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四章『トマト編』

第390話 伝説の剣を抱いて13

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 詠唱直後、Mソードが光り輝く!
 Mソードから放たれる光がニードルハックを圧倒する!

「なんだ・・・・・・ッ!! これはッ!!」

 Mソードの光が増していく。そしてとてつもない衝撃がMソードの刀身から放たれる!

 聖なる光が天を衝く。

 少しして光は収まった。衝撃と音が凄まじかった。

 空が明るい・・・・・・。明るい?

「なんだと・・・・・・」

 天井が消し飛んでいた。空から光が差し込んでいる。
 これはいくら硬いニードルハックと言えども一溜りもないだろう。

 不安定になった洞窟はいつ崩壊してもおかしくない。

「おい、スカリーチェ、ここは危険だ」

 俺の言葉をスカリーチェは無視して俺の前を指さす。

「戦いはまだ終わってないっスよ」

 俺が視線を戻す。

 煙の晴れた先にはニードルハックの下半身だけが残っている、上に向けて撃ったからか!

 どうみても死んでいるだろ。と思いっていると・・・・・・。

「嘘だろ、まだ動くのか?!」

 ニードルハックの下半身の棘が不気味にも蠢いている。

「リーチを捕食したから棘一つ一つに命が宿ったのか?」

 ニードルハックの下半身が足踏みをする。その間もしきりに棘が蠢いている。

 そして俺たちに背を向けて逃げていく。

「追わないんスか?」
「ニードルハックを倒せるだけの魔力が残ってない」
「そうっスか」

 スカリーチェは笑顔を絶やさない。

「これだけ大きな光と音を出したんスから、バーガーの仲間に居場所を伝えることができたかもしれないっスね」
「ああ、そうだといいが・・・・・・」

 なかなかスカリーチェがたち去ろうとしない。

「クスクス」
「なんだよ、不気味に笑って」
「ほら上」

 俺の開けた天井の大穴から声がする。
 この声は聞き覚えのある声だ。

「バーガー様!!」

 アイナだ、見つけてくれたのだ!

「おーーい!! 俺はここだーー!! むぐっ!!」

 俺はスカリーチェに掴まれる。なんて力だ。俺は無理やりスカリーチェの顔の前まで連れてこられる。

「は、放せ!」
「私もついて行くっス」
「はぁ!? 敵だろ!」
「大丈夫バレやしないっスよ」
「連れていけるわけないーー」
「アイナを殺しまスよ?」
「うぐ・・・・・・」

 スカリーチェの糸目がほんの少しだけ開かれる。
 マジのガチだ。

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