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新たな幸せ 3
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ゆらゆらちと躰が揺れている感じがした。
とても気持ちが良く、全身をぬるめのお湯につかりながら、ゆったりと意識が覚醒する。
あれから汚れた躰を洗うために映人が風呂に湯をはり、ふたりで浴槽に入ってしまったとたん、心地よい疲労感のためか少し眠ってしまったらしい。
「疲れたか?」
まぶたを開けた悠は、溺れる心配はまったくなく、背後から映人の声がする。
背中をあずけているのは兄の胸だった。
「·······ん·······ちよっと······」
眠い目をこすりながら、なにかとても大事なことを忘れているような気がした。
しばらくすると完全に目が覚め、あずけていた躰をとつぜん起こし、浴槽に大きなさざなみをつくった。
「あっ! いま何時?──どうしょう········母さんに電話してない·······」
慌てた悠に、映人はなんでもないように伝えた。
「透子さんには、今日はこっちに泊まらせると───メールで連絡済みだ───安心していい」
"泊まる"という単語に赤面してしまう。
兄とこんな関係になってしまい、親と顔をあわせる勇気などなかったが、明日はどうしても顔を会わせなければならないだろう。
すこし気が重かったが仕方なかった。
そして弟の思い悩んでいることを察した映人は、ふたたび自分に躰をあずけた悠に、考えていたことを提案してみる。
「悠───こっちに越してこないか?」
その言葉によりそっていた躰を離し、悠は背後にいた映人のほうにふりむいた。
「えっ! ─── なんでっ!」
「いずれ一人暮らしする練習だ。それに、今は俺が出ていたあいだの、お前との時間を取り戻したい」
かなり控えめな表現だったが、悠はその真意に気づくことはできず、そのままの言葉を受け止めてしまう。
はにかんだような表情で映人の言葉をうけとると、とまどいながら笑みをうかべた。
「········そ、れは嬉しいけど········母さんになんて言えばいいか·······」
「──その心配はしなくていい──透子さんは俺から説明するから········お前の気持ちは?」
そう聞かれ離した躰を、映人のもとにそっと預けた。
「一緒にいたい······」
「───なら、きまりだな」
浴槽でお互いに躰をくっつけていると、お湯だけのせいではない躰の温度が上昇してきたような気がした。
悠を膝に抱えた状態の映人の欲望はすでに硬さをもっていたし、悠も素直な反応をしめしていた。
「───とりあえず、ナカ洗わないとな」
湯のなかで尻を撫でられ、その意図を察した悠はあせったようすで、断ろうとする。
お腹のなかは映人の放ったものがそのままの状態で、寝室でなんどもむつみあったあと、昏倒するように寝てしまった。
「いいよっ───じぶんでやるからっ!」
映人の手から逃れるように、勢いよく立ち上がった悠は浴槽から出てしまい、シャワーのコックをひねる。
たちまち浴室に蒸気がたちのぼったが、その様子を映人は浴槽に座ったまま、左腕を縁ふちにかけ顎あごをのせながらにやにやと眺めていた。
「視なくていいからっ!·······むこう向いててっ」
まるで女の子のような自分のセリフに、言いながらも顔を赤くしてしまう。
悠に言われたとおりに映人があさっての方向を向くと、今のうちにというように、後ろに回した指を後肛に挿入した。
「····っ·······」
とても気持ちが良く、全身をぬるめのお湯につかりながら、ゆったりと意識が覚醒する。
あれから汚れた躰を洗うために映人が風呂に湯をはり、ふたりで浴槽に入ってしまったとたん、心地よい疲労感のためか少し眠ってしまったらしい。
「疲れたか?」
まぶたを開けた悠は、溺れる心配はまったくなく、背後から映人の声がする。
背中をあずけているのは兄の胸だった。
「·······ん·······ちよっと······」
眠い目をこすりながら、なにかとても大事なことを忘れているような気がした。
しばらくすると完全に目が覚め、あずけていた躰をとつぜん起こし、浴槽に大きなさざなみをつくった。
「あっ! いま何時?──どうしょう········母さんに電話してない·······」
慌てた悠に、映人はなんでもないように伝えた。
「透子さんには、今日はこっちに泊まらせると───メールで連絡済みだ───安心していい」
"泊まる"という単語に赤面してしまう。
兄とこんな関係になってしまい、親と顔をあわせる勇気などなかったが、明日はどうしても顔を会わせなければならないだろう。
すこし気が重かったが仕方なかった。
そして弟の思い悩んでいることを察した映人は、ふたたび自分に躰をあずけた悠に、考えていたことを提案してみる。
「悠───こっちに越してこないか?」
その言葉によりそっていた躰を離し、悠は背後にいた映人のほうにふりむいた。
「えっ! ─── なんでっ!」
「いずれ一人暮らしする練習だ。それに、今は俺が出ていたあいだの、お前との時間を取り戻したい」
かなり控えめな表現だったが、悠はその真意に気づくことはできず、そのままの言葉を受け止めてしまう。
はにかんだような表情で映人の言葉をうけとると、とまどいながら笑みをうかべた。
「········そ、れは嬉しいけど········母さんになんて言えばいいか·······」
「──その心配はしなくていい──透子さんは俺から説明するから········お前の気持ちは?」
そう聞かれ離した躰を、映人のもとにそっと預けた。
「一緒にいたい······」
「───なら、きまりだな」
浴槽でお互いに躰をくっつけていると、お湯だけのせいではない躰の温度が上昇してきたような気がした。
悠を膝に抱えた状態の映人の欲望はすでに硬さをもっていたし、悠も素直な反応をしめしていた。
「───とりあえず、ナカ洗わないとな」
湯のなかで尻を撫でられ、その意図を察した悠はあせったようすで、断ろうとする。
お腹のなかは映人の放ったものがそのままの状態で、寝室でなんどもむつみあったあと、昏倒するように寝てしまった。
「いいよっ───じぶんでやるからっ!」
映人の手から逃れるように、勢いよく立ち上がった悠は浴槽から出てしまい、シャワーのコックをひねる。
たちまち浴室に蒸気がたちのぼったが、その様子を映人は浴槽に座ったまま、左腕を縁ふちにかけ顎あごをのせながらにやにやと眺めていた。
「視なくていいからっ!·······むこう向いててっ」
まるで女の子のような自分のセリフに、言いながらも顔を赤くしてしまう。
悠に言われたとおりに映人があさっての方向を向くと、今のうちにというように、後ろに回した指を後肛に挿入した。
「····っ·······」
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