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四章『トマト編』
第458話 紅蓮5
しおりを挟む俺たちも名乗る。
「俺はバーガー・グリルガード。こっちは相棒のアイナ・フォルシウス。それとこっちは神龍のスーサイドドラゴンだ」
「ふん。いい目をした少女だな。それに神ときたか。こんな所で話すこともない。俺の隔離島に招待しよう」
グレイブがそう言うと俺たちの足元の地面が浮かび上がる。グレイブの魔力操作で砂を固めて浮かせているのだろう。
「すごいです! バーガー様! 浮いてますよ!」
「魔物の背中とはまた違った感覚だな」
「私にも出来るでしょうか?」
「アイナならできるようになるさ!」
海を渡る。空飛ぶ浮遊台に乗らずに先頭を飛ぶグレイブがこちらを見ずに話しかけた。
「俺についてなにか聞いているか?」
「いや、なにも」
「そうか、先に言っておくが俺は呪われている」
それは知っておかなくちゃならない。
「一体誰に、どういった呪いだ」
「誰にかけられたかは問題ではない。あいつは俺が殺すからな。俺にかけられた呪いは無心の呪いだ」
「無心?」
「心を無くす呪いだ」
「え、でも感情がないようには見えないが?」
「俺の留まることを知らない。際限なく溢れ出る紅蓮の憤怒だけが残ったんだ」
どんだけキレてんだよ!
「ああやって魔法を使って発散しなければ、誰彼構わずにぶちのめしてしまう。いいか貴様ら今から行く場所は厳しい環境だが、それよりもまず俺に気をつけろ」
なんて忠告だよ!
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