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四章『トマト編』
第517話 時間終了
しおりを挟む机に置かれた取説をめくる。目次を開いて項目を見る。
アイナが驚きの声をあげた。
「項目が増えてます!」
そうだ。一つ目の項目が勇者斬(ブレイブスルー)で以前はそれより先に開けなかった。
しかし今は確かに2つ目の項目が書かれている。
時間終了(タイムアウト)。
「たいむあうと?」
アイナが首を傾げる。それもそうだ、俺も聞いたことの無い魔法だ。
「ページをめくってみよう。そのための取説なんだからな」
アイナがページをめくる。またしてもリアルタイムでこちらに語りかけるような文章が書かれている。
『やあ! ついに壁を超えたんだね! これで君もほぼ勇者だね!』
ほぼと言うところに違和感をおぼえつつも次のページをめくる。文字がデカすぎるんだよ。
『2つ目の魔法は時間終了(タイムアウト)。時間を停止する魔法だ!』
なん・・・・・・だと!?
時間停止ってあんた・・・・・・それ・・・・・・マジで?!
『ふっふっふ! 驚いたかい? それもそうだろう! 時間に縛られて生きている生物が時間を意識するのは難しい! 一部を除いてね!』
そりゃあ時間っていえば不可逆的なもので俺たちがどうこうできるものじゃないからな。
魔法はそんなものにまで干渉するのか。
『勇者斬(ブレイブスルー)が1日1回なのに対して、時間停止(タイムアウト)は1日3回使えるよ! 早速使ってみよう!』
「バーガー様。使ってみてください!」
アイナはよく分かっていないようだが、ワクワクしているのが分かる。
「よし、使ってみるか。クレア、ここで魔法を使ってもいいか?」
「構わないよ」
即答かよ。
「じゃあ行くぞ、『時間終了(タイムアウト)』」
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