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自覚 1
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新章です。更新遅くなりましたが、もうちょっと頑張りますm(_ _)m
タイトル通りですが、悠の気持ちが中心となります。
────────────────────────────────────────
ここのところ、第二営業部の浜野はひじょうにとまどっていた。
後輩である永原悠の劇的な変化についてだ。
それは可愛がっている悠が仕事中にも関わらず、ときおり壮絶に色っぽいと感じることがあるからだった。
入社した当初は学生感がぬけなく、素直で素朴な青年だったが、ここ数週間はひとかわどころか、ふたかわくらい剥けたほど空気が変わっていた。
時おり深いため息をついたかと思うと、どこか遠い場所をみていて意識は現実に向いていないようでもある。
そんなときは必ず瞳が潤んでおり、目撃してしまった浜野はなぜか、はげしく動揺してしまった。
こころのなかで、あれは男だ。
どんなに色っぽくても、オトコだ!
自分は女の躰の曲線が大好きなハズだった。
だが、いくら可愛がっているとはいっても、悠はまったく正反対の体型で、大好きなハズの胸も尻もペタンコで、自分の好みとはほど遠い。
後輩でしかも同性に、そんな感情をいだいたことが信じられず「そんなハズはない、俺は女が好きだ!」と、言い聞かせ、悩んでいるようすが気にもなっていたので、思いきって訊いてみようとした。
給湯室で悠がコーヒーを淹れている時に、偶然をよそおい入る。
「おっ、淹れてくれてるんだ───ありがとな」
皆で飲むコーヒーなどは、気がついたひとが淹れることになっており、面倒な者はインスタントコーヒーで済ませてしまう者も多かった。
声をかけられ、浜野に気づいた悠は10人分ほど淹れられるコーヒーメーカーをセットしながら振り向く。
その立ち姿も、そこいらの女性よりも華奢だった。
「ついでですから·····先輩も飲みますか?」
ここのところなんとなく口数が減ってしまった悠を、細い腰だなぁと思いながら、浜野が入口に立ち、もたれかかると頷く。
コポコポという音をとともにコーヒーの香りが拡がると、うつむいていいる悠に、彼ははおもむろに口を開いた。
「なあ、なんかあった? ───お前、最近変わったよな」
聞き方にはいまいち配慮に欠けるものだったが、たとえ数ヵ月のつきあいでも、浜野が心配してくれているのはわかった。
はじかれたように顔をあげ浜野をみると、表面上の笑顔をつくりその場をとりつくろうとした。
「······なんにも、ありませんよ───あっ、それより部長が報告書まだかって、催促してました───早めに出さないと·······」
「──ほら、それだよ······自分で気がつかないのか?」
浜野にはそれが、悠の処世術というのはわかっていた。
周囲を心配させないように笑って、そっと話をきりかえ、つきはなす。
おそらく触れられたくない部分だろうと、予測はしたがさらに言った。
「仕事の事じゃないよな······そつなくこなしているし、プライベートでなんかあった? ······彼女とか?」
その言葉に、ぷっと悠が吹き出し笑った。
女性の悩みだったらどんなに幸せだったろう。
仕事中に淫らな接触はなくなったものの、ひとまわり年の離れた兄にいたずらされ、最近はそれもエスカレートしていた。
退社前に寄ることを約束させられた悠は、最近はアナルプラグだけではなく、胸にもクリップをはさまれ開発されている。
初めてそれをされた時、刺激が強すぎて涙がにじんだが、やさしく舌先でいさめるように舐められると、あとは甘いしびれのようなものだけがのこった。
映人のオフィスで毎日儀式のようにくりかえされてはいたが、ただ一方的に躰をいじられ、感じ始めたころにつきはなされることもあれば、陰茎を含まれ吐精をうながされてから、ローターを内部に挿入され帰されることもある。
ただ悠にとっていちばんひっかかっているのは、映人が欲望を挿入してこないことだった。
何度もそのチャンスはあった筈だが、兄はそれ以上のことをしてこない。
じっさい悠の躰をもてあそんでいる時、映人の欲望が悠の躰にあたっているときが何度もあり、内心ここでされてしまうんだと、ほんの少し覚悟をしている時にさえも、だ。
それでは自分が期待しているようで、はっと気づき赤面したり、時には興味なくなってしまったのかな? と落ち込みため息をついてしまったりする。
ここのところ思い浮かべてしまうのは、映人のことばかりだった。
タイトル通りですが、悠の気持ちが中心となります。
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ここのところ、第二営業部の浜野はひじょうにとまどっていた。
後輩である永原悠の劇的な変化についてだ。
それは可愛がっている悠が仕事中にも関わらず、ときおり壮絶に色っぽいと感じることがあるからだった。
入社した当初は学生感がぬけなく、素直で素朴な青年だったが、ここ数週間はひとかわどころか、ふたかわくらい剥けたほど空気が変わっていた。
時おり深いため息をついたかと思うと、どこか遠い場所をみていて意識は現実に向いていないようでもある。
そんなときは必ず瞳が潤んでおり、目撃してしまった浜野はなぜか、はげしく動揺してしまった。
こころのなかで、あれは男だ。
どんなに色っぽくても、オトコだ!
