僕らの青春はここにある。

序章

カイとユウト 14歳 2

「ねぇ、あのちょっと？ユウトさん？」






いつのまにか床に押し倒されて、ユウトは僕の両手を片手で押さえていた。え、力強くない？手首痛いよ？














焦っていると、蒼い眼に、捕らえられた。












『‥‥この状態から抜け出せんのかよ』





「‥は、抜け出すって」





『やってみろ』





「ｯｯは‥‥ん、ちょ、っと離し、てよ」






ちからつよ‥‥





『逃げてみろよ』







「ンン、、うぁ、‥‥はっ、ん、、、」





　
もがいている間に、脇腹にもう片方の手が添わされる。







「ひっ⁈、、、ふぁ、、ちょ、っと！」




体の力が抜けて逃げられない‥‥





『全然抵抗できてねぇぞ』







「んんん、、、、、、、もうむりぃぃ」







『‥‥‥ｯｯ』






ギブアップするとパッと手が離れた。





『‥‥ほら、そういうことだ。力が弱い奴は強い奴に食われる。そんなんじゃ1週間ともたねぇぞ』
　




なんてことだ。護身術鍛え直さなきゃだ‥‥‥






「むぅぅぅ、対策するっ」






茶髪だとナメられるかな‥‥‥




一度金髪にしてみたかったし。




あと、手首、痛いです。





『対策ってどうするつもりだ。』




「内緒！ユウト今年はもう忙しくて会えないでしょ。中高一貫校って言っても最後のテストが超難しいらしいじゃん。だから、4月の入学式までのお楽しみってことで」




『‥‥‥』





「心配してる？大丈夫、僕、結構順応力あるよ」






『‥‥‥』







「どうしかしたの？黙っちゃってさ、お腹でも痛い？」











『‥‥手首、大丈夫か。手加減したつもりだったんだが。てゆうか、怖がれよ。危機感ねぇのか、人の心配してる場合か、バカか。バカだな。』








おぉっと？反省してんのか、怒られてるのか分からんぞ。しかもバカって言ったな。2回も。






「バカはひどくない？！大丈夫だよ！





学校でもよくカツアゲされてる子助けたりするくらいには強いし！油断しなければ！」








『‥‥‥』











（はぁぁ‥‥‥‥それって俺だから無防備ってことか。余計にタチが悪ぃわ。）







そんな幼なじみの心の内なんて知らず、僕は入学へのキャラ作りも始めるのだった。