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四章『トマト編』
第365話 怪物の眠る森14
しおりを挟む荷を馬車に詰めるだけ詰めて、俺たちはベースキャンプをあとにする。
聖騎士の数は1000人ほどだ。オショーの本隊は3万らしいから、これでも少ないそうだ。
それに精鋭ってわけでもなくて、Bクラスが殆ど、Aクラスの聖騎士隊長が数名いる程度だ。
冒険者たちは総勢57名。
5人パーティが9組、4人パーティが2組。3人パーティが1組、そして残る1人がシャニーだ。
組自体は崩さずに、聖騎士たちと混じってもらい前線を押し上げてもらう。
7班に分かれて。矢印状に進軍する。
俺たち勇者パーティとオショー、そして1人パーティのシャニーもこの中心の本隊にいてもらうことになった。
「おお、勇者様。次々と魔物の発見報告がありますぞ」
「対応できているのか?」
「それはもう。現れる魔物はBクラス、よくてAクラス下位と言ったところです。問題なく討伐できていますぞ」
「魔人の報告は?」
「今のところございませんな」
これだけ大規模の進軍だ。魔人も気づくだろう。
人並みに賢いなら逃げるだろうな。
聖騎士が走り込んで来た。伝令係だ。
「オショー様!」
「どうかしましたか?」
「中央部隊が魔人と接触しました!」
「さっそく来ましたな! どの魔人ですか?」
「棘の魔人、ニードルハックです!」
早速お出ましか!
「よし! 勇者パーティ行くぞ!」
「おおー!」
俺たちは駆け足で移動する。聖騎士たちの通ったあとが道となっている、お陰ですぐに最前線に追いついた。
ニードルハックが力任せに聖騎士たちをなぎ倒している。
狂犬のような戦い方だ。
木々がなぎ倒されて広場ができている。
ニードルハックの後ろにあるのは?
「魔物の死体か・・・・・・また食ってたのか」
このニードルハックという魔人。どこまで貪欲なんだ。
「ここで討つぞ」
「はい!」
俺たちの存在に気づいたニードルハックが視線をこちらに向ける。
10メートルほどまで近づいている。
あの無数の棘の生えたスリムなボディのどこに力が隠されているのだろう。
前の世界では質量こそ全てだったが、魔力の存在によってそれだけでは力量を判断しかねる。
ニードルハックから話しかけてきた。
「またお前たちか」
「ニードルハック、ここでお前を討伐させてもらうぞ」
「面倒だが力を試すには丁度いい」
魔人との戦闘が始まる。
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