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CASE8 君がいない日々
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――――――――――
――――――――――
この町に来て4ヶ月が過ぎた。
一ヶ所にこんなに長くいたのははじめてで、もう町の人として完全に溶け込んだ。
花将軍のこの地域での居城はできたらしい。
見に行くには遠いし顔も割れているから行かなかったけど
噂によると、三階建ての小さな城らしい。
そんな噂を聞く程度しか情報が入らなかったのに
突然、レオンから報告があった。
ヒズィという町が襲われたって。
ヒズィはここから離れた元雪将軍(現花将軍)の支配地域。
破壊者の支配地域との境にある町だから、どちらが襲ったかはまだ不明だって。
「たぶん、救済者がやった。あの町は救済者への貢ぎ物が滞っている事が度々あったらしいからな。被害状況もまだ不明だ」
「ヒズィって…最近ヤバかったよね?水不足とか問題になっていたよね?前にレオンたちが井戸掘ったんじゃなかったっけ?」
「レジスタンスに助けを求めてくるわりに偉そうな人が多かった町だったよね!俺、あの町好きじゃない」
みんなの話を聞く限り、あまりいい町じゃないのかな?って不安なんだけど
まぁとにかく、大変な事になったのは分かった。
「ヒズィにはギルと俺が行った事あったから、ギルたちが先行して見に行くってさ。だから報告待ちだけど、そろそろ俺たちもこの場に留まれないかもな」
ギルバートさんたちの報告待ち……。
なんとなく、今の生活は終わる気がした。
翌日は普通にお店を開けた。
今すぐ来いっていう無茶ぶりはないだろうし、もしかしたらお客さんから何かヒズィが襲われた話を聞けるかもしれない。
いざお店を開けると常連さんからはヒズィが襲われたって話は聞くけど、私たちが知っている以上の話はなかった。
「やっぱりギルバートさんたちの情報待ちが一番早そうだね」
お客さんがいない時間
一緒に休憩をしていたミオと話をしていたら、ドアが開いた音がした。
休憩時間だったからお店の看板は“休憩中”にしていたのに……。
「ミオ、ドアの鍵閉めてよ」
「ごめん、ごめん。忘れてた」
慌ててお店の方に行くと、息を切らしたマスターがいた。
「レオンさんは……今、どちらに!?」
「今はお客さんのところに薬を届けに……」
「では!!戻りましたら急ぎコレを!!!」
マスターが慌てて私の手に渡したのは、、手紙?
キチンと封をしてあって、レオン宛って書いてある。
「私はまた情報を集めます。レオンさんにくれぐれもよろしくお伝えください」
マスターは慌てて帰ってしまい、手には手紙……。
「開けちゃえば?」
「レオン宛だよ?」
「どうせレオンさん、俺たちに見せるって」
ミオは興味津々だし、私も正直気になる……。
ペーパーナイフもちょうどカウンターにあったから開封したら一枚の紙。
内容を見て
手紙を落とした。
「えっ?どうしたの??………えぇっ!?なにコレ!?」
ミオは、読めないよね。
なんでマスターが書けたのか分からない字だよ。
そこにはひらがなで、こう書いてあった。
ひずいをおそつたのは
くろいかみのいかいじんのしんじんるい
おおがまをもつてかぜをあやつる
あげはくんでまちがいないとおもいます
ヒズィを襲ったのは
黒い髪の異界人の新人類
大鎌を持って風を操る
アゲハくんで間違いないと思います
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この町に来て4ヶ月が過ぎた。
一ヶ所にこんなに長くいたのははじめてで、もう町の人として完全に溶け込んだ。
花将軍のこの地域での居城はできたらしい。
見に行くには遠いし顔も割れているから行かなかったけど
噂によると、三階建ての小さな城らしい。
そんな噂を聞く程度しか情報が入らなかったのに
突然、レオンから報告があった。
ヒズィという町が襲われたって。
ヒズィはここから離れた元雪将軍(現花将軍)の支配地域。
破壊者の支配地域との境にある町だから、どちらが襲ったかはまだ不明だって。
「たぶん、救済者がやった。あの町は救済者への貢ぎ物が滞っている事が度々あったらしいからな。被害状況もまだ不明だ」
「ヒズィって…最近ヤバかったよね?水不足とか問題になっていたよね?前にレオンたちが井戸掘ったんじゃなかったっけ?」
「レジスタンスに助けを求めてくるわりに偉そうな人が多かった町だったよね!俺、あの町好きじゃない」
みんなの話を聞く限り、あまりいい町じゃないのかな?って不安なんだけど
まぁとにかく、大変な事になったのは分かった。
「ヒズィにはギルと俺が行った事あったから、ギルたちが先行して見に行くってさ。だから報告待ちだけど、そろそろ俺たちもこの場に留まれないかもな」
ギルバートさんたちの報告待ち……。
なんとなく、今の生活は終わる気がした。
翌日は普通にお店を開けた。
今すぐ来いっていう無茶ぶりはないだろうし、もしかしたらお客さんから何かヒズィが襲われた話を聞けるかもしれない。
いざお店を開けると常連さんからはヒズィが襲われたって話は聞くけど、私たちが知っている以上の話はなかった。
「やっぱりギルバートさんたちの情報待ちが一番早そうだね」
お客さんがいない時間
一緒に休憩をしていたミオと話をしていたら、ドアが開いた音がした。
休憩時間だったからお店の看板は“休憩中”にしていたのに……。
「ミオ、ドアの鍵閉めてよ」
「ごめん、ごめん。忘れてた」
慌ててお店の方に行くと、息を切らしたマスターがいた。
「レオンさんは……今、どちらに!?」
「今はお客さんのところに薬を届けに……」
「では!!戻りましたら急ぎコレを!!!」
マスターが慌てて私の手に渡したのは、、手紙?
キチンと封をしてあって、レオン宛って書いてある。
「私はまた情報を集めます。レオンさんにくれぐれもよろしくお伝えください」
マスターは慌てて帰ってしまい、手には手紙……。
「開けちゃえば?」
「レオン宛だよ?」
「どうせレオンさん、俺たちに見せるって」
ミオは興味津々だし、私も正直気になる……。
ペーパーナイフもちょうどカウンターにあったから開封したら一枚の紙。
内容を見て
手紙を落とした。
「えっ?どうしたの??………えぇっ!?なにコレ!?」
ミオは、読めないよね。
なんでマスターが書けたのか分からない字だよ。
そこにはひらがなで、こう書いてあった。
ひずいをおそつたのは
くろいかみのいかいじんのしんじんるい
おおがまをもつてかぜをあやつる
あげはくんでまちがいないとおもいます
ヒズィを襲ったのは
黒い髪の異界人の新人類
大鎌を持って風を操る
アゲハくんで間違いないと思います
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