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第三章「風群妄執雲(かぜにむらがるもうしゅうのくも)」
【魂魄・肆】『鬼神啼く声儺にて聞く』26話「気付き」
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「じゃあ、僕は天婦羅一人前を塩で、鰻の白焼きも貰おうかなっ」
「私も野菜天婦羅一人前でお願いっ、シメに握りをシャリ少なめでねっ」
「ハァ……」
食欲旺盛な二人に気後れしてマミが溜息を付く。
カグヤは揚げたての野菜天婦羅を大根がおろされたツユに浸すとカリッとした香ばしい風味を楽しんだ。
キザシも海老天に抹茶塩を付けて、添えられたカボスを絞り口に運び……キジにも食べさせてあげたいと思った。
「モグモグ……うぅんっ、美味しいわね。さすが穢土前っ」
「モグ……うん、美味しい……ウッ」
「あれ……え、キザシくん泣いてるの?」
「いや……あまりにも美味しかったからさ、つい」
「ふぅん」
気にも留めずに頬張り続けるカグヤに、キザシは何事もないかのようにふるまった。
自分でも分からなかった。
カグヤと初めて出逢ったあの日、体中に電流が走り、運命めいたものを感じた。懐かしい月見草の香りは……今もなお彼の心を優しく満たしている。
(キジ……)
だが一方で、幼い頃から共に過ごしたキジもまた彼の心の大部分を占めていた。先の戦で魂だけの存在となった彼女は、魂操りで具現化せることはできるが、あの慈愛に満ちた声をもう聞くことはできない。
白焼き丼が提供される頃には、感情が形となって頬を伝った。
「うん……鰻、美味……しい」
かつて肌寒い秋山の湖畔で、一緒に食べた鰻が思い出される。無意識に注文したが自分でも想像以上に彼女との思い出が重みを増していることに気付く。
――おッ美味しい。香ばしい香りと共に充満する旨味ッ
――甘いタレにピリリとした山椒が相性抜群ですッ
店の主人との会話もそこそこに、二人で打った舌鼓。
穢土で食べる香ばしい鰻は湖畔で食べたものと噛み応えや風味が異なるが、それでもキザシの心を打つには充分だった。噛みしめるごとに彼女が美味しそうに頬張る様子が思い出される。
「うっくッ、美味……しい、美味しい……よ」
「……キザシくん」
そんな彼を横目にカグヤは悲しげに耳を垂れる。彼女の柔らかな白い毛に覆われた長耳は、キザシの哀しみを理解するかのように呼応した。
「……おいおいッ、しみったれて食べておくれなよ。穢土っ子はよ、粋で伊達じゃなきゃ野暮だぜ」
「ハハ、すみません……そうですよ……ね」
「キャァァアッ」
振り向いた主人の顔を見て絶句するキザシ。カグヤも顔を真っ青にして大声をあげた。なぜなら主人の顔は目も鼻も口も無い、のっぺらぼうだったからだ。
「敵かッ……そは……ッ」
「待ちなさい、キザシくんッ、それに羅坊も羅坊よ、脅かさないの」
「へへ、辛気臭いから元気を出させようと、つい」
今にも騒速を発動させようとしたキザシをマミが制止する。彼女に叱責された男――羅坊も頭をか掻いて詫びた。
驚く二人だったが、マミいわく顔見知りだという。のっぺらぼうだが。
「なぬぅッッ、座敷童ちゃんの言ってた、最後に見たムジナの半獣って……お前のことかッ」
「当たり前でしょ、ムジナなんて希少妖怪なんだから、そう多くいるワケないでしょっ」
「だって座敷童ちゃんが『スラリとしたキレイなお姉さん』って言うからッッ」
「……殺すわよ。鎌居太刀」
こうして羅坊は騒速を免れることができたが、その姉弟子の鎌居太刀を食らってしまった。目鼻のないのっぺりとした顔は、無数の空刃でスッパリと切られていった。
○
「ダメだ……お姉さんのせいで力が失われたんじゃない」
座敷童はそう言うと、マミとの間に伸ばした気の流れを自分の元に戻した。自分の能力を失うきっかけは彼女とは別にある。妖怪たちが集まった古屋敷で一同は途方に暮れた。
「私は溟真山の修行前に穢土に立ち寄って、座敷童ちゃんの力で潜在能力が拓けた。パパに使えたハズの秘術が、自分にできなかったのが悔しかったから……でも、何か原因が無いと彼女の力が失われた理由が付かない」
「うん。座敷童ちゃん、他に何か気付いたことはないかい?」
キザシが優しく尋ねる。
童はうーんうーんと頭を抱えて唸ったあと「そうだ、鼠さん……」と呟いた。彼女いわく、マミが訪れた直後に一匹の鼠が古屋敷に迷い込んだという。お腹を空かせて可哀想だと介抱したという。
