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CASE5 武器と魔法
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結果的にはあっさり負けた。
だって剣の扱い方って分からないし。
剣の握り方から振り方まで
私と武器が違うのに、エドガーは教えてくれた。
「ところで…聞いていいかな?」
クタクタになるまでしごかれて、ようやく休憩。
水の入ったボトルを渡しながら隣に座った。
「アゲハは、昨日どうだったかな?ソラが夜に部屋に行ったのはスーから聞いたけど…」
エドガーがすごく小声で
誰にも聞かれないように配慮してるのは分かった。
「落ち込んでた…くらいしか私は言えない」
落ち込んだ原因の一人に、詳しく話していいか分からないし。
「そうか…アゲハには申し訳ないことをしてしまったね…」
チラッとエドガーの顔を見ると後悔してるって様子だった。
「夜は寝れたのかな?ずいぶん顔色も悪く見えたし、朝も早かったし…」
え?私に聞くの?
そんなの、知らないよ。
「本人に聞いたら?私、知らないよ」
「……え?一緒じゃなかったのか?」
エドガーは驚いているけどどういう意味?
「付き合ってもいない男女が毎日一緒に寝てたら体裁悪いでしょ?………ってアゲハが言ったから」
「まぁ、、そうだが……今のあの子は見たこともないくらい不安定な様子だから、、、心を許せる人が傍にいるべきだ。体裁など、私はなにも、気にしないのにな」
「……本当は、その心を許せる相手、私じゃなくてエドガーたちだったんじゃないの?エドガーたちの方が、、、私よりもアゲハの苦しみを知ってるんだから」
「……ソラは厳しいな。………だが、そうだな、、、本当は、私たちでもあの子に寄り添えたかもしれないな」
エドガーの表情からは後悔とかが滲み出てたから、、、
私も昨日、エドガーに言い過ぎたね。
エドガーだって息子さんを亡くしたばかりで、余裕だってないかもしれない。
それでも、明るく振る舞ってるんだから。
「私、昨日言い過ぎた。ごめんなさい…」
「ソラが謝ることはない。私が悪かった……。正直、迷ったんだ。アゲハは新人類だから人ではない。それは事実と言えば事実だ」
それはそうだけど……
だけど、それを本人に言うのは酷だよ。
「しかし、人である時との違いは核くらいだ。たったそれだけの違いで、人ではない、、とは思えない。その二つを考えてしまい、答えに窮した……。それと、、、」
「それと?」
「新人類を、自らを化け物と言った事が悲しかった。ずっとそう思っていたのか、思わせてしまったのか……」
はぁっとため息を吐いてから、頭を抱えてしまった。
「どちらにしても、結果として傷つけてしまったし、弁解しようにも聞いてはくれそうにない。全く……どうしたものかな……」
本当に後悔、、、していたんだね。
異界人だから分かりあえないのかな?って思ったけど、そんな事ないんだね。
さっきまであったエドガーたちに対してのモヤモヤした気持ちがなくなって、私もホッとしたし楽になれた。
「昨日、言ってたよ。エドガーたち四人には人だって言われたかった…って」
その事だけは、言った方がいいかな?って思ったから。
勝手に話してごめんね?
「そうか…ありがとう、教えてくれて。アゲハの事を教えてくれたのは少しはソラも私を許してくれたのかな?」
「許すって上から目線では言えないよ。ただね、分かったから。違う世界の人同士だけど、分かりあえるって」
エドガーが顔をあげてこっちを見て
それから表情がだいぶ変わった。
「もちろん。ソラにはアゲハの事で色々と頼りにもするしお願いもするだろうけど…よろしく頼むよ」
「エドガー……お父さんみたいだね」
「アゲハは私の息子のような存在だからな」
そう言って勢いよく立ち上がった。
「さぁ、ソラ!ソラと話したら元気が出たからまた練習はじめるよ!ホラ、剣だして!!」
「え~っ!もうクタクタなのに…」
「大丈夫、ヘロヘロになればやめにしよう!」
クタクタとヘロヘロの差はなんだよ!
どっちも動けなくなりそうな状態じゃん!
嫌だって態度の私を無視して無理矢理立たされてせかされた。
まぁエドガーの本心も知れたし、元気になったなら良かったし?
ただ、心配なのはアゲハだね。
今日もまた、行ってみるかな?
