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四章『トマト編』
第483話 最後の修行23
しおりを挟む九大天王だと!?
ジゼルの言っていた魔王軍の最高戦力か!
「同じく九大天王の『魔夏』のセミリオンです」
この人もか・・・・・・、九大天王が2人目。どうする。
幸いにも俺はパンの魔物だと勘違いされている。ここはやり過ごすか? この島は絶海の孤島、隔離島だ。ここから出るならそれなりの準備がいるはずだ、まだ時間はある。
アイナが僅かに肩を揺らす。気づかれないようにサインを送ってくる。アイナは俺の指示を待っているようだ。
この人たちは敵だ。見過ごすわけには行かない。だが助けの見込みがないこの島でやり合うのは無謀すぎる。
やはりここは調子を合わせてーー
「挨拶も済んだアル、そこの人間を始末するネ」
「え?」
「何をしているネ。そのエルフを食べる気アルネ。あ、それとも殺すだけアルカ? 殺した相手を挟む殺人バーガーというわけネ」
まずいな。
「あ、ああ、やっとこうやって肩に乗って捕まえたところだ。まさか九大天王ともあろう方たちが一魔物が捕まえた獲物を取るわけないだろ?」
「もちろんです。強者たるもの品性を欠いてはいけませんからね」
セミリオンの言葉にホッと心の胸筋を撫で下ろす。しかしラーメンが一言。
「ほら、見ててあげるネ。そのエルフを殺るアル」
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