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四章『トマト編』

第401話 モンスターパニック6

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 Mソードの威力は凄まじいものだ。一撃で魔物を屠ることができる。

 ラ〇ト〇ーバーを振るうジ〇ダイみたいな無双感を味わえる。
 だが俺は体感する。この斬撃は魔力を消費している。

 つまりこれを使っていると勇者斬(ブレイヴスルー)はいつまで経っても撃てないというわけだ。

 対応ならできる。この爆撃のような斬撃は任意だ。
 魔人たちと戦った時はがむしゃらだったが、今なら発動タイミングを任意で決めることができる。

 オーバーキルは魔力の無駄だ。結局は具材を駆使している時と同じで考えて戦わなけらばならない。

 普通に振るっていてもこのMソードは強い。俺からすれば発泡スチロールのように軽い剣だが、受ける相手からすれば相応の質量が伴う。

 俺が動くだけでも具材の魔力を使ってしまう。なるべくは頭部を一撃で破壊して魔力消費を抑えたい。

 ちなみにだが、魔力を取る具材は俺が決めることができる。
 具材が2つなら、どちらか1つから魔力をとることも可能だ。
 逆に両方から取ることもだ。

 本来なら魔力効率のいいパテを使うのが1番だが、急がなければならなかったからな。

 と、思考しつつも体は戦う。
 これは現代にいた時に身についた能力だ。何かをしつつ常に筋トレができるように、俺の筋肉たちが覚えた処世術だ。
 それはバンズになった今でも忘れてはいないらしい。

 前まで暗かった洞窟も天井が突き破られ、いくつも亀裂が入り、光る石なしでも十分な光量を得ている。これなら迷わずに移動することができる。

 大きな空洞の終りに長い洞窟が見えてきた。
 この奥にトマトがある!

 その時、

「なに!?」

 目の前の天井が崩れたのだ。天井を突き破って現れたのはニードルハックの片足、両足ともこの洞窟に突き刺したようだ。

 現代にいた頃にテレビで見たことがある。頭部以外の臓器にも記憶する能力があると、そんな胡散臭い話を聞いたことがあるが、まさかそれか? 僅かに残った記憶で、仇の俺のことを狙っているのか?

「魔力の温存なんて考えている場合じゃないな。死んだら女神に笑われる!」

 俺は魔法を発動させる。

「『魂(マテリア)の実体化(ライズソウル)』」

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