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第二章 1年 1学期
体育祭前日!!
しおりを挟む『楽しみだな!!』
『明日は全力だぁぁぁ!!』
ついに明日は体育祭だ。前日ということで、グラウンド周りの掃除とテントの設置などを行う。
僕たち生徒会はバトンやマイクなど備品を指定の場所に運びつつ見回りをするんだけど、、、
『こっちテントひとつ足りねーぞ!』
『こっちも足りてませーん!!』
『ゴミ袋どこ??』
『テントを張る会長様も素敵、、』
『でね、さっき西園寺様が!』
『双子様が動き回ってて可愛いんだよなぁぁぁ』
『掃除とか面倒くさ、、』
『箒でチャンバラしようぜ!』
ほとんどがサッカーか、遊ぶか、木陰でおしゃべりか、生徒会を追っかけるか。
みんな体育祭は楽しみで仕方がないって感じだけど、準備には興味がないようで。
自由参加だから別にいいんだけど、時々ボールが飛んでくるのは勘弁してほしい。
備品を持ってるから!壊したら弁償だから!やめて!!
ゴホンッ
まぁでも明日が楽しみで動きたくなる気持ちも分かる。リレーに騎馬戦に綱引きなどなど、全力で勝負できるからね。
僕もツカサ先輩が教えてくれたジムに行って体力つけたし。
心の中ではウキウキしながらマイクの設置など準備を進めた。
一通り設置できたから掃除を手伝いに行く。
『カイ!おつかれ!』
「ヒビキもおつかれ。雑草抜くの僕もやるよ。」
『ありがと~!』
「ひとりでやってたの?」
『2人でだよ~。ほら、コウタくんと頑張って雑草の山を作ってるんだ。』
『あ、うん。久しぶりだな、、カイくん。』
たしかに。席はすごく近いのに、お昼はいつメンとだし、放課後は生徒会の仕事ばかりだったから、、。
「久しぶりだね、コウタくん。」
『ホッシーがクラス委員長の集まりでいなくて、僕も今話す人いなくて暇だったからさ、色々話してたの。
ちなみにユウトは体格がいいからテント運びに連れていかれた。』
「そっか。コウタくんはよく委員長と一緒にいるよね。」
『委員長とは一緒の部屋だし、、よく話すから、、』
「仲良しなんだね。」
うちのクラスの“ホッシー”、委員長は誰に対しても平等で、編入生の僕にも優しい。
コウタくんは神宮寺理事長の息子ということで、初めはみんなと少し壁があったけど、ホッシーのおかげで今はS組で楽しんで過ごしている。
『仲良し、、、、うん、友達なんだ。』
『僕は僕は??さっきまで盛り上がってたじゃん!』
『!!、、ヒビキくんも友達だな。』
あはは笑 友達っていいな。
「どんな話で盛り上がったの?」
『『カイ/カイくんの話。』』
「えっ」
『カイと出会った時の話をしてたの。』
「それ、盛り上がる要素ある?」
『もちろんだ。』
「えぇ、、」
『僕たち、カイの笑顔に殺られたんだよね。』
『あの顔で手を差し出されたら、、反応に困った。』
『完璧な笑顔だよね!僕も同室になったときの挨拶で意識が飛んだよ、、。今は友達としての柔らかい笑顔だけど、、、』
『『どっちも良い。』』
「ス、ストップ。」
それで盛り上がるのやめて、、、
『副会長の時の顔が好きすぎて、、、今度推し会するんだよね~。』
『楽しみだな。』
「ほ、他にも話のネタはあるでしょ、、?」
僕がいないところでやってくれ、、
『あとはスイーツ巡りしたいねって。』
『今度新しくできたカフェにケーキを食べに行くことにした。』
「そっか、甘いものいいね。」
『ね!最高!』
『美味しかったら教える。』
「うん、ぜひ感想聞かせて。」
ふたりとも楽しそうで何よりだ。
「あ、コウタくん、その草は素手だと手が切れるよ。」
『そうなのか?』
「スパッと切れちゃうから、気をつけて。」
『分かった。』
『明日楽しみだね!』
『うん、楽しみだ。』
「そうだね、頑張ろう!」
他愛もない話をしながら掃除をしていたら、
『いくぞ!!ちゃんと取れよ!!』
『わっ!!』
『やっべ!!』
『コウタくん、ボール!!』
『え?うわっ?!』
バシンッッッッッ!!!