「鼠……まさか……ハルから財布を盗んだ……」
「……鼠小僧が座敷童ちゃんの力を盗んだ?」
考え込むキザシとカグヤ。
その鼠は物品だけでなく「力」をも盗めるというのか。そうだとしたら危険だ。大嶽丸らに悪用される可能性がある。しかし、羅坊は杞憂だと話す。
「この子の力は幸運を与える能力だ。銭に困る者には富を、愛に飢える者には恋人を、空腹の者には食べ物を与える。でも、幸運を与えても彼女から力が失われることはない」
「うん……あっ」
「どうした」
「この『誰かに幸運を与える能力が欲しいって思った人』には、力が移っちゃうのかも」
「そうかッ、ゴエモンは悪人から大金を盗み、貧しい人たちに分け与えているという。この能力は座敷童ちゃんから移った力なのかも知れないっ」
キザシが閃いて叫んだ。そうであれば辻褄が合う。座敷童は欲するものを与える力を持つ。ゴエモンが、故意か偶然か、彼女の能力そのものを欲して得てしまったのだ。
「ゴエモンは今どこにいるの?」
カグヤが部屋にいる妖怪を見回すが、誰も所在を知る者はいない。羅坊はトキたちに言ったように、彼女の力を取り戻せば協力すると言い、二人はトキたちを追って東北に向かうことにした。
マミは穢土で妖怪たちと共に待機すると言う。まだ彼女にとって、父親とずっと過ごした故郷に帰るには時間が浅かった――。
○
――雪の降り積もる安達ヶ原
東北の冬は長い。
穢土では寒さが身に染みる程度の季節も、真っ白な雪に包まれるこの地方では命取りとなる。三匹の老狸はイタチの半獣から情報を得ようと雪山を進んでいた。
降りしきる雪は彼らの足跡に積り、すぐに元来た道がわからなくなる。見渡す山々は一面の銀世界。彼らは道に迷っていた。
「団三郎っ、お主がこの道で正しいというからっ」
「何を言う、太三郎が言い出したのじゃっ」
「違うっ、腹が減ったなどと芝右衛門が言うから」
三匹の狸はギャアギャアと喧嘩を始める。「くのくのっ」とポカポカ短い前足で互いに殴り合うが、その拍子に丸い彼らはコロコロと雪降り積もる傾斜を転がってしまう。
いつのまにか巨大な雪だるまと化した三匹は、そのまま転がってドシンと大きな音を立てて何かにぶつかった。それは明かりのついた民家の壁だった。
「しめたッ民家じゃ、さすが儂っ」
「いやいや、儂のお陰じゃっ」
「なにおぅ、先に転がったのは儂じゃっ」
「私も野菜天婦羅一人前でお願いっ、シメに握りをシャリ少なめでねっ」
「ハァ……」
食欲旺盛な二人に気後れしてマミが溜息を付く。
カグヤは揚げたての野菜天婦羅を大根がおろされたツユに浸すとカリッとした香ばしい風味を楽しんだ。
キザシも海老天に抹茶塩を付けて、添えられたカボスを絞り口に運び……キジにも食べさせてあげたいと思った。
「モグモグ……うぅんっ、美味しいわね。さすが穢土前っ」
「モグ……うん、美味しい……ウッ」
「あれ……え、キザシくん泣いてるの?」
「いや……あまりにも美味しかったからさ、つい」
「ふぅん」
気にも留めずに頬張り続けるカグヤに、キザシは何事もないかのようにふるまった。
自分でも分からなかった。
カグヤと初めて出逢ったあの日、体中に電流が走り、運命めいたものを感じた。懐かしい月見草の香りは……今もなお彼の心を優しく満たしている。
(キジ……)
だが一方で、幼い頃から共に過ごしたキジもまた彼の心の大部分を占めていた。先の戦で魂だけの存在となった彼女は、魂操りで具現化せることはできるが、あの慈愛に満ちた声をもう聞くことはできない。
白焼き丼が提供される頃には、感情が形となって頬を伝った。
「うん……鰻、美味……しい」
かつて肌寒い秋山の湖畔で、一緒に食べた鰻が思い出される。無意識に注文したが自分でも想像以上に彼女との思い出が重みを増していることに気付く。
――おッ美味しい。香ばしい香りと共に充満する旨味ッ
――甘いタレにピリリとした山椒が相性抜群ですッ
店の主人との会話もそこそこに、二人で打った舌鼓。
穢土で食べる香ばしい鰻は湖畔で食べたものと噛み応えや風味が異なるが、それでもキザシの心を打つには充分だった。噛みしめるごとに彼女が美味しそうに頬張る様子が思い出される。
「うっくッ、美味……しい、美味しい……よ」
「……キザシくん」
そんな彼を横目にカグヤは悲しげに耳を垂れる。彼女の柔らかな白い毛に覆われた長耳は、キザシの哀しみを理解するかのように呼応した。
