僕らの青春はここにある。

たまご

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第二章 1年 1学期

隠れんぼ、スタート!! 

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逃げの800人が先に体育館を出て、10分間で一斉に移動する。






「ライゴウ先生、鬼の皆さんに開始の合図をよろしくお願いします。」





『おー、まかせとけ。涼宮スズミヤもはやく隠れろよ。狙われてるぞー。』






「はい、いってきます。」






『気をつけろよ。』













┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



どこに隠れようかな。体育館から出たものの、とにかく広い。800人もいたのにもうみんなどこに行ったのか分からない。



とりあえず行けるところまで行ってみようと思い、散策も兼ねて歩き出す。

薔薇園や温室も一通り見学していたら、大きな庭のような所に出た。ベンチや噴水があって、休憩にはぴったりだ。
裏山がすぐ後ろにそびえ立っていて、自然の空気を感じられる。





「こんなところまで来たのは初めてだな。」





時間があったらまた来てみよう。憩いの場はとても広くて、隠れられる場所は見当たらなかった。
結局来た道を少し戻り、鬼が来たら素早く移動できるように温室の近くにいることにした。木陰に腰を下ろし、大きな木に背中を預ける。





「今日はいい天気だなぁ。」






雲一つない青空。もうすぐ夏になるのか、、、。優しい風が心地いい。人の気配もないし、少しくらい目を瞑っててもいいよね、、。寝るわけじゃないから、、。













┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





『現在の確保数は約100人!1位を五十嵐渚イガラシナギサが独占中!それに会長”一条司イチジョウツカサ”、放送委員長”神楽隼人カグラハヤト”、体育委員長”犬飼旭イヌカイアサヒ”と生徒会が続く!!』




ゲーム開始から30分。体育館では実況の得意な生徒が確保された生徒らを盛り上げている。




『きゃぁぁ会長様がまた捕まえた!』




『隠れてる西園寺ウタ様も素敵、、、。』




天馬アヤト様!鬼が近づいて来ています!回避してください!!』




『後ろからイガラシに捕まった、、怖かった、、、。』




神楽ハヤト、、、なんでバレたんだよ、、。』




犬飼アサヒ君も、、笑顔で見つけてくるから余計に怖い、、。』


 


ドローンの映像を見て盛り上がる生徒、
開始早々捕まって悔しがる生徒など様々である。




『てゆうか、副会長様が全然映らないな、、。』




『木の影とかに隠れてたら上空からじゃ映らないからなぁ。』






『でも動いてないってことだよね。まさか寝てるとか笑 そんなわけないかっ笑』











┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈










っは!木漏れ日があったかくていつの間にか寝て、、意識を失ってた。あ、いけない涎がジュルッ






「まだ30分経過か、、、今のところ順調かな?」





ドンッッッ!!!







大きな音、、、?喧嘩か?!







そっと音が聞こえた方へ向かう。どうやら近くの倉庫からのようで、

 



『おい神宮寺ジングウジ。お前がぶつかってきたせいで靴が土で汚れただろうが。謝れよ。』




あれ、コウタくんじゃないか。
あの人たち誰?どこのヤクザだよ。キサラギ先輩に連絡しよ。あとウタ先輩にも。




『わざとぶつかってきたのはそっちだろ。』





『あ?先輩に向かってどの口聞いてんだ?こいつは靴汚されてイラついてんだぞ。なめてんのか?』





『高級ブランドだぞ。お前みたいなやつに汚された靴が可哀想だろ。』






何が可哀想なのか分からないな。大事なら違うの履いて来なよ。






『そんなに大事な靴ならなんで今日みたいな日に履いて来た。今のお前たちはとても恥ずかしい。1人じゃ何もできないから3人でつるんでいるんだろ。』




コウタくん、結構言うね。かっこいいじゃないか。





『はぁ?理事長の息子だかなんだか知らねぇが調子に乗るなよ!!』




正論言われて逆上してるよ、、




『大人しく土下座しとけば痛い目見ずに済んだのになぁ。』




『俺らが躾けてやるしかなさそうだな?』




倉庫の中でドローンに映らないからって好き放題しすぎでは?






『それ以上近づくな。』







『はっ怖がってんじゃねぇか。』






『そんなわけないだろ。呆れてるんだ。』





『あ“ぁ?』





 バンッッッ!!!






