13 / 32
第13話 もとにもどる
しおりを挟む
そうと決まればやることはひとつだ。
五穀を断ち、毎日神殿から運ばれてくる聖水で禊を行うのだ。
神殿の地下奥深くに右手で天を、左手で地を指差す神像か安置されており、聖水はその右手よりしたたり落ちている。
この像は国に3体あり、建国のときに神からときの皇帝が授かったのだという。
ハンローレンがこのマスカード城を選んだのは、その堅牢な城壁もさることながら、城内の神殿がその像の1体を有しているからだと、このとき知った。
ハンローレンは神殿よりしたたり落ちる聖水を甕に集めると、俺のもとに運んできた。
「聖水……久しぶりだ……」
かつてこれを見たときは周りに複数の見張りがいて、また俺も配偶者となるための教育の真っ最中であり、それこそ歩き方から目線の送り方まで指導されていた時期であるから、聖水というのをじっくりと観察したことはなかった。
甕に入れられたそれは透明ではなく、やや薄黄緑色がかっている。
部屋にその甕がやってくると、一気にそれが存在感を持つ。あたり一帯に、独特の匂いが立ち込めるのだ。
侍従たちが匂いを誤魔化すために窓を開け、また花の香り袋を部屋につりさげてくれていたが、そんなものではたりない。
そしてそれが陶器のたらいに移される。
ハンローレンが慣れた手つきでたらいに水を入れる。聖水を薄めたところで、いよいよ禊がはじまる。はじまってしまう。
*
久しぶりの禊はやはり痛みを伴った。
俺はマスカード城の中心を流れる川に全身浸かって聖水を洗い流していた。
簡易的な衝立はあるものの、ものすごく開放的な場所だ。
しかし、俺はそれどころではない。体が熱くて、冷たい水を求めているのだ。
「1回目はこの程度だけど、続くともっと痛くなるんだよなぁ」
俺はそうそうに弱音を吐くと、キリルたちが励ましてくれる。
「わたくしは儀式というのをはじめて拝見いたしましたが、キフェンダル様が痛がっているとは気がつきませんでした。たいへんご立派な様子でしたよ」
「耐えるものだって刷り込まれてるからな」
俺は首をすくめる。
「でも、この痛み、なんとかできるならしたいよな」
「神の思し召でございますれば」
「せめてあの臭いだけでもなんとかできたらなぁ……」
「聖なるものですから」
キリルたちは一応反乱に加担している身であるはずなのに、意外にも保守的だ。
「でもあの臭いさ、なんか……」
ほとんどひとりごとのようにつぶやいて、記憶をたどる。しかし、思い出せない。
俺はすっきりしないまま、キリルに促されて川を出て服を着た。
ちょうどそのとき、ハンローレンがやってきた。
彼は川のまわりの衝立を見て、それから口を開いた。
「ずぶんと大胆な場所で水浴びをなさってますね?」
「そんなことを気にする余裕もないくらいに体が冷水を求めるんだよ」
俺がそういうと、彼は「そうですか」と言って眉をひそめた。
彼はかつて俺がこの禊によって苦しめられたことをよく知っている。
「夜は祝詞をお忘れなく」
彼に言われて、俺はうんざりしたように返す。
「わかってるよ」
儀式はこれで終わりではない。寝る前には祝詞を唱えなければならない。
いまの俺の髪は色が抜けて、白っぽくなっている。
それが祝詞を唱えて「神の血を呼ぶ」ことで黒く染まる。
禊と祝詞。そして五穀絶ち。これを続けるうちに、髪が黒が濃くなっていくのだ。
俺はいまは老人のように白くなった髪を乱暴にかきあげた。
非科学的な事象を目の当たりにすると、頭が混乱してくる。
俺は深くため息をついた。
神殿に関連することを深く考えるのはよそうと思った。
唐突に、ハンローレンが尋ねた。
「何か、欲しいものはありますか?」
俺は笑った。
「子どもの機嫌をとってるみたいだな」
「まあ、機嫌をとりたいのは間違いないですが」
「なに? 俺、不機嫌に見える?」
「そういうわけではありませんが、私がそうしたいと思って」
「そうだなぁ……じゃあせっかくだし」
俺はなにかをねだってやろうと思って、何にすべきか思案した。しかしよいものが思い浮かばなかった。
「まあ、考えとくよ」
そう言って会話を切り上げた。
それから、俺が儀式をはじめたということはあっという間に城内、もっといえば国中に広まったらしい。
マスカード城にはハンローレンを支持する貴族、傭兵、武器、商人、そして民衆の期待の声が続々と集まった。
キリルたちに尋ねても何も答えてはくれないが、ここまで大々的に傭兵が集まったなら、宮城側も強硬姿勢で出てくることは予想にかたくない。
