僕らの青春はここにある。

たまご

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第二章 1年 1学期

事故

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最後の借り物競走で体力は底を尽きたけど、これから片付けだ。種目が終わるたびに体育委員の人たちが片付けてくれていたからそんなに大変じゃないんだけどね。

僕は人手の足りないテントの片付けをしに行こう。














ハヤト『放送用に使ってたマイクとか機材を放送室に戻してくるね~。放送委員の子たち、反省会もするから着いてきて~。』









『『『『はい!神楽委員長!』』』』











ハル『救急箱とかの薬品系は先生が持って帰ったから、あとは担架とベッドを解体して保健室に持って行くだけだね。』






『『俺たちがやります!』』







アサヒ『じゃあ体育委員のみんなはそれが片付いたら保健室前に集まって!役割分担が上手くできてたか確認するから!』









『『『『はい!双子様!!』』』』







ツカサ『ハヤト、アサヒ、ハル。お前らは反省会が終わったら直帰でいい。放送委員と体育委員もな。』






ハヤト『イッチーありがとー!おつかれー!』





『『おつかれさま~!!』』






『『『会長、ありがとうございます!!お疲れ様です!!!』』』







『ご苦労だった。ゆっくり休め。』







会長様好きぃぃぃ!!!かっけぇぇぇ!!という声がグラウンドに響くのだった。





















よし、結構片付いてきた。







『あと、、、3個!!副会長様!テントの片付けもう少しで終わりですね!!』






 

「残りも頑張って片付けましょう。」









『おーい!集合だって!!』








『あ、呼ばれてるので行ってきます、、、』







 
「そうですか。いってらっしゃい。」

 






『い、いってきます!!、、好きだぁぁ!!』













『おつかれ、カイくん。なんかあの人叫びながら走っていったな、、』










「コウタくん!おつかれさま!」









『おつかれ。さっきテントを解体するのに人手が足りないって言われて来たんだ。』






「そうなの?でも美化委員の仕事が終わったなら帰ってもいいんだよ?会長が役割を終えた委員会は帰っていいって。」







『うん、でも俺も手伝うよ。美化委員長アヤトは温室で雑草を抜いてるらしいから、まだ帰れないんだ笑 』









アヤト先輩、、朝早くて植物たちを手入れできなかったからかな。






「そっか。ありがとう!」






はやく片付けたいからありがたく手伝ってもらおう。










「じゃあここを解体してくれる?僕はこっちをするから。」







『うん、分かった。』






































カナメ『会長、俺は今日の決算報告書を作成しに生徒会室へ行きます。明後日には提出します。』









ツカサ『あぁ、分かった。、、持ち出していいぞ。』



 




カナメ『え、いいんですか?金銭管理の書類ですけど、、』






ツカサ『明日休みで生徒会室が閉まるから急ぐんだろ?持って帰れば急がずに済む。』








カナメ『では、そうします。その方がミスがなくていいですし。では俺はこれで。お疲れ様です。』





ツカサ『あぁ。書類無くすなよ?『なくしません。』















『あれ?なんでこんなところにテントの重りが?』







『1、2、、、、6個か。』








『テントの柱は4本だし、変な数だな。余りか?』






『余りなんてあったか?備品の表にはテントの数×4個って書いてある、、予備のチェックは終わってるし、、。』







『誰か途中でサボったんだろ。そんな草むらに置いて行って、、錆びたり破損したら後で生徒会に呼ばれるじゃねぇか。』
























陽が落ちてきて急に強い風が吹く。








「僕もさ、コウタくんとホッシーの二人三脚見たかったんだよ~」








『動画見たんだろ?』









「うん。でも、やっぱりこの目で見たかっ、、、、え?、わっ?!」








『なに、、、ッッ!!』











ガシャーンッッ!!!!!!


































ツカサ『何の音だ。』




 


『テントが風で倒れました!』







『3つとも倒れたぞ?!』



 



『誰もいなくてよかったな、、』









『、、、え?!副会長様は?!あそこは副会長様が片付けていた場所で、、いない?』


 





『あの下に?!』








『たしかもう1人いたはず、、まさか!』







『え?!』











ツカサ『落ち着け。テントを持ち上げるのに人手がいる。行くぞ。そこのお前、救急箱と保冷剤を持ってこい。』

















「?!?!、、え、何が、?」











僕らはテントの中にいるけど、テントの天井が地面にすごく近い。









「テント、倒れて、、さっきの風で、、」










『痛ッ、、』










「コウタくん?!大丈夫?!」









『あぁ、指が柱の下に挟まってるけど折れてはなさそうだ。カイくんは?』








「僕は大丈夫、、!!むやみに抜かないでね、、速く退けないと、、」











柱を持ち上げようとしても重すぎて上がらない。








「重っ、、、上がらない、、どうしよう、、」

 





全然動かない、、、










『カイくん、俺は大丈夫だ。、、ッ、』








「でも、、、こんなに重いのに、、、」








狭くて思うように動けないし、砂埃で視界も悪い。
























『カイ、そこにいるか?』












この声、、、!!























