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四章『トマト編』
第463話 最後の修行3
しおりを挟むなるほど体を鍛えた次は心を鍛えるということか、随分憎いことをしてくれる。
心身ともに極めてこそ勇者ということか、ふざけやがって絶対納得しないからな。
だが、こんなところでくよくよしているわけにもいかない。
空を見てもグレイブは見えない。彼は助けてくれないだろう。
「・・・・・・まずは拠点を作ろう。生活するための準備だ」
「はい!」
少し森に入ったところで、アイナが魔法を唱える。
「風切断(ウィンドカッター)!」
アイナの手先から風が発生。それは鋭利な刃となり前方に飛んでいく。
目の前の樹木を切断する。音で分かるが、やはり風魔法は見にくいな。
アイナは同じ魔法を何度か唱えて、半径10メートルくらいにある木々を次々に倒していく。
そして倒れた樹木についている枝葉を背中に付けていたナイフで綺麗に切り取り一箇所に集める。
そこから太めの枝を選び、組み合わせて中心に簡易テントを作っていく。
そこまで作ってアイナが気づいたように口元に手を当てた。
「木の上に拠点を構えた良かったでしょうか」
「一つ目はこれでいいだろう、木はいくらでもあるからな!」
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