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たまご

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第一章 主人公 入学

生徒会役員、初顔合わせ!〈書記/会計“月城要”、図書委員長“西園寺詩”〉

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ツカサ先輩の後ろに続き、通路を歩いていくと、自動ドアがあり、キーをスキャンするとドアが開いた。





『着いたぞ。ここが生徒会のシークレットルームだ。』




わぁぁ、、またまた広いお部屋。




生徒会で集まって話をする場所だから、豪華で堅苦しい感じだと思っていたけど、そうでもなくて。ちょっとおしゃれなカフェのような空間が広がっていた。





壁際には大きなスクリーンやホワイトボードなどが嵌め込んであって、コーヒーメーカーやら簡易キッチンやら何でもあるので、普通に住めそうだ。




1人掛けのソファーが人数分が等間隔に、輪になって並んでいる。サイドに小さめのテーブル、パソコンも置いてあって、さっき見てきた部屋よりも庶民的でいいかもと思った。






そして、、、、








『会長、遅いですよ。召集したのは10分前でしょう。』





不満そうにそう言った彼は、自身の腕時計から目線をこちらに向けた。眼鏡の下から銀色の瞳が覗いている。







『その通りだ。時間は守れ。、、と言ってもまだあの4人来ていない。はぁ、、生徒会は自由人が多すぎる。』






少し長い艶のある白い髪を耳にかけ、手に持っていた本を閉じた彼は、ソファーから立ち上がった。そして、白髪の人と、眼鏡の人がこちらへ来た。








白髪の人は会長と同じ背、いや、この人の方がほんの少し高いみたいだ。



眼鏡の人は、僕と同じくらいの背だろうか?少し厚めの靴を履いているからか、目線が少し上に来た。







『‥‥‥君が新しい副会長か?』






、、っは。この白髪の人はめちゃめちゃモデル体型だ。頭から爪先までとても洗練されている。





 
『そうみたいですね。一般家庭からの編入性と聞いてましたけど、、それ、本当なんですか?』




この人も、眼鏡を外したらもっとやばそう、、、





上から値踏みされるように見られて、緊張が背中に走る。ツカサ先輩のほうをチラリと見ると、僕の方を見ていたようで、視線を送られた。


 









挨拶しろ。ですね!!









きっとこのお二人もいいところの方だろうから、半端な挨拶じゃ相手にしてもらえないだろう。





だから、より意識して背筋をピンと伸ばし、顎をひき、少し深呼吸。





「申し訳ありません、遅くなってしまって、、。恥ずかしながら素敵なお部屋と隠し扉に驚いてしまいまして、、、、。

お初にお目にかかります。本日から副会長に就任いたしました。編入生の涼宮海と申します。どうぞお見知りおきください。



一般家庭からというのは本当ですよ。両親はカフェと花屋を営んでおりますので。、、、いつか足を運んでいただけると嬉しいです。」







理事長の時は″作りもん″だったと言われたので、修正して、自然体でいることも意識した。









(‥‥少しはマシになったな。)






ツカサはカイを見て少し笑った。








『‥‥俺は、2年S組、図書委員長の“西園寺詩”だ。思っていたよりも芯が強そうだな。
堂々としているのも悪くない。悪かったね、編入生で入学日に副会長になったからと調子に乗っているようだったら軽く鼻をへし折ってやろうと思っていたのだけど、、心配はいらなそうだ。
これからはもっと気軽に話してくれていいよ?それに、遅くなったのはどうせそこのバカツカサが君に意地悪をしていたとかそんなとこだろう?気にしなくていい。』




どうやら、認めてもらえたようだ。ツカサ先輩の言ってたように、キャラを作っているのは微妙にバレているみたいだけど笑






『はぁ?誰がバカツカサだ。期末考査で2位だったお前には俺がバカだなんて言えねぇだろうが。』






『たったの1点だけだろう?次の1位は俺がいただく。』





『やってみろ。やれるものなら。』





‥‥‥仲良いな、この2人(遠い目
この2人、幼馴染らしいよ。眼鏡の人がコソッと教えてくれた。なんか面白いね、年上の2人が喧嘩してるのって。

それに、バカツカサって笑笑


西園寺先輩、最高です!どんどん言っちゃえ!!






『カイ、お前、、面白がってるな。』





「‥‥‥。いいえ?そんなそんな、“バカツカサ”が面白かっただなんて一言も言ってませんよ?思っただけです。」フフフ







『っあはは!君とは仲良くなれそうだ!』










『はい。僕もそんな気がします、西園寺先輩。これからよろしくお願いします。』






『うん、よろしくね。』







ふわりと笑った西園寺先輩は、それはそれはもう王子様のようで、白髪は全世界の誰よりも似合ってるんじゃないかと思うほどだった。








『次は俺ですね。初めまして。涼宮くん。俺の役割は書記/会計、名前は“月城要”。同じ1年S組だし、仕事も共同ですることが多いと思う。これから仲良くしてね。』







お、同じ学年で同じクラス!もちろんこの子も整った顔をしているから、ちょっと近づきにくいかもと思ってたけど、仲良くなれそう!









「こちらこそ良くしてくれると嬉しいです。月城くん!」










眼鏡の下の銀色の瞳が優しくなった。










『それにしても残りの4人は遅いな。ツカサ、ちゃんと伝えたんだろうな。』





西園寺先輩がツカサ先輩に悪態をつく。




『俺が忘れるわけねぇだろ。それに、大方予想はつく。温室の花を眺めてるか、どこかで親衛隊員を引っ掛けて遊んでるか、まだ寝てるかだろ。』




ほう、聞いた限りだと自由人というのは間違いないですね。



『月城、お前は温室に行ってあいつを呼んでこい。ウタ、お前はあのふざけた野郎を連れ戻せ。俺はあの双子を叩き起こす。』




『またですか、、ほんとは花好きすぎて困りますね。、、、、、15分で戻ります』



『はぁ、、、はどこにいるか分からないんだけど、、まぁ自室だろうな、、、嫌だな、、、仕方ない。行ってくるよ。』




『カイ、お前は代表挨拶でもイメージしながらここで待ってろ。俺は双子を殺ってくる。』



皆さん、慣れてますね。ツカサ先輩、、ちゃんと生かしておいてくださいよ、、






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