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シャーロット旋風 王都にて
王妃と遠乗り2
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そこから、馬での散策を続ける。シャーロットは、木の実や花や草木の名前にとても詳しかった。雑草についても詳しい。
「まあ、あんな雑草にも名前があるのですね」
「はい、このような小さな草花にも一つひとつ名前があり、役割があるのです。とても愛おしいですわ」
良い子じゃないのと王妃の機嫌は上がる一方である。
「そういえば、ゼオンの庭は素晴らしいと社交界で噂を聞いたことがあります」
「ありがとうございます。庭師が一生懸命世話をしてとても美しい庭となっております。ゼオンにおいでの際にはいらっしゃって下さい」
「ほほほ、そうですね。楽しみにしておきます。ゼオンはハーブが最近では有名なようです、私も最近は眠れなくて、ちょっと顔が火照ったりすると、もう何にでもイライラしやすいのです。そのようなところに行けば気持ちが落ち着くのかもしれないわね」
「あのう」
「あら?なんでしょう?」
「ジェニー様、それはきっと更年期障害だと思います」
「!!!」
後ろの騎士団も女官たちも、そして王妃自身もフリーズしている。流石に王妃に面と向かってあなたは更年期障害だというものは医師であってもいない、特に騎士団は真っ青である、どうしよう、無礼だ、逮捕しろとか言われたら、アーサーに殺される・・
「更年期障害の時期は、眠りにくくなりますし、火照って興奮しやすくなってイライラしやすくなるんです。別にゼオンにこられなくても、お薬や生活を工夫されれば少し楽になると思います。よろしければ、ハーブを調合してお渡ししましょうか?」
シャーロット自身は、直球だが単に親切心で言っている。みんなが、凍っているのに気がつかない。
「あ、姉上、初対面の夫人に失礼なのでは・・」
ギルバートに声かけられて、ハッとする。
ああ、やってしまった。私って本当に貴族らしくないわ。
「夫人、申し訳ありません。私はどうも田舎育ちで。大変失礼しました」
「ふふ、ふふふふ、うふふふふ、あははは」
王妃は笑い出した。
「あの?」
「す、すまぬ。いや、とても面白くて。私にそんなことをはっきり言ったのはそなただけです。侍医ですらそんなこと言わなかった。ああ、面白い。
シャーロット嬢、気遣い痛み入ります。そうね、では、調合したハーブをいただきましょう。パトリシア、後日侯爵家に伺っていただいてきておくれ。
シャーロット嬢、今日はありがとう。なんだか毒気を抜かれたっていうか。遠乗りに来てよかった。」
「よくわかりませんが、ご気分が良くなられたのでしたらそれは嬉しいですわ」
「ふふふ、そう、最近は、子供も大きくなって一緒にこうやって遠乗りする人もいなくって寂しかったのかもしれないわ。」
「まあそうでしたの。ご主人やお孫様たちはご一緒にはこられませんの?」
「え?ま、まあ。そういうのも悪く無いかも。一度、夫や孫や嫁を誘っても良いのかもしれないわね」
「きっと、お友達との遠乗りも楽しいでしょうけど、ご主人と一緒に過ごされるのも楽しいと思います。お孫さんともきっと楽しいと思います、私も子供の頃、領地で母と遠乗りしたのが懐かしいです。」
シャーロットは、前世で美咲の母が島の近所の更年期のおばさんとストレスを抱えないで、旦那さんや子供達と遊びに行ったり、家事とか手伝ってもらうと良いわよとか漢方も効くわよなんて話していたのを思い出して、一般的なイメージで話してしまっている。
結局、シャーロットは、ずっと王妃と知らないままにジェニー様と呼びながら遠乗りを楽しみ、途中の休憩では、持参のハトムギ茶や豆乳を使ったケーキを王妃にも渡して、体重減少の必要性やコルセットの話などをして楽しく過ごしたのだった。
シャーロット! 天然!
「まあ、あんな雑草にも名前があるのですね」
「はい、このような小さな草花にも一つひとつ名前があり、役割があるのです。とても愛おしいですわ」
良い子じゃないのと王妃の機嫌は上がる一方である。
「そういえば、ゼオンの庭は素晴らしいと社交界で噂を聞いたことがあります」
「ありがとうございます。庭師が一生懸命世話をしてとても美しい庭となっております。ゼオンにおいでの際にはいらっしゃって下さい」
「ほほほ、そうですね。楽しみにしておきます。ゼオンはハーブが最近では有名なようです、私も最近は眠れなくて、ちょっと顔が火照ったりすると、もう何にでもイライラしやすいのです。そのようなところに行けば気持ちが落ち着くのかもしれないわね」
「あのう」
「あら?なんでしょう?」
「ジェニー様、それはきっと更年期障害だと思います」
「!!!」
後ろの騎士団も女官たちも、そして王妃自身もフリーズしている。流石に王妃に面と向かってあなたは更年期障害だというものは医師であってもいない、特に騎士団は真っ青である、どうしよう、無礼だ、逮捕しろとか言われたら、アーサーに殺される・・
「更年期障害の時期は、眠りにくくなりますし、火照って興奮しやすくなってイライラしやすくなるんです。別にゼオンにこられなくても、お薬や生活を工夫されれば少し楽になると思います。よろしければ、ハーブを調合してお渡ししましょうか?」
シャーロット自身は、直球だが単に親切心で言っている。みんなが、凍っているのに気がつかない。
「あ、姉上、初対面の夫人に失礼なのでは・・」
ギルバートに声かけられて、ハッとする。
ああ、やってしまった。私って本当に貴族らしくないわ。
「夫人、申し訳ありません。私はどうも田舎育ちで。大変失礼しました」
「ふふ、ふふふふ、うふふふふ、あははは」
王妃は笑い出した。
「あの?」
「す、すまぬ。いや、とても面白くて。私にそんなことをはっきり言ったのはそなただけです。侍医ですらそんなこと言わなかった。ああ、面白い。
シャーロット嬢、気遣い痛み入ります。そうね、では、調合したハーブをいただきましょう。パトリシア、後日侯爵家に伺っていただいてきておくれ。
シャーロット嬢、今日はありがとう。なんだか毒気を抜かれたっていうか。遠乗りに来てよかった。」
「よくわかりませんが、ご気分が良くなられたのでしたらそれは嬉しいですわ」
「ふふふ、そう、最近は、子供も大きくなって一緒にこうやって遠乗りする人もいなくって寂しかったのかもしれないわ。」
「まあそうでしたの。ご主人やお孫様たちはご一緒にはこられませんの?」
「え?ま、まあ。そういうのも悪く無いかも。一度、夫や孫や嫁を誘っても良いのかもしれないわね」
「きっと、お友達との遠乗りも楽しいでしょうけど、ご主人と一緒に過ごされるのも楽しいと思います。お孫さんともきっと楽しいと思います、私も子供の頃、領地で母と遠乗りしたのが懐かしいです。」
シャーロットは、前世で美咲の母が島の近所の更年期のおばさんとストレスを抱えないで、旦那さんや子供達と遊びに行ったり、家事とか手伝ってもらうと良いわよとか漢方も効くわよなんて話していたのを思い出して、一般的なイメージで話してしまっている。
結局、シャーロットは、ずっと王妃と知らないままにジェニー様と呼びながら遠乗りを楽しみ、途中の休憩では、持参のハトムギ茶や豆乳を使ったケーキを王妃にも渡して、体重減少の必要性やコルセットの話などをして楽しく過ごしたのだった。
シャーロット! 天然!
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