「ツカサ先輩!!コウタくんの手が、、下敷きになって、、速く退けないといけないのに全然動かなくて、、」












当たりどころが悪かったら、、、折れたり動かなくなったりしたら、、










『分かった。お前ら持ったか。ゆっくり上げるぞ。』


 







視界が広がる。

 







「コウタくん!手は?!」





 



『、、、大丈夫そうだ。ほら、動く。』









「でも、指、紫色、、冷やさないと、、」







ツカサ『触るぞ。』






コウタ『ッッ、、』






ツカサ『折れてはいない。感覚もあるな。』








『救急箱と保冷剤持ってきました!』









ツカサ『患部に当ててやれ。神宮寺コウタを保健室へ。』












『はい!神宮寺くん、立てますか?』







『あぁ、大丈夫だ。保冷剤ありがとう。』








「あ、僕も着いて、、」











『俺は大丈夫だぞ。それに、カイくんを庇ったから挟んだんじゃない。突然すぎて動けなかったしな。ただの事故だ。』








「、、、、」




  




言いたいことがまとまらなくて声が出せない。












『本当だよ。それにもう腫れも引いてきた。』ニコッ

















「そ、っか、、、怪我がひどくなくて良かった、、、」











『副会長様!俺がちゃんと神宮寺くんを保健室までお連れしますから、副会長様もちゃんと怪我がないか確認してくださいよ!』

 








「あ、はい、、ありがとうございます、、」



































『落ち着いたか。』






  
「、、、ツカサ先輩。」








ずっと座り込んでいて、立ちあがろうとしたら止められた。










『頭は打ってないか?分からないならもう少しこのままでいたほうがいい。』











「打ってないです。たぶん。どこも痛くないので。」







『そうか。』







大きな手が僕の頭に優しく触れる。




 


『、、、では状況を分かる範囲で教えろ。』







先輩は僕の頭を触りながらそう聞いてきた。








「、、強い風が吹いたときに、急にテントが倒れてきたみたいです。
でも、そのくらいの風は体育祭中でも吹いてましたし、、、。


他のテントも倒れて、、!!怪我人は?!」








『怪我をしたのは神宮寺コウタだけだ。他に怪我人はいない。』









「そうですか、、、。、、、強風だったから倒れた、としか、、。すみません。」












『十分だ。、、怖かったな。無事で何よりだ。』








頭を撫でられて、優しく慰められる。








「、、ちょっと動揺しただけで怖かったとかじゃないです。」











あー、自分、なんでこんな素気ない態度を取るんだ、、。心配してくれてるのに。









『ははっ笑 そうか?』












、、、あまりに優しく笑うものだから思わず見惚れてしまった。、、いや、珍しくて驚いただけだ。













『カイくん、怪我はないみたいだね。よかった。』







「ウタ先輩!」










『カイ様、ご無事のようで、、よかった。お部屋までお送りいたします。』








「シキ!」








『カイ、今日はもう休め。』








「え、でもまだ片付けが残っていますし、、」







『片付けは残ってる奴らに任せておけ。疲れていて注意力が散漫なのは危険だ。俺を躱したお前がテントに組み敷かれたのがその証拠だろ。』ニヤッ










「なっ、、組み敷かれるとか変なこと言わないでください!シキ!帰ります!」









『はい。参りましょう。』












、、、、、















「ツカサ先輩!」










『なんだ?言い足りないことでもあるのか?』










「、、、お先に失礼します。お疲れ様です、ウタ先輩も。」








『うん、お疲れ様。』








「それと、ツカサ先輩。助けていただいてありがとうございました。お休みなさい!」






































『ははっ笑 カイくんは本当に、、、素直で可愛いね笑 』







『あぁ。、、、まだ18時で、お休みなさい、か、、、グッ笑 』











ひとしきり笑ったあと、ふぅっと一息つき、













『で、何か情報は。』








『あぁ、なぜか備品倉庫近くの草むらにテントの重りが6つ落ちていたそうだよ。』






『落ちていた、か。』






『それで、その重りはだった。設置ミスだと思う?』








『いや、故意だな。テントを見たところ、が外れている。』










『、、、悪質だな。犯人を探し出して潰そうか?』









『慌てるな。明日には連絡が来るから、一旦片付けに戻る。』






『そう?それなら待機だね。』




























『チッ、、、失敗か、、、』


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