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新たな幸せ 5 本編完結
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自分の体重でうけとめるかたちになった悠は、息苦しさと同時に深い悦楽にただ翻弄されるしかなかった。
あんなに大きいものを入れられているというのに、接合部からとめどなく快感をおくりこまれる。
これ以上もう入らないと、奥を突かれ懇願しようとしたが、ふとした瞬間映人がまだ入ったことがない場所を刺激され躰をおおきく弛緩させた。
「───ひ、あっ!」
背中を反らせそれに耐えようとしたが、悠の反応に味をしめた映人が同じ場所を攻めてくると、さきほど以上に怖いくらいの快感がおそいどうしてよいのかわからず、すすり泣きのような声に変わった。
「───っ、こわい───よっ······っく·······もっ!·······」
さきほどベッドでもたっぷりと愛された躰は柔軟になっており、悠の内壁もよりやわらかく貪欲になっていた変化だったが、過ぎた快感に精神のほうが追いついてなかった。
声はすでに泣き声のようになっていたが、映人にとっては興奮剤にしかならない。
悠がするどい反応をしめした場所を、狙いさだめた映人はきつく突き上げた。
「ひっ!······ぁ──っぁ」
指が壁を無意識にひっかき、その手がちからなく下ろされると、ふたたび熱い飛沫が奥に叩きつけられたのを感じていた。
意識がとぶまえ、悠の脳裏に浮かんだのは、またなかを綺麗にしなきゃという、無限サイクルにもかんじる後処理のことだった。
「───大丈夫か?」
覚醒したときに目に入ったのは、涼しげな兄の顔だった。
覗き込むようにみおろされ、ぱちりと瞳をみひらくと周囲を確認する。
寝かされていたのは寝室で、ドロドロになっていたシーツはいつのまにか取り替えられ、清潔なものになっていた。
「あれ? ·········なんで」
さっきは浴室にいたはずなのに、いつのまにか運ばれていた。
躰に残ったのは甘いなごりで、まだ奥底が甘い痺れのようなのものに支配されていた。
「やっ!───ごめっ·······」
映人に頬を触られそうになったとき、思わず躰がすくんで拒否してしまった。
これ以上触られたらおかしくなってしまうという、悠の防衛本能だったが、映人は手加減なしで抱いてしまった自分を、少しだけ反省していた。
「完全に、のぼせさせてしまったな········悪かった」
こんどは怯えさせないようにそっと頬をなで、その表情は心配半分と甘くとろけるような顔だった。
映人としてもこんなに夢中になってしまうとは思っていなかった。
理性には自信があった筈なのに、悠の反応がかわいくて、愛しくて、歯止めがきかなかった。
セックスがこんなに悦かったものだったのかと、あらためてかみしめる。
いままで付き合った者たちは、ただの性欲処理であって、精神的なつながりはまるでなく相愛であることでの、躰のつながりはまったく快楽の質がちがうことを思い知らされた。
「こんどはこんな無茶はしない·······許してくれるか?」
許すも許さないも、悠としては快楽に貪欲になっていく自分自身のほうが怖いのが本音だ。
躰をつくり変えられたような気がしてならなかったが、いやらしくなってしまった自分の気持ちを正直に映人にいうことは、できなかった。
だから、心配そうな映人をみてこくりと頷いた。
「良かった······嫌われたのかと、思ったぞ」
「······そ、んなことあるわけない······よ」
たどたどしく、否定されてより映人の顔がほころんだ。
いつもは、冷徹としかいえない兄の表情はとても優しげで、怖いくらいの幸せを感じていた。
「あっ、そうだ······母さんから預かった荷物」
「───これのことか」
「そう、それ!·······今日の目的」
「見なくてもわかるさ·······いつもの、シャツだろう」
ブランドの紙袋をしめし、なかの包みをとりだす。
映人の誕生日が近いこともあってか、透子からの毎年のプレゼントは決まってスーツに合うシャツだった。
「·······もうすぐ兄さんの誕生日だもんね········なにか欲しいものある?」
すると、映人が顎に手をあてて何事かを考えこみだし、しばらくするとてとも良いことに思いあたったようで、その表情はとても満足そうに上げられた。
「───それは、当日だな·······お前さえいてくれれば充分だ」
映人が腰をかがめ悠にかるく唇にキスをおとす。
ここできちんと聞いておかなかった悠は、映人の誕生日当日、身をもってしらされることになり、のちに自分を呪うことになった。
了
────────────────────────────────────────
これでいちおう本編完結になります、最後まで読んで下さった方々、本当にありがとうございましたm(_ _)m 大感謝です( 。゜Д゜。)
最近、映人と悠の新婚さんのようすを書きたいというのと、お付き合いというものをはじめた、伊織の逆鱗にふれた桃里が3Pお仕置きをされる、というのを書きたくなってしまいました。
なので、まだ読んでくださる方、このままお気に入り登録のお願いいたします。
