僕らの青春はここにある。

たまご

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第二章 1年 1学期

親衛隊

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『こんばんは。涼宮様、ご友人の方。』







茶髪の孔雀青の瞳の彼は、僕らに微笑んで話しかけてきた。








「こんばんは?」






『、、こんばんは。』







『初めまして、私、3年S組鷹松志輝タカマツシキと申します。涼宮様をお待ちしておりました。』






この爽やか先輩は、僕に親衛隊の隊長に任命してもらうためにここで待っていたらしい。







「初めまして、涼宮カイと申します。1年S組です。こちらは同室の友人で、」








『七瀬ヒビキです。どうしてカイの親衛隊長に立候補を?』









『、、、“一目惚れ”ですかね。』







「、、、はい?」







ん??一目惚れ?








『今日会ったばかりで?』






『はい。』






『カイの人柄もよく知らないのに?』





『はい。』






『何か目的でもあるんですか?』






『いいえ。しかし、それは七瀬様もなのではないですか?』








『、、、何が言いたいんですか。』







ニコッ








火花が飛び散っているようで、









「ヒビキ、落ち着いて。立ち話もなんですから、良ければ部屋で話しませんか?この方を部屋に入れても大丈夫?」







『、、、、うん。色々と聞きたいこともあるし。』











┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
in部屋






「先に親衛隊について詳しく教えてもらえますか?僕、ほとんど知らないんです。僕から親衛隊を作れと頼んでおいて、こんなことを聞くのも変な話だと思うでしょうけど、、」





『いえいえ。もちろんお教えいたします。』






親衛隊とは、生徒会メンバーだけが持つことができるもので、加入するには生徒会役員主人または親衛隊長の定めた規則に同意しなければならないんだって。
規則を変更したい場合は親衛隊員半数の署名が必要。逆に主人や隊長が規則を変えたい場合にも半数の許可が必要になるらしい。





『例えば、会長様の場合だと、





1.会長の命令は絶対。



2.会長主人と関わった生徒に対し、集団での暴力行為や、日常生活での嫌がらせなど、悪質な行為は禁止。




ですね。』







規則が少ないのは“1”で全て解決できるからかな、、あはは、、





『会長様は規則を最低限確立させることができていますが、他の方々は会長様に任命されてから仕事に手を取られてしまったために、なかなか上手くいっていないようです。』








『親衛隊が問題を起こすのは”規則変更時の規則”のせいで主人が動けないからだったんですか、、、
生徒会が自分から親衛隊を作って欲しいとは言いづらいのも知っていて、、』










最初から規則があれば、同意した人が親衛隊に入るけど、後からだと中々変えられないし、親衛隊が好きに動けてしまうもんね。







『何かあれば主人は隊員の除名できますが、この学園は様々な家系が集まっているので、』





「後々トラブルが発生する可能性があるということですね。」






自分ではコントロールがほぼできず、向こうは人数も多く好きに動けるだなんて、無理ゲーなのでは?

さらに厄介なことに、自分が親衛隊だということは主人以外には公表されないんだと。









『しかし涼宮様は自分で規則を作ることができるため、唯一親衛隊を好きに操ることができるというわけです。』






いや、悪役か。そんな野蛮なことしません。





、、、でもなんか、ツカサ先輩、、ありがとう、、。







「それで本題ですね。どうして鷹松先輩は隊長に?」






『一目惚れです。』







そんな真面目な顔でまた“一目惚れ”とか言うのやめてもらえますか。無駄にキラキラしてて眩しいんだよ、、







『やっぱり変な人だよ。僕が隊長やってもいいし、追い返す?』コソッ








「ヒビキ、待って。鷹松先輩、詳しく教えてください。」







『はい。ワタクシ、情報収集に長けているもので、涼宮様が編入生だと知っておりました。副会長に任命されることも想定していました。
透き通るような金色の髪と肌に、澄んだ瞳。そして、入学式での人を惹き寄せる力、、。
涼宮様は前会長様と雰囲気が何処となく似ています。実はワタクシ、前会長様の親衛隊でして、、、、今度こそ守りたいと思ったのです。』