マスカード城内は日に日に人が多くなり、不穏な雰囲気に包まれていった。
俺はその武器のきらめきたちを、どこか対岸の火事のように眺めていた。
俺の両親がこちらの軍門に合流したという知らせを聞いても、それは変わらなかった。
現実感というものを得られないまま、俺はハンローレンの取り計らいにより両親と対面することになった。
「キフェンダル……」
対面するとすぐに俺の名を呼び、母親が泣き出した。父親は母親の肩を抱いて、それから俺を見た。
俺はなんと声をかければいいのかわからなかった。
一、二歩、彼らに近づいて、それからようやく捻り出せたのはくだらない質問だった。
「なんでここに?」
その問いに、父親はゆっくりと答えた。
俺が知っている威厳のある声ではなく、どこか自信なさげで、細い声だった。
「お前が、第二皇子と結婚すると聞いて……次はお前を信じてかけてみることにしたんだ」
それでも、その言葉は俺の胸を打つにはじゅうぶんだった。
頬を涙が伝った。
俺は確かに彼らに対して、怒っていた。
俺のことを信じてくれなかった彼らを一生許さないと思っていた。
しかし、それとは別に、どこか俺の知らない場所で平和に暮らしてほしいという思いもあった。恨みを抱いていることと、破滅を願うことは別のものなのだ。
それこそ、こんな反乱に巻き込みたいと思ってはいなかった。
「馬鹿だなぁ……父上も母上も」
俺が言うと、二人の体から緊張が消えた。ふっと、かつての家の中で暖炉を囲んでとりとめもない話をしていたあの頃が甦る。
「ああ……またそう呼んでくれるか」
俺たちは静かにお互いを抱擁した。
五穀を断ち、毎日神殿から運ばれてくる聖水で禊を行うのだ。
神殿の地下奥深くに右手で天を、左手で地を指差す神像か安置されており、聖水はその右手よりしたたり落ちている。
この像は国に3体あり、建国のときに神からときの皇帝が授かったのだという。
ハンローレンがこのマスカード城を選んだのは、その堅牢な城壁もさることながら、城内の神殿がその像の1体を有しているからだと、このとき知った。
ハンローレンは神殿よりしたたり落ちる聖水を甕に集めると、俺のもとに運んできた。
「聖水……久しぶりだ……」
かつてこれを見たときは周りに複数の見張りがいて、また俺も配偶者となるための教育の真っ最中であり、それこそ歩き方から目線の送り方まで指導されていた時期であるから、聖水というのをじっくりと観察したことはなかった。
甕に入れられたそれは透明ではなく、やや薄黄緑色がかっている。
部屋にその甕がやってくると、一気にそれが存在感を持つ。あたり一帯に、独特の匂いが立ち込めるのだ。
侍従たちが匂いを誤魔化すために窓を開け、また花の香り袋を部屋につりさげてくれていたが、そんなものではたりない。
そしてそれが陶器のたらいに移される。
ハンローレンが慣れた手つきでたらいに水を入れる。聖水を薄めたところで、いよいよ禊がはじまる。はじまってしまう。
*
久しぶりの禊はやはり痛みを伴った。
俺はマスカード城の中心を流れる川に全身浸かって聖水を洗い流していた。
簡易的な衝立はあるものの、ものすごく開放的な場所だ。
しかし、俺はそれどころではない。体が熱くて、冷たい水を求めているのだ。
「1回目はこの程度だけど、続くともっと痛くなるんだよなぁ」
俺はそうそうに弱音を吐くと、キリルたちが励ましてくれる。
「わたくしは儀式というのをはじめて拝見いたしましたが、キフェンダル様が痛がっているとは気がつきませんでした。たいへんご立派な様子でしたよ」
「耐えるものだって刷り込まれてるからな」
俺は首をすくめる。
「でも、この痛み、なんとかできるならしたいよな」
「神の思し召でございますれば」
「せめてあの臭いだけでもなんとかできたらなぁ……」
「聖なるものですから」
キリルたちは一応反乱に加担している身であるはずなのに、意外にも保守的だ。
「でもあの臭いさ、なんか……」
ほとんどひとりごとのようにつぶやいて、記憶をたどる。しかし、思い出せない。
俺はすっきりしないまま、キリルに促されて川を出て服を着た。
ちょうどそのとき、ハンローレンがやってきた。
彼は川のまわりの衝立を見て、それから口を開いた。
「ずぶんと大胆な場所で水浴びをなさってますね?」
「そんなことを気にする余裕もないくらいに体が冷水を求めるんだよ」
俺がそういうと、彼は「そうですか」と言って眉をひそめた。
彼はかつて俺がこの禊によって苦しめられたことをよく知っている。
「夜は祝詞をお忘れなく」
彼に言われて、俺はうんざりしたように返す。
