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開発 7

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 社内のトイレでは誰か入ってくる可能性があったので、はやく吐精してしまうことだけ考える。

 頭の片隅で映人のことを恨みがましく思いながらだったが、その反面こんなことを強いる兄の顔が脳裏からはなれない。


「······っ······あぁ······」


 酷いよ······と、思いながらも思い出してしまうのは、映人の淫らな指先だった。

 躰中をくまなく触り、時には低い声で綺麗だとささやく。


 映人の掌が全身をすべり、肩から腰、焦らすように膝から太股の内側をはいまわり、ようやく陰茎に滑ったときは、安堵の吐息をついてしまったほどだった。

 姿見で自分の姿を強制的にみせられた時は、羞恥でおかしくなりそうだったが、全身を堪能するように兄の瞳は細められていた。


「んっ······っ」


 陰茎をこする手は早くなっていき、ローターの振動が内奥のいちばん感じる場所を刺激する。

 声を我慢するのも苦しかったが、脳裏を占めるのは映人の淫らな指先。          

 そして、内奥を舌先で愛撫を加えられた感触を思い出していた。


 ぬるりと、舌で最奥をうたがれる感覚は、経験したことないほど甘美だった。

 初めは恥ずかしさで全身の産毛がそうけだったが、何度かされているうちに、自分でさえろくに見たことのない場所を、堅い指ではないもので刺激されうたがれる。


 認めるのは抵抗があったが、事実だった。


「あっ──兄さ──ぅ」


 荒い息をつき最後に呼んだのは、映人だった。





 控えめに扉をノックする音がし、室内から「どうぞ」という、返答がかえってくる。

 静かに扉を開けた人物をみとめた映人は、口角をあげ静かに言った。


「扉を閉めて鍵をかけたら、こっちへおいで」


 のばされた腕はあくまでやさしさを感じるものだったが、再びここに来るには勇気がいるものだった。

 先ほど抜こうとしたローターはそのまま躰の中におさまったままである。


 映人はイスに座ったまま、自分のかたわらに立った弟に少しの意地悪をこめて訪ねた。


「さっきは怒って出て行ったと思うが───どうした?」


 下からのぞき込むように聞き、可愛い弟の顔をみると、なんとも言えない表情だったが、その目尻はかすかに赤かった。


「·······おねがい······とって······」


 勇気をだしてそれだけ言うと、映人の顔をまともに見られなくなる。

 先ほど吐精してしまったときに、兄を思い浮かべてしまったことが、悠にとってはショックの大きいことでもあった。


 それでもここに来たのは、このままでは仕事ができなくなってしまうからだし、性感を刺激されてしまって隆起した自身を、他人に気づかれてしまうのは恐怖でもあった。

 その言葉に映人はなにかを考えこみ、悠に選択をせまった。


「······そうだな──取り出してやってもいいが、そのかわり今日から退社時間になったらここに寄りなさい。そうしたら、今後仕事中にこういうことはしないと約束しよう───どうする?」


 映人の言わんとしていることは何となくわかってしまった。

 退社時間が過ぎれば逃げるように帰ってしまえなくなる。


 接触をなるべく避けようとしていた、今までの悠の行動をみすかしていたようでもあった。

 かといって、拒否すればこのまま放置され困るのは悠自身でもあった。


 仕方なくこくりとうなずくと、満足したような映人の表情があった。

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そろそろ完結にむかいます。
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