僕らの青春はここにある。

たまご

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第一章 主人公 入学

名前呼びですか?!

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『ツカサ、毎回毎回ケガを放置するの悪い癖だよ。見ている方が痛い。』







そうだそうだ!え、毎回放置してるの?
やばくない?え、なんで??







『『痛そー!!』』





薔薇園に逃げ込んだのは双子さんですけれども、、、、痛そー!!







『そんなに痛くねえ。慣れてる。』






慣れてるって何?!怖いよ!




『ツカサは普通の人より痛みに強い方なんだよ。中等部の頃はよく喧嘩してたしね。』






『喧嘩してる時のイッチーの眼なんてすんごい据わっててさぁ、マジで怖かったんだよ~。俺、しばらく近づけなかったもん。』





やばかったんでしょうね。あはは、、なんで喧嘩するんだよ!やめろください!!





『あの時のツカサは反抗期を拗らせてたんだよ。お坊ちゃまって揶揄う奴が多くてね。ついでに俺も絡まれて困ったよ。』




反抗期のレベルが桁違いですけどね、、。






『んなこと言っておきながら、お前も近づいてきたやつ木っ端微塵にしてたじゃねえか。』





え、西園寺先輩も喧嘩を!?
こんな白髪の、血液まで白そうな美青年が!?へぇぇ、さすが幼なじみというかなんというか、、、





『カイくん、さすがに俺の血液もちゃんと赤いよ。』






スミマセン。なんで心の中筒抜けなのカナ、、。






『下の学年のことも考えてくださいよ。会長のせいで血気盛んな奴が増えて、当時先輩たちがおそろいで付けてたシルバーのブレスレットを全員が真似して、付けてなかったら「なんで付けてないんだ!」って喧嘩をふっかけられたんですよ。』





大変だったんだね月城くん、、、すごいね、、なんか先輩たちレジェンドになってるじゃん。




「おそろいでブレスレットつけちゃうなんて、仲良しだったんですね。」ニヤッ







『昔のことだからさ、、。忘れて。』





『イッチーとウーたんすごい調子に乗ってたよね~。厨二病ってやつ?』





『ハヤト?表に出ようか。』





『スミマセンデシタ。』








『もういいだろ。俺たちの話を聞いたん
だから、今度お前らの中学時代の話もしてもらうからな。』







『そうだね。特にカイくん、外部生の君の話は気になるよ。色々聞かせてもらおうからね。』






うわぁ、やだなこの2人。皮肉を言い合ってると思ったら急に意気投合する感じ。さすが幼なじみだ。






「お2人みたいな黒歴s、、、伝説みたいなものは持っておりません。というか話がズレてしまいましたね。ツカサ先輩、手、貸してください?」







渋々手を出したツカサ先輩の手を見た。





棘が刺さったというよりは手が掠って深めに切れたという感じかな。






ポケットから救急ケースを出してサッとアルコールを含むコットンで傷口を除菌し、絆創膏を貼り付けた。





「はい、できましたよ、ツカサ先輩。」





『すごく手際がいいね。』





西園寺先輩は珍しいものを見ているような顔をしていた。



ふふんっ!だって僕の母さんは花屋ですから。絆創膏は常に持ってないとね!





「僕の母は花屋ですから、よく植物で手を怪我していたんです。小さい頃お医者さん気分でよく手当てをしていたらこうなりました。兄も姉も医療関係者ですから、色々教えてもらって。


この救急ケースは無理やり持たされただけなんですけどね。」






『まぁ、悪くないな。』





何が『悪くないなフッ』だ!




「素直じゃないですね。ツカサ先輩、この学園はとても綺麗ですけど、どこからバイ菌が入るか分からないんですから、ちゃんとケガしたら手当てしないと。自分を大切にしてください。」