「わかってるよ」
儀式はこれで終わりではない。寝る前には祝詞を唱えなければならない。
いまの俺の髪は色が抜けて、白っぽくなっている。
それが祝詞を唱えて「神の血を呼ぶ」ことで黒く染まる。
禊と祝詞。そして五穀絶ち。これを続けるうちに、髪が黒が濃くなっていくのだ。
俺はいまは老人のように白くなった髪を乱暴にかきあげた。
非科学的な事象を目の当たりにすると、頭が混乱してくる。
俺は深くため息をついた。
神殿に関連することを深く考えるのはよそうと思った。
唐突に、ハンローレンが尋ねた。
「何か、欲しいものはありますか?」
俺は笑った。
「子どもの機嫌をとってるみたいだな」
「まあ、機嫌をとりたいのは間違いないですが」
「なに? 俺、不機嫌に見える?」
「そういうわけではありませんが、私がそうしたいと思って」
「そうだなぁ……じゃあせっかくだし」
俺はなにかをねだってやろうと思って、何にすべきか思案した。しかしよいものが思い浮かばなかった。
「まあ、考えとくよ」
そう言って会話を切り上げた。
それから、俺が儀式をはじめたということはあっという間に城内、もっといえば国中に広まったらしい。
マスカード城にはハンローレンを支持する貴族、傭兵、武器、商人、そして民衆の期待の声が続々と集まった。
キリルたちに尋ねても何も答えてはくれないが、ここまで大々的に傭兵が集まったなら、宮城側も強硬姿勢で出てくることは予想にかたくない。
マスカード城内は日に日に人が多くなり、不穏な雰囲気に包まれていった。
俺はその武器のきらめきたちを、どこか対岸の火事のように眺めていた。
俺の両親がこちらの軍門に合流したという知らせを聞いても、それは変わらなかった。
現実感というものを得られないまま、俺はハンローレンの取り計らいにより両親と対面することになった。
「キフェンダル……」
対面するとすぐに俺の名を呼び、母親が泣き出した。父親は母親の肩を抱いて、それから俺を見た。
俺はなんと声をかければいいのかわからなかった。
一、二歩、彼らに近づいて、それからようやく捻り出せたのはくだらない質問だった。
「なんでここに?」
その問いに、父親はゆっくりと答えた。
俺が知っている威厳のある声ではなく、どこか自信なさげで、細い声だった。
「お前が、第二皇子と結婚すると聞いて……次はお前を信じてかけてみることにしたんだ」
それでも、その言葉は俺の胸を打つにはじゅうぶんだった。
頬を涙が伝った。
俺は確かに彼らに対して、怒っていた。
俺のことを信じてくれなかった彼らを一生許さないと思っていた。
しかし、それとは別に、どこか俺の知らない場所で平和に暮らしてほしいという思いもあった。恨みを抱いていることと、破滅を願うことは別のものなのだ。
それこそ、こんな反乱に巻き込みたいと思ってはいなかった。
「馬鹿だなぁ……父上も母上も」
俺が言うと、二人の体から緊張が消えた。ふっと、かつての家の中で暖炉を囲んでとりとめもない話をしていたあの頃が甦る。
「ああ……またそう呼んでくれるか」
俺たちは静かにお互いを抱擁した。
84
お気に入りに追加
1,285
あなたにおすすめの小説

白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
第12回BL大賞奨励賞いただきました!ありがとうございます。僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して、公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…我慢の限界で田舎の領地から家出をして来た。もう戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが我らが坊ちゃま…ジュリアス様だ!坊ちゃまと初めて会った時、不思議な感覚を覚えた。そして突然閃く「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけにジュリアス様が主人公だ!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。だけど何で?全然シナリオ通りじゃないんですけど?
お気に入り&いいね&感想をいただけると嬉しいです!孤独な作業なので(笑)励みになります。
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる