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四章『トマト編』
第536話 魔王城の平凡な日常18
しおりを挟む「そうね。ありがと」
「説教くせぇこと言っちまったな」
「ほんとよ! なんで貴方に言われなきゃならないわけ!!」
「んだとコラ」
「まーまーポメ。そのくらいにするポメ」
机の下から出てきたポラニアは後ろ足で顔をかこうとして足が届かないのでやめた。間を置いてチャレンジしたがそれも失敗する。
「ポラニアいたの!?」
「ずっといたポメ」
「あー、恥ずかしいことを聞かれたわ」
「メアはもっと自分の弱さを認めて周りを頼るポメ」
「よわ・・・・・・嫌よ! だってカッコ悪いじゃない!」
「ツッパることもいいポメけど・・・・・・」
まぁ相談出来る相手が一人いるからいいポメね。とメアに聞こえないくらいの声で呟いた。
「なによ!」
「なんでもないポメよ。さ、ギア。小難しい話をしようポメ」
「おう簡潔に頼む」
「ちょっと! 待ちなさいよ!」
「うるせぇ。元気になったなら出てけ」
「あー! そうですかそうですか! わかりました! 出ていきますよ! お邪魔しましたね!」
メアが部屋から出ていった。入れ違いでレイが入ってくる。
「何かあったんですか?」
「痴話喧嘩ポメ」
「あぁまたですか」
「またとはなんだ。それに痴話でも喧嘩でもなかっただろうが、それでそれはどうなんだ」
いま俺とポラニアは大事な仕事をしていた。ポラニアが鼻を舐めてから改まった感じで言った。
「キラーキラーキラー、通称神殺(ゴッドキラー)しは理論上は作れるポメ」
「何が足りねぇ?」
「神クラスの素材ポメ。神を超えるには神の力が宿ったものを使うのが手っ取り早いポメ」
「神クラスの素材だァ? 『犬小屋』から採掘した鉱石の中にはねぇのか?」
「神力の宿ったものがそう易々とあるわけないポメ」
「ならどこにある?」
「神力はすなわち神の魔力ポメ。魔力自体が極小サイズの魔法陣の集合体のようになっているポメ。それによって荒唐無稽な魔法をーー」
「やめろ。理解できねぇ」
「ポメ。そうポメね簡潔にいえば神クラスがいたところには神力に触れた物質あるポメよね?」
「ああ」
「その触れていた物が神力を吸って極々稀に神クラスの素材にランクアップしている場合があるポメ」
「なるほどな。それを神殺(ゴッドキラー)しのボディに使おうとしているのか」
「そうポメ。それさえ手に入れば制作可能となるポメ」
「神のいた場所か。魔王はどうだ?」
「ダメポメ」
「どうしてだ?」
「魔王様は魔力を抑えているポメ。それでもすごい魔力であることに変わりはないんだけど神クラスの素材が生まれるほどじゃないポメ。たぶん魔王様もそれを意識して抑えていると思うポメ」
「なら頼んでちょっとの間だけ魔力を解放してもらったらどうだ?」
「それは現実的じゃないポメ。神力が宿るのに何年かかるか正直なところ分からないポメし。短時間ではまず無理ポメ」
「魔王は使えねぇってわけか」
「言い方が酷いポメよ。一つだけ可能性のある場所を知ってるポメ」
「それを先に言え。どこだ?」
「チョウホウ街だポメ」
「あの戦争地域だった所か」
「今は大きな球体に包まれているポメね。中もみっちりポメ。それの原因は覚えてるポメね?」
「ああ、創造神ビルディーだろ」
「そうポメ。そこまで分かれば話は早いポメ」
「そうか。ビルディーはいま建設期が終わってあの中にいるのか」
「あれから何年も立っているポメ!」
「神力を吸収するには十分ってことか」
「そうポメ。それに魔王城の航空ルートとチョウホウ街の位置が重なっているポメ」
「チャンスだな。さっそく魔王に話してみる。ポラニアついてこい。レイここは頼んだぞ」
「はい。行ってらっしゃい」
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