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第三章 1年 2学期
不在の危機2
しおりを挟む理事長とツカサ先輩、ウタ先輩が出張に行った次の日から、先輩たちはみんなコウタくんの護衛に回っていて、仕事が山のようにある。
カナメ『出張のタイミングが悪いよね、、来週から2年生も研修旅行に行っちゃうし、、、』
「旅行か、、、普段僕たちそんなに仕事ないよね。先輩たちがしてる仕事多すぎない?」
カナメ『図書委員と美化委員、放送委員は書類仕事は少ないし日替わりで委員もいるから、、これは会長と風紀の分だね、、』
働きすぎですよ、、
「ふぅ、、じゃあ僕らで頑張らなきゃだ。やるからには完璧に。」
切り替えよう。1週間くらい平気だ。
副生徒会長としてしっかりしなきゃ、、、
会長たちみたいに完璧に!
その日から放課後になれば生徒会室に籠って他の生徒会の仕事、ご飯を食堂でさっさと済ませて部屋に帰り芸術祭や年末イベントに向けてのプラン作成をこなしていく。
あの不審者対策に、ドアにはドアチェーンをして、カードキーの性能をオフにして備え付けてあった普通の鍵に切り替えた。
嫌がらせも無視していたら効果がないと思ったのかいつの間にかなくなっていった。
と思っていたけれど、
カナメと放課後残って仕事をし、売店に寄ると言ってカナメと別れた後にそれは起こった。
「また今日も遅くなっちゃった。」
ご飯を食べて、エレベーターに乗ろうとしたその時
チーン『2階です』
エレベーターが開くと、エレベーターの中にはあのフードを被った人がいた。
「!!」
すぐにでも逃げようかと思ったけれど、タチの悪い嫌がらせをする人物の正体がわかるかもしれないと思い、足が止まる。
「、、あなた、何なんですか。」
『どうして開けてくれないの?』
部屋のドアのことか?
変声機をつけているのか、本人の声がわからない。
「開けるわけないでしょう。」
『どうして?俺は最初に君を見つけたのに、、ずっと見てるのに、、、』
エレベーターから出てきてじわじわと近づいて来る。
「近寄らないでください。」
『、、絶対に俺のものにするから、、』
その人物はエレベーターから降りて僕とすれ違って廊下の向こうへ行こうとする。
「待っ、、わっ!」
追いかけようとしたらその人物にエレベーターへ押されすぐに閉まった。
「なんなんだよ、、本当に、、」
その日、そいつのせいで安心して眠ることはできなかった。
ヒビキ『カイ、おはよう!』
「、、おはよう。嬉しそうだね。何かあった?」
ヒビキ『そうなの!それがね、、』
僕の身辺とは裏腹に、コウタくんへ嫌がらせをしていた人物が風紀と生徒会の力によって捕まえられたというのだ。
コウタ『迷惑をかけてごめんな。俺のせいでカナメくんとカイくんの仕事が増えてるって聞いた。』
元気そうだ。良かった犯人がちゃんと捕まって。
「いいんだよ。コウタくんが無事でよかった。」
放課後、
アサヒ『明日から旅行だね~!』
アヤト『楽しみ、、!』
ハヤト『今日中に問題が片付いて良かったよ~。これで安心して行ける~。
、、でも1年生2人には倍の仕事をしてもらうことになっちゃうね、、』シュン
カナメ『お土産いっぱい買ってきてください。ね、カイもお願いしておこう?』
「そうだね笑 沖縄でしたよね。写真たくさん撮ってきてください。」
ハル『それいいね!!』
アヤト『絶対撮って来る!』
明日から2年生は研修旅行だ。
せっかくの旅行なのだから、何も気にせず楽しんできてほしい。
それに明日の夜には3年生が帰ってくる。
シキたちには帰ってきてすぐで申し訳ないけれど、少し助けて貰えば、残り3日はなんとかなるだろう。
そう思っていた。
でも、
2年生が飛行機で旅立ったその日の夜、
ヒビキからLI◯Eで、
『3年生が乗る便、悪天候で飛べなくなっちゃったって。運行見合わせるかもしれないから何日か帰国が延びるって。』
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