だって剣の扱い方って分からないし。
剣の握り方から振り方まで
私と武器が違うのに、エドガーは教えてくれた。
「ところで…聞いていいかな?」
クタクタになるまでしごかれて、ようやく休憩。
水の入ったボトルを渡しながら隣に座った。
「アゲハは、昨日どうだったかな?ソラが夜に部屋に行ったのはスーから聞いたけど…」
エドガーがすごく小声で
誰にも聞かれないように配慮してるのは分かった。
「落ち込んでた…くらいしか私は言えない」
落ち込んだ原因の一人に、詳しく話していいか分からないし。
「そうか…アゲハには申し訳ないことをしてしまったね…」
チラッとエドガーの顔を見ると後悔してるって様子だった。
「夜は寝れたのかな?ずいぶん顔色も悪く見えたし、朝も早かったし…」
え?私に聞くの?
そんなの、知らないよ。
「本人に聞いたら?私、知らないよ」
「……え?一緒じゃなかったのか?」
エドガーは驚いているけどどういう意味?
「付き合ってもいない男女が毎日一緒に寝てたら体裁悪いでしょ?………ってアゲハが言ったから」
「まぁ、、そうだが……今のあの子は見たこともないくらい不安定な様子だから、、、心を許せる人が傍にいるべきだ。体裁など、私はなにも、気にしないのにな」
「……本当は、その心を許せる相手、私じゃなくてエドガーたちだったんじゃないの?エドガーたちの方が、、、私よりもアゲハの苦しみを知ってるんだから」
「……ソラは厳しいな。………だが、そうだな、、、本当は、私たちでもあの子に寄り添えたかもしれないな」
エドガーの表情からは後悔とかが滲み出てたから、、、
私も昨日、エドガーに言い過ぎたね。
エドガーだって息子さんを亡くしたばかりで、余裕だってないかもしれない。
それでも、明るく振る舞ってるんだから。
「私、昨日言い過ぎた。ごめんなさい…」
「ソラが謝ることはない。私が悪かった……。正直、迷ったんだ。アゲハは新人類だから人ではない。それは事実と言えば事実だ」
それはそうだけど……
だけど、それを本人に言うのは酷だよ。
「しかし、人である時との違いは核くらいだ。たったそれだけの違いで、人ではない、、とは思えない。その二つを考えてしまい、答えに窮した……。それと、、、」
「それと?」
「新人類を、自らを化け物と言った事が悲しかった。ずっとそう思っていたのか、思わせてしまったのか……」
はぁっとため息を吐いてから、頭を抱えてしまった。
「どちらにしても、結果として傷つけてしまったし、弁解しようにも聞いてはくれそうにない。全く……どうしたものかな……」
本当に後悔、、、していたんだね。
異界人だから分かりあえないのかな?って思ったけど、そんな事ないんだね。
さっきまであったエドガーたちに対してのモヤモヤした気持ちがなくなって、私もホッとしたし楽になれた。
「昨日、言ってたよ。エドガーたち四人には人だって言われたかった…って」
その事だけは、言った方がいいかな?って思ったから。
勝手に話してごめんね?
「そうか…ありがとう、教えてくれて。アゲハの事を教えてくれたのは少しはソラも私を許してくれたのかな?」
「許すって上から目線では言えないよ。ただね、分かったから。違う世界の人同士だけど、分かりあえるって」
エドガーが顔をあげてこっちを見て
それから表情がだいぶ変わった。
「もちろん。ソラにはアゲハの事で色々と頼りにもするしお願いもするだろうけど…よろしく頼むよ」
「エドガー……お父さんみたいだね」
「アゲハは私の息子のような存在だからな」
そう言って勢いよく立ち上がった。
「さぁ、ソラ!ソラと話したら元気が出たからまた練習はじめるよ!ホラ、剣だして!!」
「え~っ!もうクタクタなのに…」
「大丈夫、ヘロヘロになればやめにしよう!」
クタクタとヘロヘロの差はなんだよ!
どっちも動けなくなりそうな状態じゃん!
嫌だって態度の私を無視して無理矢理立たされてせかされた。
まぁエドガーの本心も知れたし、元気になったなら良かったし?
ただ、心配なのはアゲハだね。
今日もまた、行ってみるかな?
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