「、、危ないな。」
『、、??痛くない、、』
『カイ!!』
『!!カイくん、手で庇ったのか?』
『大丈夫?!コウタくんも顔に当たってない?!』
『俺は大丈夫、、カイくんは、、?』
「大丈夫だよ。飛んできたボールを叩いただけだから。」
『でも、赤くなってる、、俺のせい、、』
「コウタくんのせいじゃないよ。すぐ引くから、本当に気にしないで。」
そこまで勢いのあるボールじゃなかったし。
『ごめんな!!ケガは?!』
『やべっ、、あれ神宮寺理事長の、、』
『副会長様もいる、、!!』
『気をつけてよ!!』
ヒビキがすごく怒ってる。
『す、すみません!!』
『当たりどころが悪かったら折れてたかもしれないし、サッカーボールなんかが頭に当たったら危険でしょ?!』
『『すみませんでした!!』』
『人が周りにたくさんいるのに勢いつけてボール蹴るとか!!あり得ない!!』
こんなに怒ってくれて、ヒビキは優しいなぁ。
「ヒビキ、大丈夫だよ。みんな反省してるし、誰もケガしてないよ。」
僕も備品を運んでるときに危ないと思ってたし、もっと先に注意しておくべきだったな、、。
彼らには周りに気をつけると約束してもらった。
『、、、そんなだと優しさにつけ込まれて大変なことになるんだから、、』
「ごめんね。」
『とりあえず手、冷やしてきたらどうだ?』
「そうする。ふたりとも休んでて。」
ついでに飲み物でも買ってこよう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
靴を履き替えるのが面倒で、裏庭の水道で手を冷やすことにした。近くに自販機もあるし。
「ふぅ、、ヒビキの前でケガしたら大変なことになりそう笑 気をつけないと。」
体育祭は盛り上がるだろうからケガをする可能性が高くなる。
みんなが安全に楽しめるように明日は気合を入れて頑張ろう!
なんて考えながら
「お茶、、水のほうがいいかな、、いや、塩分補給が大事だよね、、」
と2人の飲み物を選ぼうと自販機の方へ向かった時、
ガシャンッッッッッッ!!!
「ッッッ?!?!」
後ろから大きな音がした。
驚いて後ろをふり返ると、割れた植木鉢が落ちていた。
上から落ちてきたの、、、?
背筋が凍った。だって植木鉢が落ちている場所は、さっきまで僕が手を冷やしていたところだったから。
いったいどこから落ちてきたのかと上を見た。
「ッッ!!!」
さらに恐怖を感じたのは、校舎の開いている窓が4階だったから。
当たってたら死んでた、、危ない、、
「窓際に植木鉢を置かないように提案しようかな、、植物を飾ってる教室も多いし、、、。」
この時、僕は植木鉢が廊下側の窓から落ちてきていたことに気づいていなかった。
そして、これを報告することをすっかり忘れていたんだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「スポドリと麦茶と水買ってきたよ。好きなの選んで。」
『ありがと、、僕ってば取り乱しちゃって、、』
「手の赤みは引いたから安心して。どこも痛くないし。もう大丈夫だよ。」
『庇ってくれてありがとう。飲み物まで、、、お金はあとで返す。』
「うん。お金は別にいいよ。」
『いや、、でも、、』
「、、じゃあ代わりに今度行くカフェさ、美味しかったら次は僕も連れて行ってよ。ね?」
『、、うん、分かった。』
『そうゆうところ!!ほんと、そうゆうところだよ!天然タラシは罪だよ!恨まれたら大変だよ!!』
あ、ヒビキが元に戻った笑
準備が終わり、部屋に戻る時に裏庭を見ると、そこに割れた植木鉢はなかった。
帰りに片付けようと思ってたけど、もう誰かが片付けたのかな?
『カイ?どうしたの?』
「ん?なんでもないよ。」
『そう?あ、今日はこっちの部屋で寝ようよ。僕、カイが明日起きられるか心配。』
「ちゃんと起きられるよ。でもそうする。ヒビキがいるなら僕はアラームをセットしなくていいからね~。」
『起きる努力はしてよね!起きなかったら写真撮るから!!で、ユウトとカナメに送るから!!』
「盗撮はやめてくださーい。」
『それはむりでーす。』
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