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CASE14 私の記憶

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ここでの生活も、まぁまぁ辛い。


この家はレオンさんとアゲハさんとアイさんが暮らしていて

レオンさんとアゲハさんがお店をやりつつ、レジスタンスとしての活動をしているんだって。


レオンさんはまぁいいんだけど、問題はアゲハさんとアイさん。

二人は付き合ってるか、アイさんがアゲハさんの事をちょー好きって感じなのに

アゲハさんは気にせず私にちょいちょい構ってくる。

しかも、ちょいちょい構ってくるくせに、腫れ物に触るみたいな扱いだから私がイライラするし

アゲハさんが私に構うとアイさんが不機嫌になる。


……だから絶対に、、アイさんは私が嫌いだと思う。



私が一人になりたくても相部屋だし

外に出たって迷子になるに決まっているから一人じゃ出られない。



あと、料理は私はできないから、レオンさんとアゲハさんに頼りっぱなし。

私はお客さんって訳じゃないのに、何もできない・することもない。



夜にお風呂に入れば背中の傷痕が気になるし

改めて聞いても誰も答えてはくれない。



それなのに構ってくるアゲハさんがだんだんウザく感じてきて、、




この家に来て2週間が過ぎた今


私はあまり部屋から出てこないで、一人でボーッと過ごす事が増えた。



思い出せる気は微塵も感じないし、だからあまり人に会いたくない。

「思い出した?」とか挨拶みたいに聞かれるのが嫌だもん。

聞かなくても思い出したら自ら言うでしょ、普通。



私を嫌ってるアイさん

私に過度に構うアゲハさん

私に恐る恐る構うレオンさん


この家は、私には辛すぎるって………。



私は異世界から来たんだから…本当の家に帰してほしい。

なのに同じ世界から来たアゲハさんに聞いても帰り方教えてくれないし……。


マジで帰りたいんだけど………この家は居心地が悪すぎるよ。





部屋にはアイさんがいなかったから、一人でベッドの上でそんな事を考えていたらドアをノックする音が響いた。


「空、起きてる?そろそろ夕飯だよ」


わざわざ私を呼びに来たのはアゲハさん。

ドアを開けないのは気遣いなのかもしれないけど、、、どーだっていいから放っておいてくれないかな?


「お腹空いていないので……後で頂きます」


私はドアも開けずに答えちゃった。

今日は特に無性にイライラして………会いたくないんだよ、誰にも。



「え、、でもお昼も食べてないでしょ?ちゃんと食べないと駄目だよ?開けるよ?」


「ちょっと……っ!」


開けないで!

って言う前にドアが開いて


アゲハさんが笑顔で「行こうよ」って声を掛けてきた。


その笑顔がなんか嫌で………

作り笑顔みたいな、偽物の笑顔ばかり私に向ける人だから、、、信用できない。


「だから、後で一人で食べますから、、、」


「一人でよりみんなで一緒に食べた方が楽しいよ?ずっと一人でいると悪いことばかり考えちゃうと思うから……きっと、人といた方が気が紛れるよ」


たぶんね、アゲハさんは親切心で言ってると思う。


言いたい事は一人でいるとネガティブに拍車がかかる的な事でしょ?


分からない訳じゃないよ、言葉の意味は。



だけど、一度“この人は信用できない”って思ったら“信用できる”に切り替わりそうにない。


私とアゲハさんが幼馴染みだって話も、全員が口裏を合わせたら私を騙すなんて簡単な話。



そう疑い出したら止まらなくなって…………



「だから、後でいいって言ってるでしょ!?いい加減、しつこくてウザいんだけど!!!!」


アゲハさんを思いっきり睨んで、大声をあげてしまった。

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