロスケ様の頭に直撃・・・・・・しませんでした。

「ぐっ」

 突然出現した黄金に輝く大剣がサンザフラの斬撃を防いだのです。

「俺だって剣くらい持ってンだぜ」

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