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四章『トマト編』
第415話 修行6
しおりを挟む「バーガー様。遅れてごめんなさい。今助けます!」
「アイナ来るな!」
アイナはいつもの冒険に出る格好で弓に矢を番える。
狙いはクロスケに向けられている。
その状態でもクロスケは余裕があるようだ。凄腕の弓使いに狙わていることなど意に介さず。俺を見てギラギラと笑った。
「カカカ。情けなくねぇのか? 女に庇われてよ」
「くっ。アイナ。下がれ、危険だ」
「そうはいきません! もうじきバーガー様に挟んである薬草の魔力が尽きる時間です。早く新しい具材を挟まないとバーガー様が死んでしまいます!」
「あれはお前のメイドかなんかか?」
「う、うるさい」
「まぁ、させねぇけどな。おいアイナ」
「なんですか」
「俺はこのバーガーをここから一歩も動かさせねぇ、どうする?」
「なら力ずくでも退いていただきます!」
「カカカ。そう来るか。嫌いじゃないぜ」
「じゃあ退いてください」
「そうはいかねぇな。俺を突破してバーガーを助けてみろ」
「今はバーガー様の命が掛かっています! 手加減はできません! 後悔しても知りませんよ!」
「殺す気で来ねぇと修行にならねぇだろうが。来いよ稽古つけてやる」
「はあぁ!!」
アイナは気合いを込めて矢を放つ。
いやいや、アイナさん、その距離から矢を放ったら最悪死ーー
「カカカ」
「なっ!!」
「嘘だろおい・・・・・・」
クロスケはアイナの放った矢を人差し指と親指で摘んで止めている。
「見えてる弓兵は怖くねぇ」
「・・・・・・はあぁ!!」
アイナは次の矢を放つ。
「何度やっても同じだ」
無駄だ、またクロスケに矢を摘まれてしまった。
「お?」
クロスケのつまんでいた矢が爆発した。
アイナは矢に爆発魔法の札を張っていたのだ!
「バーガー様、いま行きます!」
アイナは俺のこととなると暴走することがあるな。
まて、煙の中に・・・・・・。
「アイナ! まだ来るな!」
「え! きゃあ!」
煙の中から飛び出して来た足がヤクザキックを繰り出す。
アイナはもろに受けて蹴り飛ばされてしまった。
「こんなもんでダメージ負えるほどヤワじゃねぇンだよ」
無傷だと・・・・・・。
いや、僅かにクロスケの周囲に風が渦巻いている。
周囲の風を魔力で操作して、爆風から身を守ったのか!
「オラオラ、愛しの勇者様が死ンじまうぞ?」
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