もちろん、ご意見、ご感想大歓迎です。とても励みになりますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m
あんなに大きいものを入れられているというのに、接合部からとめどなく快感をおくりこまれる。
これ以上もう入らないと、奥を突かれ懇願しようとしたが、ふとした瞬間映人がまだ入ったことがない場所を刺激され躰をおおきく弛緩させた。
「───ひ、あっ!」
背中を反らせそれに耐えようとしたが、悠の反応に味をしめた映人が同じ場所を攻めてくると、さきほど以上に怖いくらいの快感がおそいどうしてよいのかわからず、すすり泣きのような声に変わった。
「───っ、こわい───よっ······っく·······もっ!·······」
さきほどベッドでもたっぷりと愛された躰は柔軟になっており、悠の内壁もよりやわらかく貪欲になっていた変化だったが、過ぎた快感に精神のほうが追いついてなかった。
声はすでに泣き声のようになっていたが、映人にとっては興奮剤にしかならない。
悠がするどい反応をしめした場所を、狙いさだめた映人はきつく突き上げた。
「ひっ!······ぁ──っぁ」
指が壁を無意識にひっかき、その手がちからなく下ろされると、ふたたび熱い飛沫が奥に叩きつけられたのを感じていた。
意識がとぶまえ、悠の脳裏に浮かんだのは、またなかを綺麗にしなきゃという、無限サイクルにもかんじる後処理のことだった。
「───大丈夫か?」
覚醒したときに目に入ったのは、涼しげな兄の顔だった。
覗き込むようにみおろされ、ぱちりと瞳をみひらくと周囲を確認する。
寝かされていたのは寝室で、ドロドロになっていたシーツはいつのまにか取り替えられ、清潔なものになっていた。
「あれ? ·········なんで」
さっきは浴室にいたはずなのに、いつのまにか運ばれていた。
躰に残ったのは甘いなごりで、まだ奥底が甘い痺れのようなのものに支配されていた。
「やっ!───ごめっ·······」
映人に頬を触られそうになったとき、思わず躰がすくんで拒否してしまった。
これ以上触られたらおかしくなってしまうという、悠の防衛本能だったが、映人は手加減なしで抱いてしまった自分を、少しだけ反省していた。
「完全に、のぼせさせてしまったな········悪かった」
こんどは怯えさせないようにそっと頬をなで、その表情は心配半分と甘くとろけるような顔だった。
映人としてもこんなに夢中になってしまうとは思っていなかった。
理性には自信があった筈なのに、悠の反応がかわいくて、愛しくて、歯止めがきかなかった。
セックスがこんなに悦かったものだったのかと、あらためてかみしめる。
いままで付き合った者たちは、ただの性欲処理であって、精神的なつながりはまるでなく相愛であることでの、躰のつながりはまったく快楽の質がちがうことを思い知らされた。
「こんどはこんな無茶はしない·······許してくれるか?」
許すも許さないも、悠としては快楽に貪欲になっていく自分自身のほうが怖いのが本音だ。
躰をつくり変えられたような気がしてならなかったが、いやらしくなってしまった自分の気持ちを正直に映人にいうことは、できなかった。
だから、心配そうな映人をみてこくりと頷いた。
「良かった······嫌われたのかと、思ったぞ」
「······そ、んなことあるわけない······よ」
たどたどしく、否定されてより映人の顔がほころんだ。
いつもは、冷徹としかいえない兄の表情はとても優しげで、怖いくらいの幸せを感じていた。
「あっ、そうだ······母さんから預かった荷物」
「───これのことか」
「そう、それ!·······今日の目的」
「見なくてもわかるさ·······いつもの、シャツだろう」
ブランドの紙袋をしめし、なかの包みをとりだす。
映人の誕生日が近いこともあってか、透子からの毎年のプレゼントは決まってスーツに合うシャツだった。
「·······もうすぐ兄さんの誕生日だもんね········なにか欲しいものある?」
すると、映人が顎に手をあてて何事かを考えこみだし、しばらくするとてとも良いことに思いあたったようで、その表情はとても満足そうに上げられた。
「───それは、当日だな·······お前さえいてくれれば充分だ」
映人が腰をかがめ悠にかるく唇にキスをおとす。
ここできちんと聞いておかなかった悠は、映人の誕生日当日、身をもってしらされることになり、のちに自分を呪うことになった。
了
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これでいちおう本編完結になります、最後まで読んで下さった方々、本当にありがとうございましたm(_ _)m 大感謝です( 。゜Д゜。)
最近、映人と悠の新婚さんのようすを書きたいというのと、お付き合いというものをはじめた、伊織の逆鱗にふれた桃里が3Pお仕置きをされる、というのを書きたくなってしまいました。
なので、まだ読んでくださる方、このままお気に入り登録のお願いいたします。
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