62 / 342
CASE5 武器と魔法
4
しおりを挟む
夜になってご飯を食べて。
夕飯の片付けを手伝ったりして、なんとなく笑って過ごした。
ギルバートさんたちは難しそうな顔をして集まっているから寄らないようにして、ルーラたちとこの世界の通貨の話で盛り上がった。
私たちが50円だと思ったのはエンで。
読みは同じだけどエンは全て紙幣だった。
異界の硬貨で柄や文字があって穴が開いてるもの(ようは50円玉と5円玉)はかなり高価なヤツらしく、一生遊んで暮らせる価値があるらしい。
異界のお金ってだけで稀少だって言ってたけど、異界の紙幣には価値はないらしい。
そんな感じだから、私たちが買い物で硬貨を出したから大騒ぎになって、それが巡り巡ってルーラたちの耳に入ったんだって。
「お店の人も焦るよ。大金をポンと出されたようなものだし」
「マジか!じゃあ私らちょーお金持ちになれるじゃん!」
そう言った桃華は部屋に走っていって
再びバタバタ戻ってきたときには50円玉を3枚持っていた。
「ふっふーん!穴が開いた硬貨は3枚あったよ!って事でシュナにあげる!私はこの家にお世話になるんだもんね!」
そう言って渡されたシュナは固まって、それから困った顔をしてイブキを見つめていた。
「モモカの好意だ。父さん母さんに聞いてみな」
「うん……ありがとう、モモカ」
シュナの声を今日はじめて聞いたかも。
シュナはパタパタと走っていって、それからエドガーさんとアイリーンさんが慌ててこっちに来て大騒ぎになっていた。
そんな状況を笑ってみていたけど
楽しい夜なんだけど
やっぱり私の魔法についてが忘れられなくて、心の中で引っ掛かったまま。
怖いなぁ……自分自身が。
**********
「おやすみ~。あー、、疲れたぁ………」
桃華は秒で眠りに落ちたから、相当疲れていたみたい。
私も寝よう……って一応は思ったけど考えることが多すぎて寝れる訳なくて。
今日、アゲハは夜、大丈夫なのかな?
しばらくしてからベッドを抜け出して廊下に出て
アゲハの部屋の前で立ち止まった。
話し声……が、聞こえる?
誰かいるなら、大丈夫……なのかな?
やっぱり戻ろうか、やめようか。
ドアから離れて悩んでいたら、ドアが開いた。
そして、私を見て、顔を見合わせて黙ってドアを閉めた。
部屋から出てきたのはレオンとエドガーさん。
「ソラ、どうした?こんな夜中に」
夜だから小声でレオンに聞かれたけど……言っていいのかな?
今朝の流れだと、完全に私が夜這いに来た状態じゃん、コレ。
「レオンたちこそ、どうしたの?」
質問を質問で返しちゃったけど、レオンはエドガーさんを見てエドガーさんが口を開いた。
「アゲハがうなされていたのでね。部屋に行ったら大丈夫だからと追い出されてしまったよ」
……やっぱり、夜、ダメなんだ。
困った様子の二人だから、色々と知ってるんだろうなって感じた。
心配で見に来たらうなされていたんだね。
「いつも、、、こうなの?」
「いつも何かあった後は眠れなくなる。今回は理由がありすぎているからな」
そう言ったレオンに、私の頭は撫でられた。
「傍にいてやってくれ。ソラはアゲハが唯一本音を言える相手だったって聞いていたからさ。俺らじゃダメだ」
「少し寂しい気もするけどね。昨日だってソラがいたから熟睡していたなんて、、、私たちといる時はそんな時の方が稀だったのにな」
なんで昨夜から私がアゲハの部屋にいたのかは、説明をしなくてもエドガーさんたちは分かっていたのかな?
わかっていて……あのイジリかぁ。。。
「また朝になったらからかうの?」
「それはアゲハの反応次第。今朝はまぁまぁ動揺してたから……ついな」
ニヤリと笑ったレオンがなんかムカついた。
ついじゃないよ。ついじゃ。
夕飯の片付けを手伝ったりして、なんとなく笑って過ごした。
ギルバートさんたちは難しそうな顔をして集まっているから寄らないようにして、ルーラたちとこの世界の通貨の話で盛り上がった。
私たちが50円だと思ったのはエンで。
読みは同じだけどエンは全て紙幣だった。
異界の硬貨で柄や文字があって穴が開いてるもの(ようは50円玉と5円玉)はかなり高価なヤツらしく、一生遊んで暮らせる価値があるらしい。
異界のお金ってだけで稀少だって言ってたけど、異界の紙幣には価値はないらしい。
そんな感じだから、私たちが買い物で硬貨を出したから大騒ぎになって、それが巡り巡ってルーラたちの耳に入ったんだって。
「お店の人も焦るよ。大金をポンと出されたようなものだし」
「マジか!じゃあ私らちょーお金持ちになれるじゃん!」
そう言った桃華は部屋に走っていって
再びバタバタ戻ってきたときには50円玉を3枚持っていた。
「ふっふーん!穴が開いた硬貨は3枚あったよ!って事でシュナにあげる!私はこの家にお世話になるんだもんね!」
そう言って渡されたシュナは固まって、それから困った顔をしてイブキを見つめていた。
「モモカの好意だ。父さん母さんに聞いてみな」
「うん……ありがとう、モモカ」
シュナの声を今日はじめて聞いたかも。
シュナはパタパタと走っていって、それからエドガーさんとアイリーンさんが慌ててこっちに来て大騒ぎになっていた。
そんな状況を笑ってみていたけど
楽しい夜なんだけど
やっぱり私の魔法についてが忘れられなくて、心の中で引っ掛かったまま。
怖いなぁ……自分自身が。
**********
「おやすみ~。あー、、疲れたぁ………」
桃華は秒で眠りに落ちたから、相当疲れていたみたい。
私も寝よう……って一応は思ったけど考えることが多すぎて寝れる訳なくて。
今日、アゲハは夜、大丈夫なのかな?
