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CASE7 急転
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レオンは足を骨折してて松葉杖なしに歩けない。
ギルバートさんは右胸の傷が治っていないし、他のみんなも軽傷じゃない。
軽傷のエドガーとランさんは新しい隠れ家の関係で出ていってるし、アッシュも不在。
最悪の、状況。
「ギルバートが殺ったんでしょ?ま、別にいいわ。もうコハルもどうでもいいの」
スタスタと近づいてきて、ピタリと止まった。
「アゲハを迎えに来たの。どこにいるのかしら?」
………は?
何言ってるの?この人。
当たり前のように言ってるけど、アゲハは救済者じゃないし。
「ここにはいない」
「ふふっ、ギルバートは嘘が下手ねぇ。知ってるのよ?アゲハ、大怪我しているんでしょ?キチンと手当てを……人間ができて?」
「できたが?そこまで大怪我でもなかった」
ギルバートさんは真実を伝える気は更々ないらしい。
「……嘘ばっかり。噂になっているのよ?破壊者とやりあったって……。どうせアゲハの怪我だって魔法で治したんでしょう?可哀想」
前にも思ったけど、やっぱりこの人、嫌い。
上から目線だし、アゲハの何だっていうのさ!
「私の今日の目的はアゲハだけ。アゲハを素直に渡してくれたら、あなたたちは見逃すわ」
「馬鹿言ってんじゃねーよっ!!アゲハを渡せ?アゲハは物じゃねーよ!!」
レオンが叫んだら
花将軍の目付きが、変わった……!
嫌な予感と……あの時と同じ威圧感、、、
ノア将軍と屍将軍みたいな……!
…………すごく、嫌な予感しかない!!
だけど、花将軍は一切その場から動かなかった。
ただ
フワッと花の香りがしたと思ったら
身体の力が抜けて、ストンと落ちた。
私だけじゃなくて、全員が、、
つまりこれは……攻撃。
あの香りが……原因なんだ。
「あらあら大変!ちょっと身体の自由が効かなくなっちゃったのね」
この女………!
自分がやったくせにぬけぬけとっ!!
キッと睨んだけど私なんて見てなくて
何か、探している様子だった。
「……仕方ないわね、こうしたらアゲハは出てくるかしら?」
花将軍は指を鳴らした。
小さくパチンと鳴った音は
空高くにいた怪鳥に、届いた。
怪鳥が急降下してきたから思わず目を瞑って
風がやんだ時に目を開けた
花将軍の後ろに怪鳥がいて
その足には
シュナが捕まっていた。
鳥の足で人を捕まえられるって時点で怖いし。
「この子、どうなってもいいのかしら?」
「………卑怯だぞ!お前っっ!!」
レオンの言葉を鼻で笑って
何も言わず待っていた。
「ダメだからぁ!!!来たらダメッ!!!!」
今まで聞いたことがないシュナの大きな声。
花将軍が振り返ってシュナを見た瞬間、怪鳥が足に力をこめたのが分かった。
「シュナを離せ。俺が行く」
アゲハの声が響いた。
「行くな」
「ギルの命令でも聞けないよ……俺のせいで誰かが傷つくのは見たくない」
「駄目だ。行くな」
「……エドガーとアイリーンさん、、、俺のせいでまた子供を失うの?」
「他に、手はない」
最後にハッキリとそう言ったアゲハは
私すら見ようとしないでまっすぐ花将軍のところへ歩いていった。
「シュナを離せ」
「えぇ……どうぞ、あなたは自由よ?」
花将軍とアゲハの間に、シュナは落とされた。
落ちる瞬間、アゲハが魔法を使ったみたいで、シュナに怪我はないみたい。
変わりに、アゲハがその場にうずくまった。
ギルバートさんは右胸の傷が治っていないし、他のみんなも軽傷じゃない。
軽傷のエドガーとランさんは新しい隠れ家の関係で出ていってるし、アッシュも不在。
最悪の、状況。
「ギルバートが殺ったんでしょ?ま、別にいいわ。もうコハルもどうでもいいの」
スタスタと近づいてきて、ピタリと止まった。
「アゲハを迎えに来たの。どこにいるのかしら?」
………は?
何言ってるの?この人。
当たり前のように言ってるけど、アゲハは救済者じゃないし。
「ここにはいない」
「ふふっ、ギルバートは嘘が下手ねぇ。知ってるのよ?アゲハ、大怪我しているんでしょ?キチンと手当てを……人間ができて?」
「できたが?そこまで大怪我でもなかった」
ギルバートさんは真実を伝える気は更々ないらしい。
「……嘘ばっかり。噂になっているのよ?破壊者とやりあったって……。どうせアゲハの怪我だって魔法で治したんでしょう?可哀想」
前にも思ったけど、やっぱりこの人、嫌い。
上から目線だし、アゲハの何だっていうのさ!
「私の今日の目的はアゲハだけ。アゲハを素直に渡してくれたら、あなたたちは見逃すわ」
「馬鹿言ってんじゃねーよっ!!アゲハを渡せ?アゲハは物じゃねーよ!!」
レオンが叫んだら
花将軍の目付きが、変わった……!
嫌な予感と……あの時と同じ威圧感、、、
ノア将軍と屍将軍みたいな……!
…………すごく、嫌な予感しかない!!
だけど、花将軍は一切その場から動かなかった。
ただ
フワッと花の香りがしたと思ったら
身体の力が抜けて、ストンと落ちた。
私だけじゃなくて、全員が、、
つまりこれは……攻撃。
あの香りが……原因なんだ。
「あらあら大変!ちょっと身体の自由が効かなくなっちゃったのね」
この女………!
自分がやったくせにぬけぬけとっ!!
キッと睨んだけど私なんて見てなくて
何か、探している様子だった。
「……仕方ないわね、こうしたらアゲハは出てくるかしら?」
花将軍は指を鳴らした。
小さくパチンと鳴った音は
空高くにいた怪鳥に、届いた。
怪鳥が急降下してきたから思わず目を瞑って
風がやんだ時に目を開けた
花将軍の後ろに怪鳥がいて
その足には
シュナが捕まっていた。
鳥の足で人を捕まえられるって時点で怖いし。
「この子、どうなってもいいのかしら?」
「………卑怯だぞ!お前っっ!!」
レオンの言葉を鼻で笑って
何も言わず待っていた。
「ダメだからぁ!!!来たらダメッ!!!!」
今まで聞いたことがないシュナの大きな声。
花将軍が振り返ってシュナを見た瞬間、怪鳥が足に力をこめたのが分かった。
「シュナを離せ。俺が行く」
アゲハの声が響いた。
「行くな」
「ギルの命令でも聞けないよ……俺のせいで誰かが傷つくのは見たくない」
「駄目だ。行くな」
「……エドガーとアイリーンさん、、、俺のせいでまた子供を失うの?」
「他に、手はない」
最後にハッキリとそう言ったアゲハは
私すら見ようとしないでまっすぐ花将軍のところへ歩いていった。
「シュナを離せ」
「えぇ……どうぞ、あなたは自由よ?」
花将軍とアゲハの間に、シュナは落とされた。
落ちる瞬間、アゲハが魔法を使ったみたいで、シュナに怪我はないみたい。
変わりに、アゲハがその場にうずくまった。
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