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CASE9 救済者 vs レジスタンス
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――――――――――
――――――――――
「どっ……!どっ、、どっ、うしたの!!?」
朝、指定された場所に集まったら、桃華が口を開けて言葉を失っていた。
昨日の夜にはレオンとミオにビックリされたけど、今朝の桃華の反応はそれ以上。
「……ヤバ、!!アゴ外れるかと思ったわ」
慌てて口を閉じた桃華をランさんは冷ややかな目で見守っていた。
私はただ、髪を切っただけ。
ロングヘアーをバッサリとボブにした。
ビックリするくらい軽いし頭は洗いやすい。
悪くないって私自身は思うけど、桃華は信じられないって顔をしていた。
「空じゃない……ボブなんて、空じゃない!」
「馬鹿言うな、ソラだぞ、どう見ても」
「レオンが馬鹿なの?髪が短い空は空じゃないよ」
「髪が短くても私は空だよ!」
もう付き合いきれないって思ってフイっと横を向いた。
「モモカ、そろそろ移動するから静かにしろ」
ギルバートさんが注意してから、みんなは目を瞑った。
久しぶりに眩しい感じがして
久しぶりに、遠くに来たって
風が違ったから、すぐに分かった。
「……は?」
なんだ、この場所は、、、
町の周囲は砂漠
砂漠にもちょっと木が生えていたり、岩山みたいなのも見える。
……けど、町の後方。
明らかに異質な、焼け野原が広がっていた。
砂漠じゃないけど、草も木も生えていない焼け野原。
これが、
この先が、破壊者の支配地域なんだね。
「始めて見るとビビるよな」
「……うん。砂漠じゃないけど、何もない」
「土が死んでるんだろうよ。だから木もロクに育たねぇんだ」
なんとなく怖さを感じるこの地に住む人。
きっと、ここに住まなきゃいけない理由があるんだろうね。
そう思った通り、ヒズィの町の人ってガラが悪かった。
レオンが言うにはエナメの町の北側に似た町だって……。
町に入る前から襲われたっていうのが分かったし、町に入ったらさらに酷さが分かった。
復興作業をやらずに呆けている人もいる。
たとえ日数が経っても、、受け入れられない人は受け入れられないよね。
「あ、いた!こっちだ!!」
壊れていない一軒の家の前にいたのはエドガーで
笑顔で手を振っていた。
その家はこの町に似合わない、、ずいぶん綺麗な家だった。
「この家はこの町を仕切るボス家だ」
あぁ、レジスタンスだとギルバートさんね。
家の大きさで、ボスって説明に納得できた。
なぜかエドガーに案内された先には
レジスタンスが全員と、ずいぶんガラの悪い人が5人……。
「レオン……と、ギルバートか」
「ドモ、久しぶり」
絶対に一番偉いって感じの人がめちゃめちゃ睨んでるけど……レオンは全く気にした様子はない。
「お前らの仲間?部下?に、ずいぶん町を破壊された」
「そのようだな」
「で?お前たちはどうしてくれるんだ?」
「と、言われてもねぇ、、」
ピリピリした空気の中で、レオンはゆったりとした動きで椅子に座った。
「信じる信じないはアンタらの勝手だが、この町を襲ったヤツは今は正常じゃない。アイツはこんな事平気でできるヤツじゃねーからさ」
「………つまり?」
「本人の意思でやった事じゃないから水に流してくれ」
「ふざけるなっっ!!!!」
ボスの取り巻きっぽい人が剣をレオンに突きつけたけど
なんだろう……見てる私ですら緊迫感は感じない。
どう見たってキレてる取り巻き、雑魚っぽいんだもん。
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「どっ……!どっ、、どっ、うしたの!!?」
朝、指定された場所に集まったら、桃華が口を開けて言葉を失っていた。
昨日の夜にはレオンとミオにビックリされたけど、今朝の桃華の反応はそれ以上。
「……ヤバ、!!アゴ外れるかと思ったわ」
慌てて口を閉じた桃華をランさんは冷ややかな目で見守っていた。
私はただ、髪を切っただけ。
ロングヘアーをバッサリとボブにした。
ビックリするくらい軽いし頭は洗いやすい。
悪くないって私自身は思うけど、桃華は信じられないって顔をしていた。
「空じゃない……ボブなんて、空じゃない!」
「馬鹿言うな、ソラだぞ、どう見ても」
「レオンが馬鹿なの?髪が短い空は空じゃないよ」
「髪が短くても私は空だよ!」
もう付き合いきれないって思ってフイっと横を向いた。
「モモカ、そろそろ移動するから静かにしろ」
ギルバートさんが注意してから、みんなは目を瞑った。
久しぶりに眩しい感じがして
久しぶりに、遠くに来たって
風が違ったから、すぐに分かった。
「……は?」
なんだ、この場所は、、、
町の周囲は砂漠
砂漠にもちょっと木が生えていたり、岩山みたいなのも見える。
……けど、町の後方。
明らかに異質な、焼け野原が広がっていた。
砂漠じゃないけど、草も木も生えていない焼け野原。
これが、
この先が、破壊者の支配地域なんだね。
「始めて見るとビビるよな」
「……うん。砂漠じゃないけど、何もない」
「土が死んでるんだろうよ。だから木もロクに育たねぇんだ」
なんとなく怖さを感じるこの地に住む人。
きっと、ここに住まなきゃいけない理由があるんだろうね。
そう思った通り、ヒズィの町の人ってガラが悪かった。
レオンが言うにはエナメの町の北側に似た町だって……。
町に入る前から襲われたっていうのが分かったし、町に入ったらさらに酷さが分かった。
復興作業をやらずに呆けている人もいる。
たとえ日数が経っても、、受け入れられない人は受け入れられないよね。
「あ、いた!こっちだ!!」
壊れていない一軒の家の前にいたのはエドガーで
笑顔で手を振っていた。
その家はこの町に似合わない、、ずいぶん綺麗な家だった。
「この家はこの町を仕切るボス家だ」
あぁ、レジスタンスだとギルバートさんね。
家の大きさで、ボスって説明に納得できた。
なぜかエドガーに案内された先には
レジスタンスが全員と、ずいぶんガラの悪い人が5人……。
「レオン……と、ギルバートか」
「ドモ、久しぶり」
絶対に一番偉いって感じの人がめちゃめちゃ睨んでるけど……レオンは全く気にした様子はない。
「お前らの仲間?部下?に、ずいぶん町を破壊された」
「そのようだな」
「で?お前たちはどうしてくれるんだ?」
「と、言われてもねぇ、、」
ピリピリした空気の中で、レオンはゆったりとした動きで椅子に座った。
「信じる信じないはアンタらの勝手だが、この町を襲ったヤツは今は正常じゃない。アイツはこんな事平気でできるヤツじゃねーからさ」
「………つまり?」
「本人の意思でやった事じゃないから水に流してくれ」
「ふざけるなっっ!!!!」
ボスの取り巻きっぽい人が剣をレオンに突きつけたけど
なんだろう……見てる私ですら緊迫感は感じない。
どう見たってキレてる取り巻き、雑魚っぽいんだもん。
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