『、、、ッッッ!!』




『弱ぇな。ちょっと押しただけで転びやがった。』





『まぁ今から強情さを治してやるから、、、覚悟しろよ?』








『、、、ッッ』





まずい。先輩たちが来る前にコウタくんがやられちゃう。しずめないと。












「やめなさい。」









コウタくんとアホ3人の間に割って入る。



 





『あ”?今忙しいんだ、、邪魔すんならまとめてぶん殴る、、って副会長?』





「暴行は校則違反ですよ。」





『はぁ、、お前一般人だろ?俺らを誰だと思ってんの?』





「どれだけの地位ステータスかは存じ上げませんが、このようなくだらないことをする程度の人間だということだけは確かですね。」





『あ?てめぇも一緒に殴られてぇのか?』




『か弱い副会長が出しゃばる場面じゃねぇよ。』





「ご心配なく。3人程度に負けるほど貧弱ではありません。コウタくんは外へ。」





『なに逃がそうとしてんだよ。』




『待て。副会長を好き勝手できるなんて中々ないチャンスだ。お前神宮寺はもういい。副会長、、俺らが遊んでやるよ。』






『おい!こいつを巻き込むな!』






「コウタくん、大丈夫だから。早く。」






僕は避けるだけで、守れるわけじゃないから。1人の方がいい。





『身代わりってのは燃えるぜ。ヤリがいがあるな。』



喧嘩にやりがいを見出さないでほしいな。チガウ 






『ちゃんと3人でマワしてやるよ。』





??回されながら殴られるとか嫌だよ。酔っちゃう。チガウ






『顔は傷つけねぇから安心しな。』















「停学になれば将来の道が狭まりますよ。」








『優等生かよ!!うぜぇな!!』










1人から拳が飛んでくる。そんなに速くないな。





 スッッッ





サッと拳を受け流す。




『なっ?!』





当たり前だけど喧嘩に慣れてないんだろうな。まぁ僕も初心者ですけれど。







『偶然か?避けてんじゃねぇよッッ!!』






避けるわ!当たったら痛いんだから!


 



 スッッ





バンッッッ!!!





勢い余って倉庫の備品に直撃しに行った1人。




『痛ってぇぇぇぇ!!』




そりゃね。ハッ備品を壊したら怒られるんじゃ、、、。






『調子乗ってんなよ!!』





蹴りか。顔面は避けるって言ったじゃん!






  スッッッ





避けたら後ろにいたもう1人の顔面に蹴りが入った。






『ガッッッッッ‼︎‼︎』






うわ、痛そうだな、、。






よし、あと1人、、だけど、完全に頭に血が上ってる。なりふり構わず向かってくるし。


何度も避けるのは集中力がいるし、長期戦は無理だ。だから、拳を避けながら近くにあった箒をそっと相手の足に引っ掛ける。





『はっ?!』






ドンッッッッッッ!!







視野が狭いと足元掬われるよってね。








涼宮スズミヤ!大丈夫か!!』






『カイくん!!遅くなった!!、、って、なんか、片付いてるね。』





「キサラギ先輩、ウタ先輩、来てくれたんですか。」





『当たり前だろ。“緊急!温室付近の倉庫”って。』




『カイくんが襲われたんだと思って急いで来たんだよ。』





『カイ!!俺の代わりに、、、怪我は?!』





「大丈夫だよ。」





『本当に?』




「うん。ほら、無傷だよ。」




『そうか、、、よかった。あ、勝手に名前で呼んで、、ごめん。』





「友達のピンチを助けるのは当たり前だよ、コウタくん?」





『、、ありがと。』




なんか初めて会ったときを思い出した。なんかほっとけないところがあるんだよね。






『お前、強かったんだな。体格差のある、しかも3人ともボコボコに、、』




『カイくん、、想像以上だね。』





え、殴ってない!!誤解!!





「殴ってません。校則違反になりますから。避けたんです。」





『避けた?』






「自滅しました。」






『ツカサの躱されたっていうのはこれか笑』





「僕、人を殴って倒す力はありませんし、痛いのも苦手です。」




『避ける、、か。涼宮、今度風紀の奴らに教えてやってくれるか?揉め事を止めようとして怪我をする奴が多くてな。』




「もちろんです。」




『その話はまたにしよう。神宮寺くんには事情を聞く必要があるから、風紀委員長と生徒指導のテントまで行きなさい。ショウ、よろしく。』




『あぁ。神宮寺、着いてこい。事情聴取が終わったらいい隠れ場所を教えてやる。』





『あ、分かっ、、はい。カイ、また改めてお礼をしたい。』





「気にしなくていいけど、また教室で話そうね。」




『うん!』パァァ‼︎





やっぱ双子先輩と同じく子犬みたいだな。




「キサラギ先輩、ありがとうございました。」





『おう。じゃあな。そこに転がってる3人。どこも折れてないだろ。行くぞ。』





『くそ、、、、』




『副会長強すぎだろ、、、』




『なんなんだ、、、覚えとけよ、、』





『お前らは暴力を覚える前に校則を覚えるべきだな。』







先輩がコウタくんとアホ3人を連れて行った。





「キサラギ先輩は風紀委員の鑑ですね。」







『そうだね。』





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