現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

四章『トマト編』

第３４６話 友情

「いままで何度か探したそうだけど伝説の剣は見つからなかった。でもバーガーが来れば伝説の剣も答えるかもしれない」
「そうだよな、何せ俺は勇者だからな」


「にゃあ、盛り上がってるところ悪いんだけど」
「なんだ？」
「ミーは冒険者として魔力調査の依頼をしに行くだけにゃんだよね」
「ああ、そうだったな、伝説の剣を探すのは依頼には含まれてないもんな」
「ミーも手伝ってあげたいんだよ？　でも、こういうところを甘くすると冒険者稼業はやっていけにゃいんだよ」

　エリノアの言葉を受けて、ジゼルが懐からずっしりとした袋を取り出してテーブルに置いた。

「んにゃ？　ジゼルそれはにゃに？」
「エリーの意見は立場を考えれば当然のこと。だから、これ」

　エリノアは袋を開けて中を見る。

「金じゃにゃいか、どうしたのこれ？」
「バーガーの護衛をして得た報酬」
「この量、報酬すべてじゃにゃいか」
「足りない？」
「ううん、足りるけど、どうして王国が頼みに来にゃいの？」
「王国は、森の調査は冒険者に、伝説の剣の捜索は聖騎士に任せようとしている」
「そっかぁ、うーん、ジゼルからは受け取れにゃいにゃあ」
「巻物（スクロール）転売して儲けてるもんな」
「そうそうあれはぼろ儲け、って！　ば、バーガー！　にゃに言わす！　もうそんにゃにやってにゃいよ！」

　ちょっとやってんのかよ。

「はぁ、分かったよ。ジゼル」
「なに？」
「伝説の剣を探すのを手伝えばいいんだよね？」
「うん。エリノアについてきて欲しい」
「バーガーを迎えにいくときと同（おにゃ）じ頼み方しちゃって、じゃあ、個人的にゃ依頼として今回はお金もらうからね」

　そう言うとエリノアはジゼルの出した袋に手を突っ込む。そして１枚の鉄貨を取った。

「エリー？」
「伝説の剣を探す程度の依頼にゃんて、このくらいで十分だよ」

　いつも思うけど、この２人の友情は計り知れないな。