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四章『トマト編』
第407話 とりせつ3
しおりを挟む取説を読んでいく。
『え? 魔王は強くて剣一本じゃとてもじゃないが倒せないよって? 普通はそう思うよね! でも大丈夫! この伝説の剣! Mソードならね!』
通販かな?
『この取説にはMソードの運用方法が書いてあるよ! あと奥義も! この取説を読み終わる頃には君も立派な勇者だ! じゃあ次のページを開いてね!』
文字がデカすぎてページが進む進む。
『レッスンワン! 『勇者斬(ブレイヴスルー)』』
あ、これは解析で検出された魔法だな。あれがレッスンワンだったのか。
『君の『精神力』とMソードの『聖なる魔力』を刀身に纏わせて一気に放つ。第一の必殺技だよ!』
精神力? なんだそれは魔力とは別のエネルギーを使うのか。
「精神力ってなんだ?」
「わからない・・・・・・」
「ジゼルでもわからないのか」
「わからないことばかり。先に進もう」
「わかった」
「じゃあ次のページを開きますね。あれ?」
「どうしたアイナ?」
「ページが開けません」
「なに?」
紙がぴったりと張り付いていて剥がれない。
「え!? バーガー様これは!」
「うわ! なんだこれ!」
レッスンワンのページの文字が変わっていく。気味が悪いな。
『今の君に教えられるのはここまでだよ』
「これ・・・・・・バーガー様に向かって話しかけているように見えませんか?」
「そ、そんな馬鹿なことが」
その間にも文字は変化していく。
『壁を超えたら、またページをめくるといい』
「あ! 取説が勝手に閉じました!」
・・・・・・壁を越えたら、だと?
クレアがうなづいている。
「クレアこれはどういうことだ?」
「勇者様はまだMソードに勇者として完全には認められていないということだ」
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