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四章『トマト編』

第432話 ディス

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「ほうきって跨るんじゃないのか?」
「え、そうなんスか? 他の魔女の常識なんて知らないし、知ったこっちゃないっスよ」

 そう言ってスカリーチェは片足立ちする。体幹いいな。

「こんなことして魔女ってバレるだろ」
「問題ないっス。私は四天王っスよ? つまり魔王軍最強の魔女っス。隠蔽魔法なんてお手の物っス」

 ああ、俺はとんでもないやつを王国に招き入れてしまった。

 だがどうしてもこいつを悪いやつだと思えない自分もいる。

 それはいまだに危害という危害を加えられてはいないからだろう。

 話した感じも、どこか変だが、コミュニケーションが取れないというわけじゃない。話せば分かってくれそうなやつという印象を受ける。

「バーガーはチクらずにいてくれているみたいっスね」
「他にどうしようもないだろ」
「クスクス。どうしようもあると思うんスけど」
「例えば?」
「アイナを見殺しにする」
「そんなことできるわけないだろ!」
「それで他にも諸々被害は出ますが、私は殺せるっスよ。何せいま王都には三騎士が2人もいるんスから」
「じゃあ効くが俺は殺さないのか? 敵なんじゃないのか?」
「私は魔王様の言葉にしか従わないっス。逆に言えば命がなければ私は普段通りに暮らすだけっスよ」
「じゃあ、俺が魔王を倒せばーー」

 最後まで言えなかった。俺がスカリーチェに握りつぶされたからだ。






























「あははははははははは!!! 無様じゃのう! 本当に無様じゃ!」

 白い空間で腹を抱えて笑うのは女神だ。

「俺、死んだのか?」
「あはははは!! そうじゃよ! 握りつぶされた!」
「・・・・・・やっちまった」

 そりゃあ、いま思えば気持ちは分かるが、瞬間湯沸かし器かよ・・・・・・いや、言いすぎたのは俺だ。魔王は敵だが、スカリーチェからすれば崇拝する主君だ。それを悪く言われれば怒るのは当然のことか。

「その通りじゃな。さ、戻るがいい・・・・・・ふふっ! あはははは!」

俺は光に包まれて変えた。










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