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開発 5

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 どのような状態であっても、悠が自身の胸にすがるようなかたちになるのは、実に気分が良いものだった。


 入口の周囲を指でくるくると刺激すると、悠の躰から力が抜け、それを狙ったように指が一本挿入される。

 とたんに膝から力がぬけたようだったが、なんとかこらえたようだった。


「······んっ······ふっ、ぁ······」


 入口を数回こすられ、少しずつ綻んだ蕾を指先で確認すると、映人は悠のスラックスから両手を抜き、片手を悠の口に差しだした。


「出して」


 唾液で濡らされたローターを口内から出させると、映人は両手で本体をひねるようにしてから、再び両手を悠のスラックスの間にさしいれ、蕾の狭間にピタリとあてた。


「あ! やぁっ」


 淫具を口内に含まされた時から、こういう使われかたをされるということは、本能的にわかってしまった逃れようと腰を引く。

 そうすると耳元でやさしく命令された。


「いい子だから脚をひらけ──暴れると傷つく」


 低い声で、子供にいいきかせるような声色だった。

 悠は自分が子供の頃、かなり昔に映人にこんな言われかたをされていたことを思い出してしまった。


 映人が学生のころ勉強をしている時、小さかった悠が邪魔をしたことが何度もあった。

 そのたびに年の離れた弟を邪険にせず、頭を撫で『ごめんね、今は遊んであげられないけど、いい子にしてたらあとで、いっぱい遊ぼうね』そう言って、悠をないがしろにすることはなかった。


 今ではだいぶ状況は違うが、こんな時にあの頃の記憶を思い出してしまい、優しかった兄の変わりようが怖い。

 命令どおりに脚をわずかに拡げ、映人の肩に頭を預けた。


「·····んっ、ぁぁ」


 上質なスーツにすがりつき、蕾に圧迫感があると、あてがわられたローターはたやすく悠の蕾に挿入されてしまう。

 大部分が内部に納められてしまうと、映人の指先が奥におしこむようにしずめられた。


 奥深くにおさめられてしまうと、指をハンカチでぬぐい映人は乱れた悠の着衣をととのえてあげ、書類をとりだした。

 先ほど言っていた指示書らしい。自分のことを呼び出す口実だと思っていた悠は少々驚いたが、思考できたのはそこまでだった。


「ひっ──あぁっ!」


 喉をつまらせるように声をあげると、その場にうずくまりそうになった。

 先ほど内部に挿入されたローターがふいに暴れ、悠をさいなむ。


 昼休みも終わり、これから第二営業部に戻らなければならず、こんなものを挿入されては仕事にならない。

 映人をみあげ、スーツにすがりつき懇願こんがんした。


「無理·······お願い、とって──んっ!」

「通常のローターよりは刺激も少ないし、音も静かに設計されている───このまま仕事に戻りなさい」


 映人が挿入したのは、倶楽部でも使用されているローターだった。

 特殊な環境下でも使えるように設計され、振動の時間もランダムに震える。


 基本倶楽部で使われている、拘束具やバイブレーター、ローターなどはアダルトショップで買える安物ではなく、拘束具は本革を使い、内側には本物の毛皮が使われてる。

 ディルドなども職人が造ったものが多かった。


 映人はその倶楽部でも使用しているものを、悠のために購入していた。

 だからといって悠がありがたがるものではなかったが。


 頭を振って耐えているとふいに振動とまり、みあげると映人が書類をつきだしている。

 その顔は涼やかのもので、こんなことくらい耐えられないのか? と言われているようでもあった。

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