「……おいおいッ、しみったれて食べておくれなよ。穢土っ子はよ、粋で伊達じゃなきゃ野暮だぜ」
「ハハ、すみません……そうですよ……ね」
「キャァァアッ」
振り向いた主人の顔を見て絶句するキザシ。カグヤも顔を真っ青にして大声をあげた。なぜなら主人の顔は目も鼻も口も無い、のっぺらぼうだったからだ。
「敵かッ……そは……ッ」
「待ちなさい、キザシくんッ、それに羅坊も羅坊よ、脅かさないの」
「へへ、辛気臭いから元気を出させようと、つい」
今にも騒速を発動させようとしたキザシをマミが制止する。彼女に叱責された男――羅坊も頭をか掻いて詫びた。
驚く二人だったが、マミいわく顔見知りだという。のっぺらぼうだが。
「なぬぅッッ、座敷童ちゃんの言ってた、最後に見たムジナの半獣って……お前のことかッ」
「当たり前でしょ、ムジナなんて希少妖怪なんだから、そう多くいるワケないでしょっ」
「だって座敷童ちゃんが『スラリとしたキレイなお姉さん』って言うからッッ」
「……殺すわよ。鎌居太刀」
こうして羅坊は騒速を免れることができたが、その姉弟子の鎌居太刀を食らってしまった。目鼻のないのっぺりとした顔は、無数の空刃でスッパリと切られていった。
○
「ダメだ……お姉さんのせいで力が失われたんじゃない」
座敷童はそう言うと、マミとの間に伸ばした気の流れを自分の元に戻した。自分の能力を失うきっかけは彼女とは別にある。妖怪たちが集まった古屋敷で一同は途方に暮れた。
「私は溟真山の修行前に穢土に立ち寄って、座敷童ちゃんの力で潜在能力が拓けた。パパに使えたハズの秘術が、自分にできなかったのが悔しかったから……でも、何か原因が無いと彼女の力が失われた理由が付かない」
「うん。座敷童ちゃん、他に何か気付いたことはないかい?」
キザシが優しく尋ねる。
童はうーんうーんと頭を抱えて唸ったあと「そうだ、鼠さん……」と呟いた。彼女いわく、マミが訪れた直後に一匹の鼠が古屋敷に迷い込んだという。お腹を空かせて可哀想だと介抱したという。
「鼠……まさか……ハルから財布を盗んだ……」
「……鼠小僧が座敷童ちゃんの力を盗んだ?」
考え込むキザシとカグヤ。
その鼠は物品だけでなく「力」をも盗めるというのか。そうだとしたら危険だ。大嶽丸らに悪用される可能性がある。しかし、羅坊は杞憂だと話す。
「この子の力は幸運を与える能力だ。銭に困る者には富を、愛に飢える者には恋人を、空腹の者には食べ物を与える。でも、幸運を与えても彼女から力が失われることはない」
「うん……あっ」
「どうした」
「この『誰かに幸運を与える能力が欲しいって思った人』には、力が移っちゃうのかも」
「そうかッ、ゴエモンは悪人から大金を盗み、貧しい人たちに分け与えているという。この能力は座敷童ちゃんから移った力なのかも知れないっ」
キザシが閃いて叫んだ。そうであれば辻褄が合う。座敷童は欲するものを与える力を持つ。ゴエモンが、故意か偶然か、彼女の能力そのものを欲して得てしまったのだ。
「ゴエモンは今どこにいるの?」
カグヤが部屋にいる妖怪を見回すが、誰も所在を知る者はいない。羅坊はトキたちに言ったように、彼女の力を取り戻せば協力すると言い、二人はトキたちを追って東北に向かうことにした。
マミは穢土で妖怪たちと共に待機すると言う。まだ彼女にとって、父親とずっと過ごした故郷に帰るには時間が浅かった――。
○
――雪の降り積もる安達ヶ原
東北の冬は長い。
穢土では寒さが身に染みる程度の季節も、真っ白な雪に包まれるこの地方では命取りとなる。三匹の老狸はイタチの半獣から情報を得ようと雪山を進んでいた。
降りしきる雪は彼らの足跡に積り、すぐに元来た道がわからなくなる。見渡す山々は一面の銀世界。彼らは道に迷っていた。
「団三郎っ、お主がこの道で正しいというからっ」
「何を言う、太三郎が言い出したのじゃっ」
「違うっ、腹が減ったなどと芝右衛門が言うから」
三匹の狸はギャアギャアと喧嘩を始める。「くのくのっ」とポカポカ短い前足で互いに殴り合うが、その拍子に丸い彼らはコロコロと雪降り積もる傾斜を転がってしまう。
いつのまにか巨大な雪だるまと化した三匹は、そのまま転がってドシンと大きな音を立てて何かにぶつかった。それは明かりのついた民家の壁だった。
「しめたッ民家じゃ、さすが儂っ」
「いやいや、儂のお陰じゃっ」
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