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快楽の糸 3

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 こんなことしてはいけない兄との官能的なキスは、悠の躰を蕩けさせ、しだいに思考をも奪っていった。

 たかがキスがこんなにも気持ちいいものだとは知らなかった。


 ときおり舌を痛いくらいに吸われ、溢れた唾液は口角をつたいながらも、脳に直接濡れた音がひびく。

 端的にもれる声は自分のものだろうか····その声は明らかに濡れたものだった。


「若いな·····こんなにして」


 するりと滑った映人の掌は、悠の中心にのばされる。

 兆してしまった悠の陰茎は半分勃起してしまい、やわらかい綿のズボンをおしあげていたので、上からそっと撫でられると躰を震わせた。


「やっ!」


 一週間ほどまえ、むりやりとはいえ初めて躰をひらかれたときは、今まで経験のしたことない強烈な苦痛をともない、ときおりはしる鈍痛は忘れようとしても、いやでもおもいださせた。

 だが、苦痛だけだったら精神的にどんなに楽だったろうか····。


 不安そうな悠の顔に、映人はふたたび苦笑する。


「そんな顔するな──大丈夫だ·····今日は───」


 いいながら映人は悠をベッドに座らせ、ひきよせた。

 それを当然のように甘受してしまった悠は、おもいだしたかのように全身をかたくしたが、ふたたび映人からの濃厚なくちずけをうけると、躰から力をぬいていた。


「·····んっ······っ······ふぁ·······んんっ·····」


 洩れてしまう声がおさえきれなく、鼻で呼吸しながら口内を映人の舌で刺激される。

 愛撫のような舌は、さきほどキスがこんなにも気持ちが良いと、身をもって教えられ、経験値がひくい悠を夢中にさせた。


 口内をさぐりながら映人の手は悠のTシャツの下からさし入られ、すべすべの肌を堪能するようにはいまわり、桜色の突起にとうたつすると、やさしく愛撫される。

 いままではただの胸のかざりだった場所は、映人によって確実にかえられていた。


「んっ!」


 柔らかかった先端を指先ではじかれると、悠の腰がはね背中からしびれるような感覚をあたえ、みだれた息も熱くなる。


 片方の手でズボンの上から、悠の中心に触れると、焦れったいほどにゆるゆると刺激をあたえられた。

 陰茎のかたちをズボンの上からなぞるように撫でると、みるみる硬度が増していくのがわかり、悠は唇をかさねられながらも、焦れたように息を切らした。


「······ん······っ」


 映人の指の動きはゆるゆるとしすぎており、その触りかたはあくまでもソフトなものだった。

 悠を怯えさせないようにと、さぐるような動きでもあったが、それではたりないというかのように、細腰がしぜんにうごくのを映人の眼をほそめさせ満足させる。


 舌で口内を蹂躙しながら細い躰をだきよせるかたちとなっていた映人の片方の手は、綿のズボンの隙間にさしいれられた。


「あっ·····っ·····」


 部屋着だった悠の格好はたやすく侵入をゆるしてしまい、すでに隆起している、陰茎にからみついた。

 大きな手で直接さわられ、恥ずかしさと快楽のはざまで悠の目のふちから涙がにじんだが、背徳感のせいなのか、快楽のせいなのか、悠自身にも、もうわからなかった。


「やっ·····ぁ······」


 唇をはずされ、身を預けると映人の胸に顔をうずめる。

 抱きかかえる形になり、映人はほそみの陰茎の幹を刺激しながら、蜜をこぼしている先端に親指でぬりこめるようにすると、悠の吐息は断続的な、きれぎれのものになっていった。


「·····ぁ·····っ、ふ·······ん······っ·······ぁ!」


 声をころしているが、どうしても洩れてしまう媚びたような自分の喘ぎを聞かれたくなくて、なおさら映人にしがみついた。

 あまりにもかわいいしぐさに、映人の指技にも熱がこもる。

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