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四章『トマト編』

第392話 伝説の剣を抱いて15

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「なぁ。皆にはスカリーチェのことをどう説明するつもりだ?」
「どうとでもなるっス。バーガーは私に合わせてくれればいいっス。そろそろ地上っスよ」

 穴から出ると、周りにはアイナたちがいた。

「バーガー様!!」
「あぶにゃいよ!」

 飛び出そうとしたアイナをエリノアが押さえる。

 オショーが訝しんだ様子で話し始めた。

「勇者様、ご無事でなによりですぞ」
「あ、ああ」
「そのお方は?」
「え、えっとぉ・・・・・・」

 俺はスカリーチェの顔を見る。ニッコリと笑を絶やさないでこちらを見ている。

「クスクス。困ってる顔はやっぱり可愛いでスね」
「おい、みんなが不審がってるぞ」
「はいはい。私は伝説の剣を護りし者っス」

 スカリーチェは地上に降り立つと、俺を頭の上に乗せる。

「伝説の剣を護る者?」

 みんなが頭を傾げている。スカリーチェはその反応を楽しむようにしてから、ゆっくりと話し出す。

「バーガーが咥えし剣こそ、王国最後の切り札、伝説の剣、Mソードっス」
「なんと!? あれが伝説の剣だというのですかな!」
「そうっス」

 ジゼルが前に出てくる。質疑応答の時間だ。

「それが伝説の剣という証拠は?」
「持ってみればわかるっス。バーガー、あの青髪の子にMソードを持たせてみるっス」
「え? ああ、わかった。ジゼル持ってくれ」
「オウイエ。かして」

 俺はスカリーチェから跳ね降りて、ジゼルにMソードを渡す。
 ジゼえがしゃがんでMソードの柄を握る。

 それを確認した俺はMソードを放す。

「え? な、うわ!」

 Mソードを持ったジゼルが立ち上がると突然よろける。
 エリノアが咄嗟にジゼルを支えた。

「おっと、あぶにゃい・・・・・・うにゃ!?」

 だが、支えたエリノアすらよろける。

 ジゼルはMソードを持つ両手をダラりと下げ、額に汗が滲み始める。

 最後には指から滑り落ち地面に落ちた。

 その様子を見ていたスカリーチェが笑う。

「クスクス。これでわかったっスか?  Mソードを持てるのは勇者のみっス。それ以外が持つとどんどん重くなってとても持てたものじゃなくなるっス」
「理解。それは伝説の剣。Mソード」
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