理想郷 - 私と幼馴染みの異世界物語 -

由奈(YUNA)

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CASE6 新人類開発施設

6

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**********


「なんでアゲハくんの部屋にみんないたの?」


朝起きる時間

夜更かししたせいで私とアゲハは起きれなかったし、ゼロさんもスーも爆睡してた。

だから、起こしに来てくれたのはコハルちゃんで

コハルちゃんはみんなが雑魚寝状態なのが不思議だったみたい。


朝ごはんのタイミングでやっぱり聞かれた。



「ん?仲良しだからだよ。そうだよね?空」

満面の笑みで答えたアゲハ。


「うん、そうそう。仲良しだからね」

とりあえず話を合わせたら隣から舌打ちが聞こえた。

ゼロさん……だね。舌打ちしたの。



「アゲハくん今度はいつまでいるの?もう元気なの?大丈夫なの?」


コハルちゃんはアゲハにくっついて離れない。

質問攻めなのにもビックリだけど、コハルちゃんが慕ってるのにもビックリした。

アゲハとは距離を置く人ばかりなのに。



「アゲくんモテるねぇ」


ニヤニヤしながら眺めてるスー。

モテる……と、呼ぶべきなのかな?

10歳くらい歳が離れてるよ?

兄と妹じゃない??


「花将軍と元ど……ミレイとあの妹、、、ずいぶんなのにモテるよな」


すごい含みのある言い方ばかりしたよ、ゼロさん。

スーも気づいていないのかウンウン頷いてるけどさ

やっぱり、ミレイって元奴隷なんだって分かっちゃったよ……。

それに、コハルちゃんを“あの妹”って?


「ずいぶん含みがある言い方しますね」

「色々と言えねぇ事もあるんだよ」

「へぇーー、、、ふーーん、そうですかぁ」

グサッとフォークでゆで卵を刺したらまた舌打ち。

朝から機嫌悪いって、、、ゼロさん女子なの?低血圧?


「後で話すさ!!」


結構大きな声を出したからみんながゼロさんを見た。

ゼロさんに注目が集まった事にアゲハもちょっと楽しそう。


「うん、ジェスが来たら話そうね。さぁて、ちょっと準備するかなぁ。コハル、またね」

出された朝食を一番に完食したアゲハは誰よりも先に部屋に戻っていった。

朝食の場所は人が多いから、気まずいのかな?


「準備?」

「花将軍の城にいた事あるから見取り図書くんだとさ」

あぁ、なるほど。

確かに、アゲハは絵がうまいもんね。


「でも、、、酷な話だね。思い出したくもない場所の絵を描かせるって、、、」

「……言うなよ。俺だって悪いとは思ってる」

「おーっ!ゼロくんに良心ってあったんだね!」


スーの言い方!

ギョッとした顔でスーを見た人が何人かいたけど、たぶんここの人たちもスーは初見なのかもね。




**********



ジェスさんが現れたのはそれからすぐ。


青い髪をなびかせた………後ろ姿だけ見たら女子か?ってくらいのロングストレートな髪の男性。

エドガーも髪を結んでいたけど、エドガーより長いな。


「久しぶりだねアゲハくん。色々と聞いていたけど思ったより元気そうで安心したよ!」


ジェスさんはアゲハにロックオンしてて、ゼロさんが挨拶をしても「どうも」ってくらいで済ませてた。

なんなんだ、この人は?


「で、この異界人はどなたかな?」

「彼女はソラ。俺の幼馴染み」

「アゲハくんの………幼馴染み?」


そう言ったジェスさんはじぃっと私を見てきた。

ジリジリと近づきながら……

なんか、圧が、、、圧がすごい。


「どうも……はじめまして、空です」


ようやく挨拶をした頃には私の背中は壁についていた。




「………美しくないな」

「は……?」

「アゲハくんの幼馴染みだから期待したが……キミは美しくない」


……え?

これ、キレていいのかな?


初対面で“美しくない”って、失礼じゃない!?



「俺は美しいものを愛している。例えば俺。この顔、この髪、この身体。芸術と言っても過言ではない」


「……え?あの、ダイジョウブ?」


頭、大丈夫かな、この人。

一応、聞いた私を無視して私に対して思いっきり背を向けた。


「この俺が美しいと感じたのは、そう!アゲハくん!!君という存在だっ!!」

「はいはい、ドーモ」


アゲハは慣れているのか見てもいないし、なんなら私に向かって手招きしているし。

ジェスさんシカトして来いって意味??


「その儚い存在こそが美しい!そんなアゲハくんの幼馴染みだから美しいかと期待したが、、、ぺちゃんこの胸、生意気そうな顔、傷んだ髪。アゲハくんには釣り合わない」


はぁぁあっ!?

なんで初対面でこんなディスられてるわけ!!?



「………ねぇアゲハ。コイツ、殴っていい?」

「駄目だよ。ジェスには悪気はないんだよ……」


頭を抱えたアゲハの傍で、スーがひたすら爆笑していた。


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