弟に執着する兄の話  ─執愛─

おーらぴんく

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洗礼 6

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 最初に挿入されたボール状の効果だろうか、ぐちっと卑猥な音をたて少年の肉壁は柔軟にうけいれる。
 すると中にあるローターをつついたのか、いっそうたかい嬌声が響いた。

「あ!あ、ぁあぁぁ───だめぇっ、おくぅ──はいらなっ!」

 慎ましかった蕾はめいいっぱい引き伸ばされ、それでも貪欲に咥んでいた。
 可愛いと形容されるであろう少年の顔は苦悶に歪んでいたが、桜色の口からは涎が口角からつたい、顔は上気し息を乱している。
 
「痛く····ないのかな····」

 悠がひっそり呟いた声に、伊織は口角をあげ補足してあげた。

「──そうだね、痛いのもあるだろうけど·····血は出てはないだろう──調教師とそれを受ける者はね、信頼関係がないと無理なんだよ──その人にされているから痛いことも悦くなる──あの子もだけど·····瑛人はこの倶楽部の出演者からは、人気があるんだよ」
「───そ、れって·····」

 いったいどのくらい瑛人はこんな事をしてたのであろう。
 知らない顔。
 偉そうな態度。
 そんな兄の一面に悠は、恐怖さえ感じた。

 持っていたグラスを落としそうになり、隣にいた伊織がそれをささえる。
 瞼が急激に重くなり、口がまわらなくなった。

「おっと──どうしたの?」
「すみません·····なん····か·····ものすごく······ねむ·····く·····て」

 そう言いながら悠は闇に落ちた。
 長椅子に躰をあずけ眼をとじてしまう。

「───早いな」
 
 仕込んだ薬が予想よりよく効いてしまったらしく、力が抜けた躰を伊織がみると唇を歪めた。

 ステージ上では尚も饗宴がつづいていたが、客たちはぽつぽつと立ち上がり、別室に移動していた。
 このフロアの奥には客たちが人目につかないよう、泊まれるように部屋が用意されていた。

 情欲を刺激された者は早くひきあげ、その欲望を発散するため明日の朝までこもってしまうだろう。
 
 各部屋はどこもグレードがよかったが、ひとつ難点なのは窓がないことだった。だが、それさえ省けば、一緒に来た者と楽しむことができるし、部屋においてあるカタログの少年達を指名できたりもした。



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



つぎはいよいよ瑛人が長年の想いをとげますが、悠にとっては、はじまりでもあります。

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