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四章『トマト編』

第360話 怪物の眠る森9

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「援軍が来るまでの間も悠長にはしていられなくなったな」

 部屋に戻った俺が言っても、周りの反応は悪い。
 どうすればいいのか。俺もいい考えが思いつかない。

 アイナが口を開いた。

「援軍が到着するのが2週間後ですよね」
「そうだな、早くても2週間だな」
「そんな短時間で九大天王並の強さを持つ魔人ができるのでしょうか?」

 言われてみればそうだな。
 というか、九大天王ってなんなんだ。

「九大天王って魔王の幹部なのか?」
「イエス。魔王軍の10本指に入る強さを持っている連中」

 やはり四天王みないなもんか。

「話はズレるが、九大天王のことを教えてくれないか?」
「オーケー。九大天王で判明しているのは7名」
「残りの2人は?」
「まだ確認されていない」
「じゃあ分かる範囲で頼む」
「凝縮(コンデンスト)された星(スター)のディザスター。魔術のパロム。光速のグラップ。無限のアリス。骸骨のホネルトン。魔剣のブラギリオン。魔獣チワワ」
「・・・・・・チワワ?」
「小型魔犬のチワワがどうかした?」
「いや、なんでもない」

 あのチワワか?
 否、そんなはずはない、それなら俺でも勝てる。

「その中で魔人なのは?」
「ディザスターが星の魔人。パロムが白鳥の魔人。グラップが鴉の魔人」
「魔人は最低でもその3名が最高戦力に数えられているのか」
「旧魔王も魔人らしい」
「旧魔王?」
「現魔王に敗れて追い出されたと言われている魔人」
「まだ生きているのか?」
「それは分からない」

 なるほどな。魔人はヤバイ、それだけは覚えておこう。

「で、だ。この短期間でそこまでのパワーアップは可能なのか?」
「あのニードルハックにしろ、他の魔人にしろ。まだ実力が分からない。もうすでにかなりの領域まで達している可能性もある」
「ならばやはり、ここで叩いておかないといけないってことかか」
「その通り。それにここにいる全員か戦闘員。魔人側からしても私たちは相当の脅威」
「そうだな。俺たちは強い。打って出るべきか」
「勇者が率先して戦場に経てば、指揮が上がる」
「分かった。魔人狩りをオショーに提案してみよう」
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