『なるほど、面食いか。分からなくもない。推しロスは辛いよね。』





おい、共感すんな。







「期待を持たせてしまったようですけど、僕は前会長とは全く違うでしょうし、何より一般人ですし。前会長様とぼくを重ねているのだとしたら、後でがっかりさせてしまいますよ。」







『重ねてはいません。それに、もう決意したことなので、失望などしません。

もし隊長に任命していただけるのなら、全力で涼宮様を支えたいと思っております。』






 
 
真剣な眼差しで見つめられる。






『好きなタイプは変わらないよね。分かる。』






、、、。






『やはりそんな理由では納得していただけませんよn「では、貴方に隊長を任せます。」





『『え?!』』






ヒビキには友達のままでいてほしいし、他に頼れる人もいないしなぁ。







「僕、すごく意地悪で独裁者かもしれませんよ。」





『ご自分で言うのならば違うのでしょうね笑』





『カイ、本当にいいの?』







「うん。知り合いもいないし、僕に好感を持ってくれているならそれでいいかなって。」






『、、、感謝致します。では、これからは“シキ”とお呼びください。敬語も必要ありません。』







「え、先輩ですからそれは、、」







『隊長は名前呼びと決まっております。』






「え、」






『ちゃんと決まってるんだよね~。敬語も然り。変な規則だけど、昔からそうらしいよ。』


 




学食無料に釣られただけなんだけど、、、うまい話には裏があるって本当だった、、。
自分から大変な道に入り込んだとはっきり自覚しました。これからは気をつけよ、、。






「では“シキ”と呼びます。では涼宮様と呼ぶのはやめてください。“カイ”でいいです。」






『それはできません。』






「また規則ですか?」






『主人の呼び方は決まってないよ。』コソッ







ほーん、これは意地悪するしかなくない?













「では主人のお願いです。、、、





“カイ”と呼んでくれますよね?」ニコッ









独裁じゃないよ。お願いだよ。









『、、、カイ様。』















「“様”はいらないですよ?







、、、シキ。僕のお願い、聞いてくれないんですか?」





お願いだよという思いを込めて、シキの顔を覗き込んでみる。






『グハッッ、、これも報告しなきゃ、、、』コソッ










『ッッッ////  いや、、その、、』







なにこれ楽しい。さっきまで爽やかAirを振り撒いてたイケメン先輩が、真っ赤になってる。そんなに金髪好きなのか。






「ね?、、呼んでくれないんですか?」







『、、あの、ほんとに、、』







言葉に詰まるほど困惑しているようだ。








「はははっ笑笑 意地悪しすぎましたね。様付けは慣れないけど許しますよ。その代わり、先輩なので敬語を使うのを許してくださいね。」










僕もずっとタメ口で先輩と話すのは難しいだろうから、交換条件だ。










『、、、最初からそれを狙っていたのですね。』









「はい。







、、、シキ、ごめんね?」







『⁈⁈、、常に敬語を使うわけじゃないんですか、、、』












『鷹松先輩、気を抜いてたらカイに骨抜きにされますよ。』









『、、、七瀬様のほうが上手ウワテでした。最初にとった無礼をお詫びします。』








『気にしてませんよ。僕は腐の中の腐ですから。あと、“ヒビキ”でいいですよ。







まぁ僕も絆されたんだけどさ(コソッ』







2人とも仲良くなれたようで安心した。ホッ








「まだ時間は空いてますか?規則も決めてしまって、一旦シキに任せたいんです。今週はきっと副会長の役割を学ばないといけませんから。」





『もちろんです、カイ様。』





















鷹松志輝タカマツシキ


3年S組 
茶髪、孔雀青の瞳
185cm

漫画に出てくるようなイケメン。普段は爽やかオーラを振り撒いているが、実はとっても面食い。主人公カイの顔が推しすぎて一目惚れした(恋愛感情ではない)。































親衛隊があるんだから、よく考えたらもっと登場人物いますよね(ˊᗜˋ)

キャラが増えることが頻繁にありそうです。これからのキャラもよろしくお願いします。






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