自分は女の躰の曲線が大好きなハズだった。
だが、いくら可愛がっているとはいっても、悠はまったく正反対の体型で、大好きなハズの胸も尻もペタンコで、自分の好みとはほど遠い。
後輩でしかも同性に、そんな感情をいだいたことが信じられず「そんなハズはない、俺は女が好きだ!」と、言い聞かせ、悩んでいるようすが気にもなっていたので、思いきって訊いてみようとした。
給湯室で悠がコーヒーを淹れている時に、偶然をよそおい入る。
「おっ、淹れてくれてるんだ───ありがとな」
皆で飲むコーヒーなどは、気がついたひとが淹れることになっており、面倒な者はインスタントコーヒーで済ませてしまう者も多かった。
声をかけられ、浜野に気づいた悠は10人分ほど淹れられるコーヒーメーカーをセットしながら振り向く。
その立ち姿も、そこいらの女性よりも華奢だった。
「ついでですから·····先輩も飲みますか?」
ここのところなんとなく口数が減ってしまった悠を、細い腰だなぁと思いながら、浜野が入口に立ち、もたれかかると頷く。
コポコポという音をとともにコーヒーの香りが拡がると、うつむいていいる悠に、彼ははおもむろに口を開いた。
「なあ、なんかあった? ───お前、最近変わったよな」
聞き方にはいまいち配慮に欠けるものだったが、たとえ数ヵ月のつきあいでも、浜野が心配してくれているのはわかった。
はじかれたように顔をあげ浜野をみると、表面上の笑顔をつくりその場をとりつくろうとした。
「······なんにも、ありませんよ───あっ、それより部長が報告書まだかって、催促してました───早めに出さないと·······」
「──ほら、それだよ······自分で気がつかないのか?」
浜野にはそれが、悠の処世術というのはわかっていた。
周囲を心配させないように笑って、そっと話をきりかえ、つきはなす。
おそらく触れられたくない部分だろうと、予測はしたがさらに言った。
「仕事の事じゃないよな······そつなくこなしているし、プライベートでなんかあった? ······彼女とか?」
その言葉に、ぷっと悠が吹き出し笑った。
女性の悩みだったらどんなに幸せだったろう。
仕事中に淫らな接触はなくなったものの、ひとまわり年の離れた兄にいたずらされ、最近はそれもエスカレートしていた。
退社前に寄ることを約束させられた悠は、最近はアナルプラグだけではなく、胸にもクリップをはさまれ開発されている。
初めてそれをされた時、刺激が強すぎて涙がにじんだが、やさしく舌先でいさめるように舐められると、あとは甘いしびれのようなものだけがのこった。
映人のオフィスで毎日儀式のようにくりかえされてはいたが、ただ一方的に躰をいじられ、感じ始めたころにつきはなされることもあれば、陰茎を含まれ吐精をうながされてから、ローターを内部に挿入され帰されることもある。
ただ悠にとっていちばんひっかかっているのは、映人が欲望を挿入してこないことだった。
何度もそのチャンスはあった筈だが、兄はそれ以上のことをしてこない。
じっさい悠の躰をもてあそんでいる時、映人の欲望が悠の躰にあたっているときが何度もあり、内心ここでされてしまうんだと、ほんの少し覚悟をしている時にさえも、だ。
それでは自分が期待しているようで、はっと気づき赤面したり、時には興味なくなってしまったのかな? と落ち込みため息をついてしまったりする。
ここのところ思い浮かべてしまうのは、映人のことばかりだった。
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