しばらくしてからベッドを抜け出して廊下に出て
アゲハの部屋の前で立ち止まった。
話し声……が、聞こえる?
誰かいるなら、大丈夫……なのかな?
やっぱり戻ろうか、やめようか。
ドアから離れて悩んでいたら、ドアが開いた。
そして、私を見て、顔を見合わせて黙ってドアを閉めた。
部屋から出てきたのはレオンとエドガーさん。
「ソラ、どうした?こんな夜中に」
夜だから小声でレオンに聞かれたけど……言っていいのかな?
今朝の流れだと、完全に私が夜這いに来た状態じゃん、コレ。
「レオンたちこそ、どうしたの?」
質問を質問で返しちゃったけど、レオンはエドガーさんを見てエドガーさんが口を開いた。
「アゲハがうなされていたのでね。部屋に行ったら大丈夫だからと追い出されてしまったよ」
……やっぱり、夜、ダメなんだ。
困った様子の二人だから、色々と知ってるんだろうなって感じた。
心配で見に来たらうなされていたんだね。
「いつも、、、こうなの?」
「いつも何かあった後は眠れなくなる。今回は理由がありすぎているからな」
そう言ったレオンに、私の頭は撫でられた。
「傍にいてやってくれ。ソラはアゲハが唯一本音を言える相手だったって聞いていたからさ。俺らじゃダメだ」
「少し寂しい気もするけどね。昨日だってソラがいたから熟睡していたなんて、、、私たちといる時はそんな時の方が稀だったのにな」
なんで昨夜から私がアゲハの部屋にいたのかは、説明をしなくてもエドガーさんたちは分かっていたのかな?
わかっていて……あのイジリかぁ。。。
「また朝になったらからかうの?」
「それはアゲハの反応次第。今朝はまぁまぁ動揺してたから……ついな」
ニヤリと笑ったレオンがなんかムカついた。
ついじゃないよ。ついじゃ。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
××の十二星座
君影 ルナ
ファンタジー
※リーブラの外での呼び方をリーからリブに変えましたー。リオもリーって書いてたのを忘れてましたね。あらうっかり。
※(2022.2.13)これからの展開を考えてr15に変更させていただきます。急な変更、申し訳ありません。
※(2023.5.2)誠に勝手ながら題名を少し変更させて頂きます。「〜」以降がなくなります。
───
この世界、ステラには国が一つだけ存在する。国の名も世界の名前同様、ステラ。
この世界ステラが小さいわけではない。世界全てが一つの国なのだ。
そんな広大な土地を治めるのは『ポラリス』と呼ばれる羅針盤(王)と、その下につく『十二星座』と呼ばれる十二人の臣下。その十三人を合わせてこの世界の『トップ』と呼ぶ。
ポラリスはこの世界に存在する四つの属性魔法全てを操ることが出来、更に上に立つ人間性も必要である。そして十二星座全員が認めた者しかなれない。この世界を治めるからには、条件も厳しくなるというもの。
そして十二星座は、それぞれの星座を襲名している人物から代々受け継がれるものである。ただし、それぞれ何かに秀でていなければならない。(まあ、主に戦闘面であるが)
そんな世界ステラで、初代に次いで有名な世代があった。小さい子から老人まで皆が知る世代。その名も『××の十二星座』。
その世代のことは小説や絵本などになってまで後世に根強く伝わっているくらいなのだから、相当の人気だったのだろう。
何故そこまで有名なのか。それは十三人とも美形揃いというのもあるが、この代の十二星座はとにかく世界が平和であることに力を注いでいたからだ。だからこそ、国民は当時の彼らを讃える。
これはその『××の十二星座』の時代のお話である。
───
※主要キャラ十二人は全員主人公が大好きです。しかし恋愛要素は多分無いと思われます。
※最初の『十二星座編』は主人公を抜いた主要キャラ目線で進みます。主人公目線は『一章』からです。
※異世界転生者(異世界語から現代語に翻訳できる人)はいません。なので物の名前は基本現代と同じです。
※一応主要キャラは十三人とも一人称が違います。分かりやすく書けるようには努めますが、誰が話しているか分からなくなったら一人称を見ていただけるとなんとなく分かるかと思います。
※一章よりあとは、話数に続いて名前が書いてある時はそのキャラ目線、それ以外はマロン目線となります。
※ノベプラ、カクヨム、なろうにも重複投稿しています。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
魔術師セナリアンの憂いごと
野村にれ
ファンタジー
エメラルダ王国。優秀な魔術師が多く、大陸から少し離れた場所にある島国である。
偉大なる魔術師であったシャーロット・マクレガーが災い、争いを防ぎ、魔力による弊害を律し、国の礎を作ったとされている。
シャーロットは王家に忠誠を、王家はシャーロットに忠誠を誓い、この国は栄えていった。
現在は魔力が無い者でも、生活や移動するのに便利な魔道具もあり、移住したい国でも挙げられるほどになった。
ルージエ侯爵家の次女・セナリアンは恵まれた人生だと多くの人は言うだろう。
公爵家に嫁ぎ、あまり表舞台に出る質では無かったが、経営や商品開発にも尽力した。
魔術師としても優秀であったようだが、それはただの一端でしかなかったことは、没後に判明することになる。
厄介ごとに溜息を付き、憂鬱だと文句を言いながら、日々生きていたことをほとんど知ることのないままである。
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる