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四章『トマト編』

第352話 怪物の眠る森1

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「もちろん勇者様も王国の貴重な戦力の一つ。そしてこの任務はその勇者様を王国最強へと昇華させるものと、私はそう信じておりますぞ」
「もちろんだ、伝説の剣を挟んで、俺は魔王を討つ!」
「その意気やよしですぞ!」

 よし、さっそく探索に出かけるか。
 5回に1回2回当たる腕占いばぁさんに勇者として占われた俺だ。俺がいけばきっと何かが変わるに違いない。

「さっそくやる気ですな。であれば、この怪物の眠る森の調査の進んでいる最深部までご案内いたしましょう」
「ああ、頼む。アイナ、これから行けるか?」
「はい!」
「勇者パーティを集めるぞ」

 数分後、会議室のような場所に、勇者パーティが集結する。
 プラスそこにオショーが加わり、話し合いが行われる。

「では、まずこの怪物の眠る森はかなり危険な場所であることと認識していた抱きたい」
「にゃんか魔物でもでたの?」
「これを見てくだされ」

 オショーはそう言うとテーブルに硬質なものを置く。
 なんだこれ? 栗色の棘っぽい鱗だ?

 それを見たジゼルが目を細める。

「この魔力。魔人」
「魔人? 魔物と何が違うんだ?」
「魔物が進化して魔人になる、魔力もより濃くなる、だから分かる」
「ジゼル殿の言う通りですな。魔物が魔人になればランクが一つほど跳ね上がると言われておりますぞ」
「そんなのがこの森に」

 それが怪物の眠る森の由来か。

「我々や、冒険者が探索している間も、こういった物はこれ1つのみしか見つけられてはおりませぬが、充分に注意を」
「わかった。皆、気を引きして行くぞ」
「おおー!」

 俺たちはベースキャンプを出る。目の前には怪物の眠る森が広がっている。

 今回は勇者パーティに加えて、オショーとその側近の聖騎士が2人同伴してくれる。

 いざ怪物の眠る森へ、と思ったところで背後から声がした。

「あ、あの!」
「にゃんだ、シャニーじゃにゃいか」
「ぼ、僕もついて行っていいかな?」
「へ? 同じパーティの人たちはいいの?」
「う、うん、僕、ソロだし」
「え! 1人できたの?」
「う、うん、皆パーティ組んじゃってて、僕が声をかける前に皆出て言っちゃったんだ」
「はぁー、それにゃのにここに来るにゃんて、臆病なのか、とんだ無知さんにゃのかハッキリすることだにゃ」
「う、うぅ、ごめんなさい」
「だって、バーガー、どうする?」
「増えても問題ないな、彼もSクラスの冒険者なんだから」
「だってよ、バーガーのヒールを舐(にゃ)めることだにゃ」
「は、はい」
「やめてね、ふやけるから」

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