坂の上のキミと、坂の下のジブン

Chapter2.彩音

6

「わたしが呼び止めてしまったから、ご迷惑おかけしました。
彼女はわたしを心配しすぎるあまりで………本当にすみませんでしたっ！！」


通行人に見られてて

制服姿のわたしたち


傍から見たら、
坂ノ上の人に坂ノ下の人が絡んでると思われる。


一応、坂ノ下の評判は分かっていたつもり。


だから、わたしが謝らないと、彼らが悪者になってしまう。



「や、あの、ウチのツレがすみません……」


「気にしないでください！
わたしが話しかけたばかりに……本当にすみません」


タイトさんがなぜか謝ってくれた。


タイトさんは友達のために謝る人

………優しい人だなぁ




「…………っ、帰るよ！」


陽菜は結局謝らずにその場を離れて

わたしは何回も頭を下げながら陽菜の後を追った。



ーーー

ーーー



「陽菜、あぁいう態度は良くないよ」


帰りの電車

伊予田くんは同じ方向のはずだけど、同じ時間の電車には乗らなかった。


だから、陽菜に注意したけど

陽菜はムッとしたまま。


「事実じゃない。
坂ノ下に関わるのは良くない」


「さっきも言ったけど、同中の人がいて、その人、ものすごい頭いいで有名だったんだよ。
高校だけで判断は良くないよ」


「頭良くても所詮不良じゃない。
男なんてロクでもない生き物なのよ。
関わらないほうがいいに決まってる」


陽菜はわたしの話を聞く気はなさそう。


どうしてだろう……？


小３で陽菜が引っ越してから高校で再会するまで

しょっちゅうは会えなかったとはいえ、年数回は会っていた。

けど、ここまで男の人を嫌いなんて、知らなかったよ。


「でも、わたしは友達になりたいなぁ………。
だって、陽菜、デスアークに興味ないんだもん」


陽菜とは仲が悪くはなりたくないから

だから、わたしから話題を変えた。




今日の一件があったから

陽菜にはもう、あまりタイトさんの話題を振るのはやめようって決めた。