『、、、あぁ。』










『、、ははっ!ウケるね!暴君イッチーがかわいこちゃんに怒られてるよ笑笑』






『ブフッ、、たしかになかなか見られない光景だね。』







『ふっ、、ごめんっ、、ツカサくん子どもみたい、、あははっ笑』







先輩たちに大ウケされてるよ、クフフッ笑笑






『てゆうか~!!』



『会長には!!』



『『名前呼びなんだね!!』』




『たしかに~!!イッチーだけ名前呼びなのずるいよね!”神楽先輩”じゃなくて“ハヤト”って呼んでよ~。』





『俺も“西園寺先輩”だなんて冷たいと思うな。ほら“ウタ”って呼んでごらん?』




『ぼ、僕も、前みたいに“アヤトくん”って呼んでほしい‥!!』




『『もちろん僕たちも名前で呼んでね!!』』





『俺はもう呼んでくれたけど、、“カナメくん”じゃなくて“カナメ”でいいよ。』




み、皆さん。ちょっと、急にどうしたんですか、、







『はぁ、、分かりましたよ。アサヒ先輩とハル先輩は見分けがつくようになったらちゃんと呼びます。
カ、カナメ、、、くん、、、。だめだ、、呼び捨てまだ照れ臭くて、、。慣れたら呼ぶから待って、、。
“アヤトくん”はここでは先輩なので、“アヤト先輩”でいいですか?



はぁ、、そんなにキラキラした目で見つめないでください。ハヤト先輩、ウタ先輩。』




みんな納得したようで、うんうんと頷いている。




『あ、でも他の生徒がいる時は苗字のほうがいいね。名前を呼ぶのは親衛隊長とクラスメイトくらいだから。』




『落ち着くまでは表向きはそれの方がいいかぁ、、でもこのメンバーの時は名前で呼んでよね!』






「分かりました。」










『俺の時はそんな簡単に呼ばなかったのにな。』




ん?






「それはツカサ先輩が名前で呼ばないと離さないって言ったからでしょう。拗ねてるんですか?」





『っは。んなわけ。また今度やってやるよ。』




「、、、いらないです。」





『え、やっぱ事後じゃん?!』





『言ってやるな。』





「だから何もしてません。」




その2人のコントみたいなの、やめてくれ。









『じゃ、僕たち、先に食堂行くね!』




『お腹すいた~。ハヤっち行くよ~?』





『あ、待ってよアサちゃん、ハルちゃん!!』






『俺もお先に行きますね。』






4人が部屋から出て少ししてから






『カイ、この扉の奥にあるエレベーターに乗って、3階で降りれば食堂付近の関係者用通路に出る。』



先輩曰く、ハ○ーポッ○ーの魔法のエレベーターのように、前後左右にも動くんだって。すごいよね!!反動で身体が飛んでいかないように研究されてるらしい。





『そこから少し離れた場所にもう一つ扉があるから、そこを開いて歩いて行けば食堂に着くよ。』






『目立つなよ。入学式で幼なじみにサプライズするんだろ。』






「はい!行ってきます!」





よーし、食堂にlet's go!!














┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全員が食堂に入るまで待っている時のツカサとウタの会話。





『カイくんには随分と優しいよね。会ってすぐに名前呼ばせるとかさ。今まではなかっただろ?普段は人に触られたら跳ね返すのに。それにカモフラージュのために食堂にまで出向くなんてさ。やっぱり可愛いから?それとも惚れちゃった?』





『うるせー。初対面で普通に話して、攻撃までかましてきたのがおもしろいと思っただけだ。』





『攻撃かましたってどんなのだよ。』





『引き寄せたら頭突き+蹴り上げられそうになって、バク転で距離を取られた。』





『ははっ笑それはおもしろい。』





『だろ?今度やってみろよ。キスでもしようとしたら見られるかもな。躱されるだろうがな。』





『お試し感覚でやったら嫌われそうだからやめておくよ。』




『蹴り上げられんのが怖ぇのかよ。』




『はっ、それはないね。』





『理事長にも噛み付いてたな。初対面で息子と友達になりたいかと言われて、第三者が友達作りにまで干渉するなって言ってたぞ。』





『理事長に!!理事長は掴みどころがないから相手をするときは気を使うんだけどな。、、カイくんなかなかやるじゃないか。』





『おもしろいだろ。これから期待しているんだよ。』





『楽しくなりそうだよ。それに色んな意味で成長しそうだ。カイくん、絶対モテるから、捕まえるなら早くしないとだな?』





『無理に捕まえてもあいつは逃げるだろうな。』





『やっぱり結構本気じゃないか。』





『どこがだよ。』






『分かってないとこだよ。』





『お前の言うことはたまに遠回しで面倒だ。』






(追いかけようとしてるところだよ。普段は追いかけられる方なのにさ。気になってることに気づいてないなんて、ツカサも恋愛に関しては鈍感かもな、、)






『はぁ、行くぞ。全員が食堂に入った。』





『はいはい。』




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