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CASE6 新人類開発施設

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「キミ、、、ゼロくんによくそんな口きけるね?」 


「へ……あぁ、偉い立場の人って認識は一応あるけど……敬う程じゃないでしょ?器的に」


口悪いし私とかアゲハの事を名前で呼ばないし。


アゲハの方がしっかりした人に見えるから……精神年齢低そうだし。



「ソラは凄いな……ゼロくんを前にしてハッキリと言い切れたのは、幹部以外ではステファニー以外にいなかったのに、、、」


ジェスさんはそれからブツブツ独り言を言い出した。

私のこと美しくはないけど興味が湧いたとかなんとか、、、


それよりも、アゲハもいないし元奴隷の人々もいないし……?


「全員どこに?」


「アゲハくんが家に連れていった。ここからすぐ近く…この家を使わない間の掃除とかもちゃっかり頼んでいたよ。さすがアゲハくん。抜け目ないよね」



確かにこの家は埃っぽいし


使わないとなるとかなり長い間放置してそう。



見渡すと生活感がまるでない家で、なんか寂しい。

私が知っている家はもっと暖かい場所なんだけどな。。。


無機質なこの感じが、レジスタンスが根なし草であることを表してるみたい。



「とりあえず俺たちも行こう。アゲハくん置いては帰れないからね」


ジェスさんを先頭に、森に少し入ると開けた場所に大きい家があった。




ノックもしないでジェスさんが開けると、中では元奴隷の人たちが笑顔でいた。


その真ん中に、アゲハがいる。


「あ、おかえり!じゃあ俺はまた明日も来るから一旦帰るよ」


アゲハはまた明日もここかぁ。

じゃあ、私は?


イマイチ私が何をすべきか

役割っていうのかな?

それを見いだせないでいる。






**********





「スーが元気になれば空とジェスは先に合流場所のサティの町に行ってる?」


夕飯の時に、不意にそう聞かれた。


スーはまだ寝てるみたいで、私とジェスさんに対して聞いてるんだけど……。


「アゲハとゼロさんはどうするの?」


「俺はまだやることがいっぱいで……。元奴隷の人たちの支援もだけど、シンクロ教えてって頼まれちゃったからね。それやりつつ、仕事もやらなきゃ」


「仕事?」


アゲハって仕事してるの?

高校生なのに……変な感じ。


「そう。俺は“エナメ”って町で仕事してるの。あ、ほら、エドガーの家に行くためにミレイが俺たちを飛ばした町。そこがエナメ」


「結構大きい町だったよね?」


「うん。治安はまぁまぁ悪い……そこで俺とレオンが仕事してるんだよね。そこで調剤師みたいな仕事してるんだ」


サラリとすごい事を言ったよね?

知識とか資格とか……高校生がそんな仕事してるなんて日本じゃ考えられないよ?



「表向きはそうやって住人として暮らして、目的は情報収集。だから定期的には戻らないと……1ヶ月以上戻ってないしね」


そう言ったアゲハは眠たそうにあくびをしていた。

夕飯を食べ終わってウトウトしてる今は、普通の高校生と変わらないのにな。


「お前早く寝ろ。ここで寝落ちしたら運ぶのが面倒だ」


そう言ってるゼロさんも眠そうであくびしている。


「俺が寝落ちしたらお姫様抱っこして運んでよ」


アゲハが冗談で言ってるけど、ゼロさんはめっちゃ真顔。


「おひめさま?……抱っこ?」


「あ、この言葉はこの世界にないんだ……」


アゲハはちょっと目が覚めたみたい。

それからニヤッと笑ったから、、、嫌な予感しかしない。


「ゼロやってみる?お姫様抱っこ」

「お前を持ち上げんだろ?俺にできないと思ったのか?」


あーあ、言っちゃった。

アゲハが笑った時のちょっと悪そうな顔、ゼロさんは気づいていなかったんだね。


「ねぇ、ジェス、耳貸して?」

ゼロさんに聞こえないようにこそっと耳打ち。


「今からめっちゃ面白いのが見れるよ」



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