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四章『トマト編』
第413話 修行4
しおりを挟む「ほう。いい度胸だ。動くッつうのか?」
「ああ。今のアイナは疲れている。回復させてまた修行させた方がいい」
「カカカ。なんだ? 随分と知ったような口を利くじゃねぇか。ンン?」
「どうしてもというなら俺がアイナに代わって修行を受けさせてもらう」
俺は一歩も引かないと決めた。アイナが這って俺のところに来る。
「バーガー様・・・・・・」
「アイナはよく頑張った。あとは俺に任せろ」
「・・・・・・はい・・・・・・!」
クロスケが俺の目の前まで移動する。その一連の動作がとても遅く感じる。
まさか俺はここで終わるのか?
修行に耐えられず、勇者失格として、この場で廃棄処分されてしまうのか?
なら、最後はアイナを守って死んでやる!
今の俺が使えるーー
「合格だ」
クロスケは俺を跨いでアイナの腕を掴んで立たせる。
「え? ええ?!」
「合格だ。試して悪かったな」
「ど、どういうことだ?」
「お前を試したンだよ。こいつを助けなかったら、マジで俺はお前を踏み潰していたかもなぁ?」
クロスケはそう言いつつアイナを背負う。
「は、離してください」
「は? 医務室で休んどけ、限界だろうが」
「で、でもバーガー様が!」
「カカカ。安心しろ大丈夫だ。おいそこのやつ! こいつを医務室につれていけ」
クロスケは通りがかりの生徒にアイナを連れて行かせるように頼むと俺のところに戻ってきた。
「じゃあ、俺も」
「動くな」
「え、でも試したんだろ?」
「これはマジだ」
「は、はぁ!?」
「この場から動くな。その砂時計の砂が落ち切るまでだ」
「・・・・・・俺は挟んでいる具材の魔力が切れると餓死する」
「らしいな。ま、俺も一緒に付き合ってやっからよ。見張りとしてだがな! カカカ!」
クロスケはドカリと俺の横に座る。
「そうそう、その場から動いたら殺すからな。これは本気だ」
クロスケの体から殺気が漏れ出す。どろりとした重みがある。実際に魔力が漏れ出しているのだ。上から押されている感覚がある。
「修行名はそうだな。『餓死が嫌ならなんとかしろ』だ!」
「やっぱり無茶苦茶だ! あんたホントに修行したことあるのか?!」
「ねぇよ! ついでに弟子もお前らが初めてだ!」
「間違ってると思いますうううううう」
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